用語解説

5G、IoTに関連する各種用語をまとめています。
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ア行

IoT(Internet of Things)

IoTは、の日本語では「モノのインターネット」と訳されます。従来、インターネットに接続されていなかったセンサーやアクチュエーター、住宅や建物、車、家電製品、電子機器などが、インターネットを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組みを指します。センサーの小型化や性能の向上、そして、無線通信技術の進歩や、AI、クラウドといった先端技術の登場によって、IoTを活用できる分野や用途はますます拡大しています。

i-Construction

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、建設生産システム全体の生産性を向上させ、建設現場の魅力を高めようとする取組みで、「ICTの全面的な活用(ICT土木)」、「規格の標準化」、そして「施行時期の標準化」の3分野の施策があります。それぞれ、ドローンを活用した3次元測量などによる建設作業の省力化、コンクリート工における規格標準化による業務の効率化、そして、繁忙期と閑散期が極端なため、収入が不安定で休暇が取得しにくいという現状の是正を目指す取組みです。日本では、国土交通省が、3次元データを使用するための15の新基準の整備や、ICTの活用に必要な新たな積算基準の導入といった制度整備から、ベストプラクティスを称えるi-Construction大賞の表彰を行うなど、i-Constructionを積極的に推進しています。

RTK (Real Time Kinematic):リアルタイムキネマティック

RTK(リアルタイムキネマティック)は、「相対測位」と呼ばれる、GPSの位置測定の精度を向上させる測定手法です。衛星による位置情報は、単独では誤差が生じてしまいます。RTKでは、固定局と移動局の2つの受信機で4つ以上の衛星から信号を受信し、2つの受信機の間で情報をやりとりして誤差を補正することで、誤差を数センチメートル以内に抑えることができます。RTKは、農機や建設機械、ドローンの自動航行など、より正確な位置情報を求められる分野での活用が進んでいます。

Industry 4.0

インダストリー4.0(第4次産業革命)は、ドイツ政府が、同国内の産官学連携により進めている国家プロジェクトです。「相互運用性」、「情報の透明性」、「技術的アシスト」、そして「分散的意志決定」という4つの原則のもと、AIやIoTなどの先端技術を積極的に活用し、製造業を改革することを目指すもので、その中心的なコンセプトが、「スマートファクトリー」です。「スマートファクトリー」が実現し、さらにバリューチェーンの変革や新たなビジネスモデルの構築が進むことで、大量生産の仕組みを活用しながらオーダーメードの製品作りを行う「マスカスタマイゼーション」が実現するとされています。

インフラシェアリング

総務省が使い始めた用語で、基本的には「インフラ(インフラストラクチャー)をシェアリング(共有・共用・共同利用)すること」であり、特に移動通信(移動体通信)の分野において、携帯電話基地局などで構築される通信ネットワークを、複数の事業者で共同で使いまわすことを指す用語です。5Gの導入・展開において大きな障壁となる最初期のインフラ設備投資を、共同利用する事で軽減化する為の施策として活用が期待されています。

eスポーツ

eスポーツは、「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称です。電子機器を用いて行う娯楽や競技、スポーツ全般を指す言葉で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際に使われます。近年は、リアルのスポーツイベントの種目としてeスポーツを採用するが増えてきており、日本では、2019年以降、国民体育大会の文化プログラムとして、「都道府県対抗eスポーツ大会」が開催されています。2021年5~6月には、東京オリンピックの開催を控え、IOC公認で、「新しいオリンピックのデジタル体験」としてオリンピック・バーチャルシリーズ(OVS)が開催されました。

ウェルビーイング

ウェルビーイング(Well-being)とは、心身と社会的な健康を意味する概念で、満足した生活を送ることができている状態、幸福な状態、充実した状態などの多面的な幸せを表す言葉です。1946年の世界保健機関(WHO)設立の際に考案された憲章において、初めてウェルビーイングという言葉が言及され、健康促進の重要性が提唱されるようになりました。また、厚生労働省は、この言葉を「個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」だとしています。

宇宙ステーション

宇宙ステーションとは、地上から約400km上空に建設された巨大な有人実験施設のことです。1周約90分というスピードで地球の周りを回りながら、実験・研究、地球や天体の観測などを行っています。唯一、宇宙空間で人類が活動できる場所であり、重力の影響を受けにくい、特殊な環境下で、科学実験や研究に取り組むなど、地球での暮らしや人類の発展に貢献しています。

AI(Artificial Intelligence)

AI(人工知能)は、一般的には「人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術」と定義されていますが、その定義は専門家によって様々です。AI研究は、1960年代以降、何度かのブームと冬の時代を繰り返してきました。2000年代以降、ディープラーニング(深層学習)技術の進歩により、従来の機械学習では実現不可能だった、高性能な認識が可能になり、現在は第3次AIブームと言われています。「画像認識」や「音声認識」のような分野に特化して自動的に学習、処理を行うAIの活用が進んでいます。また、ビッグデータをAIで分析して将来予測を行うようなサービスも登場しています。人間と同じようにさまざまな課題を処理することができる汎用型AIの研究も進んでおり、2045年には、AIが自ら人間よりも賢い知能を生み出すことが可能になるシンギュラリティ(技術的特異点)が到来すると予測されています。

AR(Augmented Reality):拡張現実

AR (拡張現実)は、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、人が知覚する現実の環境を「仮想的に拡張する」技術、および、拡張された環境のことです。ゼロから仮想空間を構築するVRとは異なり、ARは現実世界の情報を活用し、それを拡張します。そのため、現実の部屋に家具を置いた場合にどのように見えるか、あるいは、洋服を着た場合にどうなるかなど、現実とバーチャル情報を組み合わせたシミュレーションに適しています。ARは、ファッション業界から、インテリア業界、建設業界など多種多様な業界で導入が進んでいます。

衛星コンステレーション

特定の方式に基づく多数の人工衛星の一群・システムを指しています。衛星コンステレーションでは、通信の遅延時間が短い中・低軌道を周回する非静止衛星を用いるため、世界全域を対象として、緊急時・平時を問わず、陸上・海上・航空機上で、高速大容量通信など多様なサービスの提供が可能であり、世界的に様々な衛星コンステレーションシステムが計画されています。なお、コンステレーションは、“星座”を意味しています。

衛星ブロードバンド

大容量の通信を行うことができるインターネット接続サービスのことをブロードバンドといいます。衛星ブロードバンドとは、衛星を通り道としてインターネットに接続するブロードバンドのことで、アンテナと衛星で約1,000km~最大36,000kmほど離れた距離の無線通信を行います。長距離無線通信を行うため、通常のブロードバンドと比較して物理的な損傷に強く、また、長距離ケーブル敷設の必要がないことが特徴です。

エネルギーの地産地消

エネルギーの地産地消とは、分散型エネルギー社会の実現のために再生可能エネルギーなどを地域で発電し、その地域の特徴を活かし、その地域で最適に活用することで、エネルギー供給のリスク分散やCO2の排出削減を図ろうとする取り組みです。
日本は、エネルギーの供給方法として、主要電力会社の大規模集中設備によって発電され全国に送電されていますが、災害などが発生し、その発電設備が止まってしまった場合に大規模な停電が起きる可能性があります。そこで、また輸入に頼らず、エネルギーの自給率を向上させるためにも、大規模な発電設備の必要がなく再生可能エネルギーを供給すること、つまり、エネルギーの地産地消の必要性が高まっています。

エネルギーマネジメント

工場・ビル・住宅などで、エネルギーを合理的に利用するための活動をエネルギーマネジメントといいます。東日本大震災以降、電力供給への不安や電気料金の高騰が発生し、「エネルギーマネジメント」という省エネなど電力の効率的な使用を促す活動が注目されるようになりました。そして、新型コロナウイルスにより、日常生活や企業の経済活動は変化を余儀なくされ、省エネだけではない、企業活動そのものを変革させる意味合いをも持つようになってきました。エネルギーマネジメントは、昨今のビジネス潮流であるカーボンニュートラル・脱炭素への対応にも、貢献します。

MR(Mixed Reality):複合現実

MR(複合現実)とは、VRやARをさらに進化させた技術です。現実世界と仮想世界の座標空間を精緻に重ね合わせる事で、現実世界と仮想世界を同時に体験可能にします。MRは、仮想世界に現実の世界を再現したうえで、現実世界と仮想世界の座標空間を精緻に重ね合わせる事で、CGと実物を合わせて確認したり操作したりすることができます。実際にデジタル情報に直接触れて操作したり、情報を書き換えられることが、ARとの大きな違いです。

SDGs(Sustainable Development Goals)

SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致により採択されました。SDGsの前身であるMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)は、飢餓の撲滅や初等教育の普及のような、主として発展途上国が解決すべき課題を対象としていました。一方、SDGsは、クリーンエネルギー(SDGs 7)や技術革新(SDGs 9)、つくる責任 つかう責任(SDGs 12)、気候変動(SDGs 13)など、持続可能な社会の実現に向けて、途上国のみならず、先進国の政府や企業、市民が取組むべき17の目標、163のターゲットで構成されています。

遠隔医療

遠隔医療は、厚生労働省による「オンライン診療の適切な実施に関する指針(2019年7月改訂)」で、「情報通信機器を活用した健康増進、医療に関する行為」と定義されています。「遠隔医療」は、大きく医師と患者間(Doctor to Patient: D2P)と、医師と医師間(Doctor to Doctor: D2D)に大別されます。オンライン診療やオンライン受診勧奨、遠隔医療相談などはD2Pに分類されます。また、D2Dの遠隔医療とは、医師とCT保有医療機関、放射線専門医らが、デジタル化された患者の画像診断データなどをやりとりして遠隔読影を行ったり、医師が遠隔にいる熟練医から助言を受けることなどを指します。

エッジコンピューティング

エッジコンピューティングは、エッジ処理とも呼ばれ、「端末の近くにサーバを分散配置する」ネットワーク技法のひとつです。IoT端末などのデバイスそのものや、その近くに設置されたサーバでデータの処理・分析を行うことで、上位システムへの負荷や通信遅延を解消することができます。クラウドにデータを送らず、エッジ側でデータのクレンジングや処理・分析を行うため、リアルタイム性が高く、負荷が分散されることで通信の遅延が起こりにくいというメリットがあります。

エリアマネジメント

国土交通省によると、エリアマネジメントとは、地域における良好な環境や地域の価値を維持・向上させるための、住民・事業主・地権者等による主体的な取組みを示します。しかし、ここでの主体は行政ではなくあくまで民間です。従来のまちづくりの主体であったインフラ整備やハード面での開発とは異なり、ソフト面からのまちの活性化や賑わいの創出、更には対象となるエリアのイメージアップ、エリアのブランドを確立するといったところに重きを置いた取組みです。

Automatic Guided Vehicle(AGV)

Automatic Guided Vehicle (AGV)とは、無人搬送車もしくは無人搬送ロボットのことです。従来のAGVは、搬送用の磁気テープなどを引き、決められたルートを動くだけでしたが、近年では、カメラやレーザーなどのセンサーで自己位置推定を行い、誘導体なしで自律走行が可能なAGVも登場しています。ローカル5G/5Gと組み合わせることで、より多くのAGVを同時に、そして、安全かつ正確に制御することが可能になり、製造現場や物流倉庫の業務効率化に貢献すると期待されています。

カ行

顔認証

顔認証とは、生体認証の一つで、人の顔を認証し、本人を確認する技術です。画像や映像から顔を検出し、それをデータベースの人物情報と照合することにより特定の人物であると認証する方法です。認証には、目や鼻やほお骨やあごの形や大きさ、相対位置などの情報が利用されます。顔認証は、イベント会場やテーマパークへの入退場、空港の保安検査場や搭乗口、監視カメラなどに利用され、セキュリティ対策や犯罪捜査、チケットの転売対策などに活用されています。

カーシェアリング

カーシェアリングとは、1台の自動車を複数の会員が共同で利用する自動車の新しい利用形態です。以前は、仲間同士で自然発生的に行われていましたが、現在では、組織的に運営されるようになっています。なお、相乗りとは異なり、複数の会員が時間を変えて1台の自動車を利用するものです。

カーボンニュートラル

カーボンニュートラルとは、「二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量をできるだけ削減した上で、削減しきれなかった分を植林・森林管理などにより二酸化炭素を吸収することで、差し引きトータルでゼロにすること」です。
産業革命以降、工業が発展し化石燃料を大量に消費する社会になり、その影響で温室効果ガスが増加し今では世界平均気温が1℃上昇しています。そのことが、海面上昇を招き陸地を水没させ、気候変動を招いて世界各地で異常気象が多発しています。そこで、2020年10月、日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言し、これを受けて産業界もカーボンニュートラルに積極的に取り組んでいます。

観光DX

「観光DX」とは、業務のデジタル化により効率化を図るだけではなく、デジタル化によって収集されるデータの分析・利活用により、観光業界のビジネス戦略の再検討や、新たなビジネスモデルの創出といった変革を行うものと位置付けられています(観光庁HPより)。
つまり、デジタル技術を活用することで、既存の観光サービスの質を向上させたり、課題を解決することを目的とした取り組みです。近年では、コロナ禍となり、思うように観光地に訪れることができなかったこともあり、新しい観光体験としてバーチャルツアーを行うなど、様々な方法でデジタル技術の活用が目立ってきています。

グリーンエネルギー

グリーンエネルギーとは、環境に負荷がかかるリスクがない(ほとんどない)エネルギーを指します。二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物等、環境に負荷がかかる排出物を出すエネルギーに対し、太陽光発電をはじめ、水力発電、風力発電などによる自然エネルギーがクリーンエネルギーの代表として挙げられます。
国内では、東日本大震災以降、エネルギー政策の一翼を担う存在として「グリーンエネルギー」が認識されるようになり、近年の環境に関する課題とともに重要性は高まっています。

XR(クロスリアリティ)

XRとは、「VR(仮想現実)」、「AR(拡張現実)」、「MR(複合現実)」など、現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術の総称です。ヘッドマウントディスプレイを使ったVRのゲームに、ARのコンテンツを組み合わせるような、VRやARなどを複合した技術が登場し、それがVRなのかARなのか切り分けるのが難しくなってきました。そこで、このような技術を総称する、XRという言葉が生まれました。「x」はさまざまな技術を表す変数を意味するものとして「XR」と表記されることもあります。

ゲノム解析

「ゲノム解析」とは、生物のゲノムのもつ遺伝情報を総合的に解析することです。つまり、多くの生物の遺伝情報を解明することです。現在、遺伝子情報(DNAの塩基配列)は自動的に解読でき、コンピュータで解析できるようになり、ヒトゲノムの解明は、病気の予防や診断・治療に結びつくと言われています。そこで、生活習慣病などに関連する遺伝子を網羅的に解析して、将来の発症リスクを判定するゲノムによる健康診断サービスも登場しています。健診等により得られたゲノム情報と、飲酒や喫煙といった個人の生活習慣をもとに医師が医学的な解釈を行い、遺伝的に発症リスクが高い疾患や、何が原因で発症する可能性があるかなどを判定し、判定結果から、疾患の発症を予防する生活指導を行うことで健康寿命の延伸も期待されます。

健康経営

「健康経営」とは、企業が従業員の健康に配慮し、健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践することです。従来、健康管理は従業員個人が実施するものと考えられていました。
しかし、従業員の健康を保持、増進により、生産性の向上や組織の活性化、さらには企業全体のパフォーマンス向上を期待できるとともに、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。そのため、健康経営の実施は単なるコストではなく会社を成長させる投資であるとされ、健康経営に取り組む企業が増加しています。

建設テック(コンテック)

建設テックとは、「建設(Construction)」と「Technology(技術)」を掛け合わせた造語で、建設におけるITの活用を表しています。Construction-Technologyを略して、コンテックとも言われています。
建設業界では、建設業界の慢性的な人手不足、現場主義、非効率性の高い業務が多いなど、様々な課題を抱えています。このような問題を解決するため、国土交通省が主導となり、クラウドシステムやドローン、ICT建機など、建設現場へのIT(テクノロジー)の導入を推進しています。

昆虫食

世界では、1400~2000種類の昆虫が食用にされているといわれます。2013年に、国連食糧農業機構(FAO)が発表したレポート“Edible insects: Future prospects for food and feed security”において、昆虫食のメリットとして、温室効果ガスやアンモニアの排出が少ないことや、飼料からのたんぱく質への変換効率が高いこと、省スペースで飼育できる、可食部が多く廃棄率が少ないなど環境面で優れていることが示されました。持続可能な社会の実現を目指すSDGs意識されるようになり、昆虫食の環境面におけるメリットが注目されています。

コンパクトシティ

コンパクトシティは、環境問題などの近代都市特有の問題から都市のあり方を再定義する過程で生まれた概念で、この概念は米国、英国等の諸外国において、先行している。日本では、国土交通省が、1)高密度で近接した開発形態、2)公共交通機関でつながった市街地、3)地域のサービスや職場までの移動の容易さ、という特徴を有した都市構造のことを示している。地方都市を中心に、住まいと交通、商業施設などが近接している効率的な都市・あるいはこうした都市を目指す政策として、展開されている。

サ行

再エネ

再エネとは、再生可能エネルギーの略称です。太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなどの再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず、国内で生産できることから、エネルギー安全保障にも寄与できる有望かつ多様で、重要な低炭素の国産エネルギー源です。
資源に乏しい日本では、エネルギー供給のうち、石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料が8割以上を占めており、そのほとんどを海外に依存しています。特に東日本大震災後、エネルギー自給率は10%を下回っており、エネルギー安定供給の観点から、この改善を図っていくことが重要です。再生可能エネルギーは国産のエネルギー源であるため、エネルギー自給率の改善にも寄与することができます。

Sub6(サブシックス)

日本の5G通信で使われる電波には、6GHz未満の帯域と、28GHzを超える周波数帯があります。このうち、6GHz未満の周波数のことを「Sub6」、28GHzを超える周波数帯のことを「ミリ波」と呼びます。5G通信に利用されるSub6の周波数は、大手携帯事業者に100MHz幅単位で割り当てられています。また、2020年12月にはローカル5Gに4.6G~4.9GHzの300MHz幅が割り当てられました。Sub6は、より周波数の高いミリ波と比べると減衰が少なく、広域まで電波が届き、障害物があっても回り込んで届くという特徴がありますが、速度と同時接続の性能に関してはミリ波に大きく劣ります。

GNSS(Global Navigation Satellite System):全球測位衛星システム

GNSSとは、米国のGPS、日本の準天頂衛星システム(QZSS)、ロシアのGLONASS、欧州連合のGalileo等の衛星測位システムの総称です。通常の静止衛星は赤道上に位置しますが、日本で運用されている準天頂衛星システム「みちびき」は、日本の上空のほぼ真上に、常時 1機以上の衛星が位置するように設計されたシステムです。GPSの衛星に加えて、「みちびき」やGLONASSなど、GNSSを活用することで、上空が開けていないビル街などでもより高精度な位置情報を得ることができます。

スーパーシティ

スーパーシティとは、AIやビッグデータなど先端技術を活用し、また、大胆な規制改革によって、世界に先駆けて未来の生活を先行実現する「まるごと未来都市」のことです。2020年6月に公布された「国家戦略特別区域法の一部を改正する法律」に、スーパーシティの実現に向けた制度の整備や、地域限定型規制のサンドボックス制度の創設などが盛り込まれています。内閣府は、以下の3つを満たす都市がスーパーシティであると定めています。

1. 移動、物流、支払、行政、医療・介護、教育、エネルギー・水、環境・ゴミ、防災、防犯・安全、の中から少なくとも5つ以上の領域にまたがるDX生活サービスが提供される
2. 住民目線でより良い未来社会の実現がなされるように、住民コミュニティが中心となり継続的改善が実施される
3. 2030年頃に実現される未来社会での生活を加速実現する

エネルギーやモビリティなど、個別分野ごとの取り組みを徐々に広げていく構想であったスマートシティに対し、スーパーシティ構想は、最初から複数の分野を広くカバーする。また、大胆な規制改革や住民目線での課題解決を目指そうとする点が特徴です。

スマートグラス

スマートグラスとは、メガネ型のウェアラブルデバイスで、実際に見ている光景に、インターネットで取得した動画やメッセージなど、様々な情報を重ねて表示することができます。視界を確保しながら両手を自由に使えることが大きな特徴で、スマートグラスに作業マニュアルなどを映すことで、作業効率を向上させるような使い方のほか、技術トレーニングの分野での活用も進んでいます。スマートグラスには、用途に応じて、動画の視聴や、写真・動画の撮影、画面の共有から通話、翻訳まで、様々な機能を備えたものがあります。

スマートコミュニティ

スマートコミュニティとは、「スマートシティ」がエネルギー効率が高く、地球環境への負荷が小さい都市を指すのに対し、地域社会がエネルギーを消費するだけではなく、エネルギーを作り、たくわえ、使用するといった仕組みを地域単位で統合的に管理する地域社会を意味しています。産業や社会生活の基盤となる住宅をはじめ、交通網や公共サービスなどにおいて、ITを活用することで、エネルギーの最適な活用ができる次世代送配電網スマートグリッドを基礎とした情報ネットワークに接続し、環境負荷が少ない暮らし方を実現します。海外では、サスティナブルコミュニティとも言われています。

スマートシティ

スマートシティとは、国土交通省では「都市が抱える諸問題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画・整備・管理・運営)が行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区」と定義しています。つまり、ICT技術やAIのような先進技術をエネルギーや生活インフラの管理に用いることで、持続可能な形で住民の需要を満たすことができる都市のことです。都市に蓄積されたデータを活用しようとする取組は1970年代から存在していました。しかし、スマートシティという概念が誕生したのは、2000年代、CiscoとIBMが、それぞれスマートシティの研究やパイロット事業を開始した頃と言われています。日本では、2010年に横浜スマートシティプロジェクトが開始されています。横浜のプロジェクトを含め、草創期のスマートシティは、エネルギー分野を中心に、特定分野を対象とした取組みが中心でした。近年では、「環境」「エネルギー」「交通」「通信」「教育」「医療・健康」など、複数の分野に幅広く取り組む、分野横断型のスマートシティの取組みが増えています。日本国内の取組みとしては、福島県会津若松市の「スマートシティ会津若松」、千葉県柏市の「柏の葉キャンパスシティ」、神奈川県藤沢市の「Fujisawa SST」、愛媛県松山市の「スマイル松山プロジェクト」、熊本県熊本市の「スマートひかりタウン熊本」などがあります。2021年2月には、トヨタ自動車のスマートシティプロジェクト、「Woven City(ウーブン・シティ)」が着工しています。

スマート農業

スマート農業とは、ロボットやAI、ICTなどの先端技術を活用して、省力化・精密化や高品質生産を推進する、新しい農業のことです。日本の農業の現場では、農業就業人口の7割が65歳以上となるなど、高齢化と人手不足が深刻化しつつあります。また、依然として、人手に頼る作業や熟練者でなければできない作業も多く、省力化や人手の確保、負担の軽減が、持続的な農業の実現に向けた大きな課題となっています。スマート農業の実現により、このような課題を解決し、新規就農者の確保や栽培技術力の継承をスムースに行っていくことが期待されています。

スマートファクトリー/スマート工場

スマートファクトリーとは、デジタルデータの活用により業務プロセスの改革、品質・生産性の向上を継続発展的に実現する工場を指しています。可視化による生産性改善のみならず、設計から製造、保守までのビジネスプロセス全体の変革までをも見る「DX」を行った工場を言います。また、昨今、スマートファクトリーは、ドイツ政府が提唱した国家プロジェクトの「インダストリー4.0」を体現した工場で、AIやIoTなどの先端的な技術を取り入れており、工場の最適化にとどまらず企業全体の取り組みに広がっています。

生成AI

生成AIとは、「ジェネレーティブAI(Generative AI)」とも呼ばれるAI(人工知能)の一種で、ディープラーニング(深層学習)を用いて構築された機械学習です。近年、ChatGPTをはじめとする「生成系AI」が注目されており、個人はもちろん、企業や自治体においても利用者が拡大しています。AI技術を用いてクリエイティブな成果物を生み出すことができる生成AIは、文章はもちろん、楽曲や画像、動画、プログラムのコード等、さまざまなものを創造することができます。そのため、人がクリエイティブな部分に多くの時間をさくことができ、新たな表現の可能性が広がっています。

説明可能なAI(XAI: Explainable AI)

説明可能なAIとは、予測結果や推定結果に至るプロセスを、人間が説明することができる機械学習のモデルのこと、あるいは、同モデルに関する技術や研究分野のことを意味します。中身が説明できないものは安心して使えない、という懸念から、機械学習モデルを脱ブラックボックス化する社会的なニーズが高まってきており、近年注目されています。類義語として、解釈可能性(Interpretability)という用語があります。これも、機械学習モデルが予測、推定を行ったプロセスを、人間が解釈可能であるかどうかを示す用語です。

ゼロトラスト

ゼロトラストとは、全てが信頼できないという前提のものに、セキュリティ対策を考える概念です。従来は、「信頼できる内部ネットワーク」と「信頼できない外部ネットワーク」の間に境界線を引き、境界線を越えて侵入されないようにセキュリティ対策を行うという手法が主流でした。しかし、クラウドサービスの利用やテレワークの増加により、社内ネットワークと社外の境界線が曖昧になった今、どのような場所やデバイス、ネットワークからの利用であってもセキュリティを実現するための考え方として注目されています。

センサー/センシング

センサーとは、ある対象の情報を収集し、機械が取り扱うことのできる信号に置き換える素子や装置のことをいう。人が、五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)等により、得た情報に基づいて行動するのと同じように、機械は、センサーから得た情報を基に、制御や処理を行う。スマートフォンやパソコンなどの通信機器のみならず、医療機器をはじめ、自然環境、インフラなど、 あらゆるモノがインターネットで情報を共有することで、より便利で安心かつ安全な社会が生まれます。これらを実現するうえで無くてはならないものが、状態を検知するために必要な「センサー」である。これらのセンサー市場は、世界において、2028年には3,457億7,000万米ドルに達すると予測 される巨大市場になっている。

タ行

ダイナミックプライシング

日本で、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などにホテルや航空券の利用料金が高くなったり、逆に閑散期には低くなったり、商品やサービスの需要に応じて価格を変動させる仕組みを、ダイナミックプライシングといいます。過去の売上や顧客動向、天候などのビッグデータから需要を予測し、最適な価格や、価格を変更するタイミングを決定する手法で、近年では、AIを導入してダイナミックプライシングを行う事例が増えています。

脱炭素

脱炭素とは、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス(GHG)の排出を防ぐために、石油や石炭のような化石燃料の利用に依存した社会の在り方を脱却することです。従来は、化石燃料の利用を低減させる、「低炭素」社会が目的とされていた。しかし、低炭素では気候変動を止めることはできないという認識が強まり、2015年にパリ協定が採択されて以降は、2050年までに脱炭素、カーボンニュートラル(carbon neutral:炭素中立)を実現することが、世界的な政策目標となりつつあります。日本も、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを政策目標として掲げています。

多品種少量生産

多品種少量生産とは、顧客のニーズに合わせて、機能やデザインが異なる商品を、少量ずつ作る生産方法です。顧客のニーズの多様化や、商品のライフサイクルの短縮化といった社会の変化に応える手法として、多品種少量生産に取り組む企業が増えています。インダストリー4.0では、IoTを活用することで、大量生産のように低コストを維持したまま、顧客一人ひとりに対応した商品を作り出す(マスカスタマイゼーション)ことが目指されています。多品種少量生産の手法は、マスカスタマイゼーションを実現する第一歩として、注目されています。

地方創生

地方創生とは、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持すること、また、その実現を目的とした取組のことを指します。人口減や財政難などの地方の課題を克服するには、先進技術の活用が不可欠です。特に5Gは、地方創生を実現するためのインフラとして、期待が集まっています。例えば、高齢者が「車を持たずに安心して暮らせる交通基盤」の実現や、除雪作業の効率化、豪雪災害からの早期復旧のような分野での活用が期待されています。通信事業者への5G周波数の割り当て要件も、5Gを地方創生の起爆剤にするという政府の方針を反映したものになりました。従来の4Gは、人口の多い都市部を優先する形で普及してきました。しかし、5Gについては、「基盤展開率」と呼ぶ指標を利用し、「全国への展開可能性の確保」、「地方での早期サービスの開始」、そして「サービス多様性の確保」を念頭に置いたインフラ整備が進められています。総務省による「地域課題解決型ローカル5G等の実現に向けた開発実証」のような、地方における社会課題解決のユースケース開発に向けた取組や、投資優遇税制など、5Gに関連する地方創生施策も次々に実施されています。

ディープラーニング/深層学習(Deep Learning)

ディープラーニング/深層学習とは、十分なデータ量があれば、人間の力なしに機械が自動的にデータから特徴を抽出してくれるディープニューラルネットワーク(DNN)を用いた学習のことです。対象の全体像から細部までの各々の概念を、階層構造として関連させて学習することで、情報伝達と処理を増やし、特徴量の精度や汎用性をあげたり、予測精度を向上させることとが可能になりました。ディープラーニングを活用することで、より複雑なデータを扱うことが可能になり、人間が行っていた業務の一部を機械に置き換えたり、業務を効率化したりすることが期待されています。

デジタルツイン

デジタルツイン(DigitalTwin)とは、「フィジカル(物理)空間にある情報をIoTなどで集め、送信されたデータを元にサイバー(仮想)空間でリアル空間を再現する技術」です。現実とそっくりな、サイバー空間上に再現された仮想モデル自体を、デジタルツインと呼ぶこともあります。製品や製造設備の情報、環境データなどをリアルタイムに収集し、デジタルツインを構築することで、限りなく現実に近いシミュレーションを行うことができることから、製造業での活用が先行しています。例えば、製造ラインの一部を変更する場合に、事前にデジタルツイン上でテストすることで、開発期間やコストの削減が見込めます。近年では、デジタルツインを都市のスケールにまで拡張しようという試みが始まっています。3Dマップなど都市の地理空間データ上に、様々なインフラに設置されたセンサー端末を通じて取得できる情報を重ねあわせ、バーチャル空間上に都市全体の姿をデジタルツインとして再現し、行政サービスの改善に役立てようという試みです。

デジタル田園都市国家構想

デジタル田園都市国家構想とは、2021年に政府より出された「デジタル実装を通じて地方が抱える課題を解決し、誰一人取り残されずすべての人がデジタル化のメリットを享受できる心豊かな暮らしを実現する」という構想である。デジタルの力を全面的に活用し「地域の個性と豊かさ」を生かしつつ、「都市部に負けない生産性・利便性」も兼ね備え、「心豊かな暮らし」と「持続可能な環境・社会・経済」の実現を目指すとしている。今後、地方創生関係交付金などによる分野横断的な支援を通じ、デジタルを活用して地域の課題解決に取り組む自治体の数は、2024年度末までに1000団体に展開する計画である。

点群データ

点群データとは、多数の点の 3 次元座標を点群として記録するデータです。点群データは、3Dレーザースキャナー(測量機器)を使った3D計測や、無人航空機やドローンを使った航空レーザー測量などにより取得します。点群データには、非接触で測定し、形状データを記録することができるほか、高所など人の立ち入りが困難で危険な場所のデータを取得できるというメリットがあります。また、デジタルデータとして保存し、用途に応じた加工ができることが特徴で、プラント設備などの配置・設計検討や保全やインフラの点検などに活用されています。

都市OS

スマートシティは、AIやビッグデータを活用し社会のあり方そのものを変えていく都市と位置付けられています。都市OSとは、そのスマートシティのエネルギーや交通機関、医療、金融、通信、教育などの膨大なデータを分析し、あらゆるデータをもとにデータドリブンな社会実現のための重要な基盤となるOS(オペレーティングシステム)であり、スマートシティに必要不可欠な総合的なプラットフォームです。

ドローン

ドローンとは、無人で遠隔操作や自動制御によって飛行できる航空機を指します。産業用や軍事用、おもちゃ(トイドローン)など種類は様々で、遠隔操作をする無人機は全てドローンと呼ばれています。ドローンは、送信機やスマートフォンで操縦し、空撮や飛行を実現します。航空法を厳守し、飛行場所や飛行ルールなどの航空法を厳守する必要があります。最近では、建設現場・測量用ドローン、検査・点検・監視用ドローン、農業用ドローン、捜索・救援活動・災害支援活動用ドローン、物資運搬用ドローン、防犯・警備・追跡用ドローン、害鳥・害獣対策用ドローン等で活躍しており、人材不足が深刻化している中で、人間よりもはるかに、効率的かつ正確に遂行し、災害などの危険なエリアでも活躍が期待されています。

ドローン配送/ドローン物流

ドローン配送/物流とは、小型の無人飛行機(ドローン)を使用し、商品を届けるあらたなサービスです。通販利用者の急拡大に伴い物流量が増加し、物流業界では、大きな課題を抱えています。交通渋滞の慢性化と荷物量の多さに対するドライバー不足、高齢化により、どの業界よりも労働力の不足が問題となっています、さらに、再配達による時間と労力によるロスも大きいことから、2022年より、規制が緩和され、各地でドローン配送/物流の実現に向けた実証実験が活発に行われています。

ナ行

ネットワークスライシング(Network Slicing)

ネットワークスライシングとは、単一のネットワークインフラを仮想的に分割(スライシング)し、様々な用途に応じたサービスを提供できるように、複数の論理ネットワークとして運用する技術のことで、5Gを効率的に運用するために不可欠な技術といわれています。5Gは、高速大容量、多数同時接続、高信頼・低遅延通信という特徴を備えていますが、用途によっては、必ずしもその全てを満たす必要はありません。また、電波資源に限りがあるなか、増えつづける通信デバイスやサービス全てに、同等のサービスを提供するのも困難です。ネットワークスライシングでは、自動運転のように超低遅延で超高信頼性が求められるもの、4Kや8K映像視聴など超高速大容量が求められるものなど、サービスごとの要求条件に合わせてネットワークスライスを仮想的に構築することで、5Gネットワークを効率的に運用することができます。

ネットワークスライシングのイメージ
ネットワークスライシングのイメージ
出典:総務省「将来のネットワークインフラに関する研究会」(第3回) 中尾構成員提出資料より引用

ノーコード

ノーコードとは、ソースコードの記述をせずにアプリケーションやWebサービスを開発する手法です。コーディング不要で、直感的なドラッグ&ドロップの操作のみで開発を行うことができるため、プログラミングの専門知識がなくてもアプリケーションの開発を行うことが可能です。デザインや機能面での拡張性が低いというデメリットはありますが、素早く、開発費用を抑えてアプリケーションを開発できるメリットが注目されています。

ハ行

バーチャルトラベル

バーチャルトラベルとは、インターネットを利用した仮想的、擬似的な旅行で、バーチャルツアーやオンラインツアーなどと呼ばれることもあります。パソコンやスマートフォン、タブレット端末などから、国内外の観光スポットを訪問します。移動時間がなく、手軽に旅を楽しめることが魅力で、せっかく現地に行ったのに悪天候で楽しめない、というようなこともありません。普段は入れない場所や危険なエリアを見ることもでき、最近では、VRゴーグルを活用し、よりリアルな体験を提供するバーチャルトラベルツアーも登場しています。

フィジカルインターネット

フィジカルインターネットとは、フィジカルな物流網をインターネットのように、複数の企業で共用することです。インターネット通信におけるデータの塊をパケットとして定義し、パケットのやりとりを行うための交換規約(プロトコル)を定めることにより、回線を共有した不特定多数での通信を実現する考え方を、フィジカル、つまり物流の世界にも適用しようという考え方です。
輸送容量と倉庫の保管・仕分スペースのシェアリングにより、物流リソースの稼働率を向上させ、最小限のトラックで荷物や商品を輸送し、燃料消費量を抑制することで、Co2削減により、持続可能な社会を実現するための革新的な物流システムの新しい考え方です。

防災テック

“防災”と“テクノロジー”をかけ合わせた造語が防災テックです。日本は、水害、地震、豪雪と災害を多く被っている災害大国です。また、この数10年以内に、阪神大震災や東日本大震災など、歴史に残るような大きな被災も経験していいます。防災テックは、地震や豪雨などによる自然災害の予測、災害現場の状況確認、災害発生時の通信確保、災害発生後の被災者の支援等々、災害によって発生する可能性がある事象について、テクノロジーの力で未然に被害を抑えるための考え方でもあります。加えて、世界でも気候変動・気候危機が大きな問題が立ちはだかっており、いかに災害から人々を守るかという点においては、SDGsやESGといった視点からも最重要課題のひとつであると言えます。こうした事象に対しても、防災テックが大きく貢献します。

ボールパーク

米国では、野球場を「スタジアム」ではなく、「ボールパーク」と呼ぶようになってきています。「スタジアム」には、競技を重視する意味合いが強いのですが、「ボールパーク」はそこに、「エンターテインメント性」が加わり、様々な“お楽しみ”があリ、地域の活性化につながっています。国内においても、その流れがあり、北海道日本ハムファイターズの新球場や楽天モバイルパーク宮城等においても「ボールパーク」と呼称しています。

マ行

ムーアの法則 / Moore's law

ムーアの法則とは、「半導体回路の集積密度は1年半~2年で2倍となる」という経験則です。1965年に、米インテルの共同創業者の一人であるゴードン・ムーア氏が、「Electronics」誌で発表しました。1965年から50年間近く、ムーアの法則の通りに半導体の集積が進み、CPUの高性能化と低価格に貢献してきましたが、近年では、半導体回路の微細化技術も限界に近づいており、ムーアの法則の終焉を指摘する声もあります。

ムーンショット型研究開発制度 / Moonshot Research and Development Program

ムーンショット型研究開発制度とは、日本発の破壊的イノベーションの創出を目指し、従来技術の延長にない、より大胆な発想に基づく野心的な研究開発(ムーンショット)を推進する大型研究プログラムです。未来社会を展望し、困難だが実現すれば大きなインパクトが期待される社会課題等を対象として、「2050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現」など、9つのムーンショット目標が設定されており、各目標において様々な研究開発が行われています。

メタバース

メタバースとは、英語の「メタ(超)」と「ユニバース(宇宙)」を合わせた造語です。SF作家のニール・スティーヴンスンが、1992年に発表した小説「スノウ・クラッシュ(Snow Crash)」に登場する仮想空間サービスの名称として使われたのが初出といわれています。その後、技術の進歩により、実際に仮想空間を利用したサービスが登場すると、ネットワーク上に構築された仮想空間や、仮想空間を利用したサービスの総称としてメタバースという言葉が使われるようになりました。

ヤ行

ユニバーサルツーリズム

「障がいの有無や年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする」というユニバーサルデザインの考え方に基づき、全ての人々が安心して楽しめる旅行をめざすツーリズムの考え方です。高齢者や障がい者が参加しやすい旅行をバリアフリーツーリズムと呼びますが、ユニバーサルツーリズムでは、対象を限定せず、誰もが気軽に旅行に参加できることを目指しています。

予知保全

予知保全とは、IoTデバイスなどにより工場内の機械や設備を監視し、機械や設備の不具合や故障をあらかじめ「予知」し、最適な状態に管理することです。使用回数や使用期間の基準に作成した保全計画をもとに、決められた時期に保全業務を行う予防保全と異なり、故障や不具合の予兆を検知したタイミングで保全業務を実施するため、部品や人件費が無駄になりにくいというメリットがあります。

ラ行

ライドシェア

ライドシェアは、直訳すると「ライド=乗る」を「シェア=共有」することで、一般的には「相乗り」や「配車サービス」を指します。自家用車の所有者と自動車に乗りたい人を結び付ける新たな移動手段と言えます。純粋な相乗りサービスの「カープール型」や海外で主流の有償ライドシェアサービス「TNC(Transportation Network Company)サービス型」に分類できます。残念ながら、日本ではライドシェアは、一部サービスを除いて基本的に解禁されていませんが、世界のライドシェア市場はその間にも拡大し続けています。

リアルハプティクス

リアルハプティクスとは、ものに触った感覚を感じる「触覚」と、ものをつかむ力を感じる感覚「力覚」を合わせた「力触覚」をデータ化することで、従来困難であった「モノの硬さ、柔らかさや弾力性を遠隔地でも感じる」ことや、「やわらかいモノ・繊細なモノをやさしく掴む」ことを実現する技術です。これにより、ロボットが柔らかいペットボトルをつかみコップに水を入れたり、割らずに風船をつかんだりすることができます。リアルハプティクスにより、これまで人の感覚・経験によって判断してきた「手作業」の遠隔化・自動化が実現すると期待されています。

リモートセンシング

リモートセンシングとは、「物を触れずに調べる」技術です。人工衛星や航空機、ドローンなどに搭載した観測機器(センサー)により、地表面や水面、大気中の様々な物質による太陽光の反射波や、物質そのものからの熱放射、センサーから発射したマイクロ波の反射波などを観測します。例えば、気象衛星から地球の雲の動き、種類、量などを調べ、地表面の温度を解析し、気象予報に活用されています。近年は、目的に応じて様々なセンサーが開発されており、気象や地球環境などの広域な観測から、都市や地域など陸上の限られた範囲まで、様々なスケールで観測することが可能になっています。

レベル4飛行

日本政府は、ドローンなどの小型無人機の利用の本格化を見据え、その飛行技術に応じてレベル1からレベル4までの分類を行っています。レベル4は、「有人地帯(第三者上空)での目視外飛行(補助者の配置なし)」で、市街地などを含めたエリアにおいて、目の届かない範囲まで飛行する飛行形態を指します。2021年6月、2022年度に有人地帯での目視外飛行(レベル4)を実現させるために必要な航空法の改正案が国会で可決されており、今後、都市部の物流や警備、インフラ点検、災害発生直後の救助や避難誘導などでのドローン活用の拡大が期待されています。

ローカル 5G

ローカル5Gとは、通信事業者ではない企業や自治体が、一部のエリア、あるいは、建物や敷地内に専用の5Gネットワークを構築して利用するやり方を指します。一般向けではなく、利用地域や利用者を限定した5Gという趣旨で、ローカル5Gと呼ばれています(通信事業者が広く提供する5Gは、パブリック5Gと呼ばれます)。ローカル5Gを構築、運用するには無線局の免許を取得する必要があります。日本では、2019年に申請受付が始まり、2020年から実際に利用されています。2020年12月には、ローカル5Gに割り当てられる周波数帯が拡大され、さらに利用が促進される環境が整いました。ローカル5Gは、例えば企業が工場の敷地内に専用ネットワークを整備して、ロボットによる自動運転や遠隔制御を行う「スマート工場」を実現するために利用されます。また、スポーツ観戦の場で、VRやARを活用した新しい観戦体験を提供する、あるいは、ゴルフ場で、5Gを活用した新しいサービスを提供する、などの利用法が考えられます。

A

AI(Artificial Intelligence)

AI(人工知能)は、一般的には「人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術」と定義されていますが、その定義は専門家によって様々です。AI研究は、1960年代以降、何度かのブームと冬の時代を繰り返してきました。2000年代以降、ディープラーニング(深層学習)技術の進歩により、従来の機械学習では実現不可能だった、高性能な認識が可能になり、現在は第3次AIブームと言われています。「画像認識」や「音声認識」のような分野に特化して自動的に学習、処理を行うAIの活用が進んでいます。また、ビッグデータをAIで分析して将来予測を行うようなサービスも登場しています。人間と同じようにさまざまな課題を処理することができる汎用型AIの研究も進んでおり、2045年には、AIが自ら人間よりも賢い知能を生み出すことが可能になるシンギュラリティ(技術的特異点)が到来すると予測されています。

AR(Augmented Reality):拡張現実

AR (拡張現実)は、実在する風景にバーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、人が知覚する現実の環境を「仮想的に拡張する」技術、および、拡張された環境のことです。ゼロから仮想空間を構築するVRとは異なり、ARは現実世界の情報を活用し、それを拡張します。そのため、現実の部屋に家具を置いた場合にどのように見えるか、あるいは、洋服を着た場合にどうなるかなど、現実とバーチャル情報を組み合わせたシミュレーションに適しています。ARは、ファッション業界から、インテリア業界、建設業界など多種多様な業界で導入が進んでいます。

AMR

AMRとは「Autonomous Mobile Robot」の略称です。自律走行搬送ロボット・協働型搬送ロボットなどと呼ばれている搬送業務を行わせることができるロボットを指します。人とロボットが共同で搬送業務を行えるのが特徴です。
AMRは、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping) 機能を搭載し、周囲の環境地図を作成、自己の位置を推定して自動で経路探索しつつ目的地まで走行することができます。
人や障害物を自動で回避するので、人が作業しているエリアでの運搬、既存の現場の搬送作業を自動化、人の運搬作業に近い複雑な搬送等の要望に柔軟に対応することができます。また、物流現場では人が商品をラックから取り出して、搬送はAMRに任せるというスタイルのピッキング業務の分担が普及してきています。

Automatic Guided Vehicle(AGV)

Automatic Guided Vehicle (AGV)とは、無人搬送車もしくは無人搬送ロボットのことです。従来のAGVは、搬送用の磁気テープなどを引き、決められたルートを動くだけでしたが、近年では、カメラやレーザーなどのセンサーで自己位置推定を行い、誘導体なしで自律走行が可能なAGVも登場しています。ローカル5G/5Gと組み合わせることで、より多くのAGVを同時に、そして、安全かつ正確に制御することが可能になり、製造現場や物流倉庫の業務効率化に貢献すると期待されています。

C

Cバンド

Cバンドとは、主に通信衛星や固定無線、無線アクセスやレーダーなどで利用されている周波数帯域の呼称です。米国では、Cバンドのうちブロードバンド無線サービスに適した3.7GHz帯の280MHz幅(3700~3980MHz)の周波数のオークションが2021年に実施され、携帯各社が合計800億ドル強で落札したことが話題になりました。同周波数帯は、航空機の電波高度計で使用する4200~4400MHzと近いため干渉が懸念されていますが、日本では、100MHz幅の周波数離調(ガードバンド)を設けたり、基地局側にフィルタを挿入するなどの対応により、Cバンドの5Gと電波高度計の共用が実現しています。

E

eスポーツ

eスポーツは、「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略称です。電子機器を用いて行う娯楽や競技、スポーツ全般を指す言葉で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際に使われます。近年は、リアルのスポーツイベントの種目としてeスポーツを採用するが増えてきており、日本では、2019年以降、国民体育大会の文化プログラムとして、「都道府県対抗eスポーツ大会」が開催されています。2021年5~6月には、東京オリンピックの開催を控え、IOC公認で、「新しいオリンピックのデジタル体験」としてオリンピック・バーチャルシリーズ(OVS)が開催されました。

EV

EV(Electric Vehicleの略)とは、バッテリーに蓄えた電気を使用し、モーターで車輪を駆動する自動車のことで、電気自動車と呼ばれています。ディーラーのみならず、最近では、商業施設・自宅などで充電を行い、モーターの動力を走行に使用しています。主なバッテリーは、リチウムイオン電池が使用されており、その容量によって走れる距離が変動します。 ガソリンを燃料とするエンジンとは違い、排気ガスや有害物質の発生を抑えることができるのがEVの特徴です。

EV・PHVタウン

「EV・PHVタウン」とは、経済産業省が主体となって、運輸部門における低炭素社会の実現を目指し、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)の本格普及に向けた実証実験のためのモデル事業です。エコカーの普及を先頭に立って取り組む自治体を選び、普及モデルを確立させ、日本全国への展開を目指しています。

F

FIWARE(ファイウェア)

FIWAREは、FI(Future Internet)WARE(SOFTWARE)の略で、相互運用、データ流通、拡張容易などの特長を持ち、自治体や企業などの業種を超えた多彩なデータ活用やサービス連携を促すために開発された「ソフトウェア群」を示します。群と表現した通り、FIWAREは単独のソフトウェアではなく、いくつかのソフトウェアの総称です。また、FIWAREは都市OSとの親和性が高いため、複雑な都市OSを構築するためにも利用されます。

G

GNSS(Global Navigation Satellite System):全球測位衛星システム

GNSSとは、米国のGPS、日本の準天頂衛星システム(QZSS)、ロシアのGLONASS、欧州連合のGalileo等の衛星測位システムの総称です。通常の静止衛星は赤道上に位置しますが、日本で運用されている準天頂衛星システム「みちびき」は、日本の上空のほぼ真上に、常時 1機以上の衛星が位置するように設計されたシステムです。GPSの衛星に加えて、「みちびき」やGLONASSなど、GNSSを活用することで、上空が開けていないビル街などでもより高精度な位置情報を得ることができます。

GX(グリーントランスフォーメーション)

GX(Green Transformation:グリーントランスフォーメーション)とは、世界的に、気候変動の主な要因となっている温室効果ガスの排出量を削減しようという流れを経済成長の機会ととらえ、排出削減と産業競争力向上の両立を目指す取り組みのことです。気候変動を抑制するため、温室効果ガスの排出削減が求められています。排出削減の対策を取らなかった場合、国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の評価報告書によると、海面上昇・高潮、洪水・豪雨、インフラ機能停止、熱中症、食糧・水不足、陸海上の生態系の損失などのリスクが高まると言われています。日本のおいても、2020年に政府より、「2050年カーボンニュートラル宣言」、「GXが重点投資分野の一つに」等の方針決定があり、企業はその取り組みを開始しています。

H

HAPS(高高度基盤ステーション/ハップス)

HAPSは英語で高高度基盤ステーションを意味する、High Altitude Platform Stationの略称で、成層圏に飛行させた航空機などの無人機体を通信基地局のように運用し、広域エリアに通信サービスを提供するシステムの総称です。通信基地局は、高度が高ければ高いほど、カバーする範囲は広くなり、障害物に電波が遮られることも少なくなります。20kmの高度で飛ぶHAPSは、地上基地局の約400個分に相当する、直径200kmの範囲をカバーすることができます。HAPSは、山岳部や離島・発展途上国など、通信ネットワークが整っていない場所や地域での活用や、地上基地局が被災した時のバックアップとしての活用が期待されています。

I

i-Construction

i-Construction(アイ・コンストラクション)とは、建設生産システム全体の生産性を向上させ、建設現場の魅力を高めようとする取組みで、「ICTの全面的な活用(ICT土木)」、「規格の標準化」、そして「施行時期の標準化」の3分野の施策があります。それぞれ、ドローンを活用した3次元測量などによる建設作業の省力化、コンクリート工における規格標準化による業務の効率化、そして、繁忙期と閑散期が極端なため、収入が不安定で休暇が取得しにくいという現状の是正を目指す取組みです。日本では、国土交通省が、3次元データを使用するための15の新基準の整備や、ICTの活用に必要な新たな積算基準の導入といった制度整備から、ベストプラクティスを称えるi-Construction大賞の表彰を行うなど、i-Constructionを積極的に推進しています。

ICT建機

ICT建機とは、Information and Communication Technology(情報通信技術)と、建設機械を組み合わせた略語です。建機は建設業で用いる重機を指すため、ICT建機は情報通信技術を導入した建設業における重機という意味です。
つまり、自動制御タイプのICT建機であるマシンコントロールや操作補助タイプのICT建機であるマシンガイダンスの機能を搭載した建設機械を指しており、建機の位置情報を利用して機能させる建設用機械の操縦システムのことです。
2008年頃から、建築、建設現場での採用が始まり、今では、働き方改革、作業の効率化にICT建機は不可欠な重機になっています。

Industry 4.0

インダストリー4.0(第4次産業革命)は、ドイツ政府が、同国内の産官学連携により進めている国家プロジェクトです。「相互運用性」、「情報の透明性」、「技術的アシスト」、そして「分散的意志決定」という4つの原則のもと、AIやIoTなどの先端技術を積極的に活用し、製造業を改革することを目指すもので、その中心的なコンセプトが、「スマートファクトリー」です。「スマートファクトリー」が実現し、さらにバリューチェーンの変革や新たなビジネスモデルの構築が進むことで、大量生産の仕組みを活用しながらオーダーメードの製品作りを行う「マスカスタマイゼーション」が実現するとされています。

IoT(Internet of Things)

IoTは、の日本語では「モノのインターネット」と訳されます。従来、インターネットに接続されていなかったセンサーやアクチュエーター、住宅や建物、車、家電製品、電子機器などが、インターネットを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され、相互に情報交換をする仕組みを指します。センサーの小型化や性能の向上、そして、無線通信技術の進歩や、AI、クラウドといった先端技術の登場によって、IoTを活用できる分野や用途はますます拡大しています。

IoTセンサー

IoTセンサーとは、センサーをネットワークに接続して情報を収集・管理する装置のことをいいます。人感センサーに温度・湿度センサー、圧力センサー等、様々なセンサーがあり、機械の状態や人の動作、室内の明るさ、温度などの情報を感知して、収集した情報が様々なシーンで活用されています。IoTセンサーは、企業や自治体など、幅広いシーンで活用されており、最近では、河川の水位を把握し水害時に活躍するというように新たな使われ方がされています。

IOWN

IOWN は、「Innovative Optical and Wireless Network」の略語です。革新的な技術により、これまでのインフラの限界を超え、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、膨大な計算リソース等を提供可能な、端末を含むネットワーク・情報処理基盤の構想です。2024年の仕様確定、2030年の実現をめざして、研究開発を始めています。

L

LoRaWAN

LoRaWANとは、LPWA(省電力長距離通信)の一種で、LoRa(米国の大手半導体メーカーであるセムテック社が開発した、LPWA無線通信のための周波数変調方式)を採用したLPWAN(低電力・広域ネットワーク)プロトコルです。免許不要の周波数帯域を利用して、携帯電話などで使われるLTE/3G回線より低価格でネットワーク接続を提供することができます。また、LoRaWANは、ライセンス不要のアンライセンスドバンド(特定小電力無線)で、サブギガ帯と呼ばれる920MHz帯を使用しています。

LPWA(Low Power Wide Area)

LPWA(Low Power Wide Area)とは、低消費電力で長距離の通信ができる無線通信技術の総称です。最大伝送速度は100bps程度、伝送距離は最大50 km程度で、センサーのデータの送受信や簡単な機械制御の信号通信などに利用されます。リアルタイム通信には不向きですが、1時間に一回など、一定の間隔でセンサーのデータを送信するなど、IoT分野の通信に広く利用されています。LPWAには、大きくライセンス不要のアンライセンスバンド(特定小電力無線)の通信方式と、ライセンスが必要な通信キャリアの無線方式があります。

LRT

ライトレール(LRT:Light Rail Transit)とは、快適で省エネ性に優れた、新しい路面電車システムのことを言います。従来から欧米では、路面電車のことを「トラム」、「ストリートカー」と呼んでいましたが、環境にも配慮した新しい交通システムとしての路面電車に「ライトレール」という名称が使われるようになりました。フランスでは今も、「Tram」、日本では「新型路面電車」や「次世代型路面電車」という名称が使われることもあります。

M

MaaS

Mobility as a Serviceの略で、公共交通を含めた、自家用車以外の全ての交通手段による移動を1つのサービスとして捉え、ICTを活用して全てをシームレスにつなぐ移動の概念であり、その目的は、マイカーの利用方法を多面的に拡大転換させることにあると言われています。なお日本でも自動車メーカーや鉄道業界各社がMaaSアプリを提供しています。ルート検索やチケット予約・決済という共通の機能だけでなく、飲食サブスクの提供や、商店街と提携した特典チケットなど、特徴はさまざまです。

MEC / マルチアクセスエッジコンピューティング

MECとは、マルチアクセスエッジコンピューティング(Multi-access Edge Computing)の略称です。ユーザー端末の近くにエッジサーバを分散配置し、データ分析処理を可能な限りエッジサーバで実施することにより、インターネットの先にあるサーバでの処理量を減らします。これにより、同時に通信を利用するユーザーが増えても「超低遅延」を実現できるため、自動運転や遠隔医療など、リアルタイム性が求められる5G時代での活躍が期待されている技術です。

MEC概念図(出典:総務省資料)
MEC概念図
(出典:総務省資料)

MIMO / マイモ

MIMO(マイモ)とは、Multiple-Input Multiple-Outputの略称です。無線通信において、複数の送信アンテナから同時にデータを送信し、そのデータを複数の受信アンテナで受信することで、一定時間で通信できるデータ量を増やし、通信品質を向上させる技術です。

MQTT(Message Queue Telemetry Transport)

MQTTは通信プロトコルの一つです。MQTTのMQ(Message Queueing)とは、送信側が送るデータをデータ領域に一旦保持しながら、受信側の処理が完了するのを待たずに次の処理へ移る方式です。また、TT(Telemetry Transport)とは、遠隔にあるセンサーやデバイスなどが収集したデータを、受信側の処理状況を気にせず効率よく送信する方式です。通信量やCPU負荷、電力消費量などを抑えつつ、1対1の通信のみならず、双方向、1対多の通信が可能なため、家電や自動車、工場の機械など多種多様な「モノ」がインターネットにつながるIoT分野での活用が期待されているプロトコルです。

MR

「MR(複合現実)」とは、Mixed Reality (ミックスドリアリティ )の略で、現実空間と仮想世界を融合させて見せる技術です。MRは、現実空間と仮想的なものがリアルタイムで影響し合い、新たな空間を創出するものです。代表的なデバイスは、MicrosoftのHoloLens(ホロレンズ)で、デバイスに内蔵されたカメラやセンサーを利用することで、マウスやキーボードなどの入力機器を使わずにジェスチャーや音声で操作を行ったり、仮想の物体に触れたりといった操作が可能となります。ゲームなどのエンターテイメント領域での活用のほか、今後は特に、建設や医療といったいわゆる”現場仕事”の分野での活用が期待されています。
AR(Augmented Realityの略で、現実世界を仮想的に拡張する技術)やVR(Virtual Realityの略で、バーチャルの世界に入り込んだ体験ができる技術)との違いを整理すると、ARの仮想空間をさらに拡張し、実際にそこにないものを現実世界に重ね合わせて表示し、自由にコントロールできるのがVRです。そのVRとARを組み合わせた技術がMRです。具体的には、美術館や博物館に行かず、CG上の施設に入るのがVRで、実際に施設に出向き、展示物を見たときに詳細な説明がディスプレイに表示されるのがARです。

MR(Mixed Reality):複合現実

MR(複合現実)とは、VRやARをさらに進化させた技術です。現実世界と仮想世界の座標空間を精緻に重ね合わせる事で、現実世界と仮想世界を同時に体験可能にします。MRは、仮想世界に現実の世界を再現したうえで、現実世界と仮想世界の座標空間を精緻に重ね合わせる事で、CGと実物を合わせて確認したり操作したりすることができます。実際にデジタル情報に直接触れて操作したり、情報を書き換えられることが、ARとの大きな違いです。

R

RTK (Real Time Kinematic):リアルタイムキネマティック

RTK(リアルタイムキネマティック)は、「相対測位」と呼ばれる、GPSの位置測定の精度を向上させる測定手法です。衛星による位置情報は、単独では誤差が生じてしまいます。RTKでは、固定局と移動局の2つの受信機で4つ以上の衛星から信号を受信し、2つの受信機の間で情報をやりとりして誤差を補正することで、誤差を数センチメートル以内に抑えることができます。RTKは、農機や建設機械、ドローンの自動航行など、より正確な位置情報を求められる分野での活用が進んでいます。

S

SDGs(Sustainable Development Goals)

SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致により採択されました。SDGsの前身であるMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)は、飢餓の撲滅や初等教育の普及のような、主として発展途上国が解決すべき課題を対象としていました。一方、SDGsは、クリーンエネルギー(SDGs 7)や技術革新(SDGs 9)、つくる責任 つかう責任(SDGs 12)、気候変動(SDGs 13)など、持続可能な社会の実現に向けて、途上国のみならず、先進国の政府や企業、市民が取組むべき17の目標、163のターゲットで構成されています。

Society5.0

Society5.0とは、狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな未来社会をさしています。「サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会)」が、Society5.0です。政府が第5期科学技術基本計画でていしょうしたもので、IoTによってすべての人とモノがつながり、さまざまな知識や情報を共有、新たな価値を生み出し、さらにAIやロボット、自動走行車などの技術により、少子高齢化や地方の過疎化、貧富の格差などの課題が実現する社会と言われています。

Sub6(サブシックス)

日本の5G通信で使われる電波には、6GHz未満の帯域と、28GHzを超える周波数帯があります。このうち、6GHz未満の周波数のことを「Sub6」、28GHzを超える周波数帯のことを「ミリ波」と呼びます。5G通信に利用されるSub6の周波数は、大手携帯事業者に100MHz幅単位で割り当てられています。また、2020年12月にはローカル5Gに4.6G~4.9GHzの300MHz幅が割り当てられました。Sub6は、より周波数の高いミリ波と比べると減衰が少なく、広域まで電波が届き、障害物があっても回り込んで届くという特徴がありますが、速度と同時接続の性能に関してはミリ波に大きく劣ります。

V

V2X

クルマとクルマの通信は、V2V(Vehicle to Vehicle)、クルマと歩行者であればV2P(Vehicle-to Pedestrian)と呼ばれます。このような、クルマと何かとの接続や相互連携を総称したものがV2X(Vehicle to Everything)と呼ばれます。クルマや歩行者が接近することを検知して衝突を避けたり、道路沿いの信号機などに設定された通信機と情報のやり取りを行う機能を備えたコネクテッドカーや、コネクテッドカーの機能を利用した自動運転の実用化に不可欠の技術といえます。

VR

VRとは、「Virtual Reality」の略で、日本語に訳すと「仮想現実」となります。コンピューターによって作られた仮想的な世界を、まるで、現実世界のように体感できる技術を指します。この技術は、VRゴーグルなどのデバイスを装着することで体験することができます。多くの場合、これらのデジタル上の仮想空間や、この仮想空間を作り出す一連の技術をまとめて「VR」と呼んでいます。VRの歴史は古く、1935年のアメリカのSF小説『Pygmalion’s Spectacles』(ピグマリオン劇場)の中で、VRゴーグルのもととなるテクノロジーが描かれており、これがVRの先駆けだという説もあります。しかし、1960年代に研究が始まり、1990年代にはVRの要素が搭載されたゲームの開発が進められていたり、VRという言葉や概念が社会に登場・浸透し始めましたが、技術面の不足により普及には至りませんでした。その後、技術が飛躍的に進化し、様々な家庭用VRゲーム機器の販売により、VRが普及し、現在に至っています。

X

XR(クロスリアリティ)

XRとは、「VR(仮想現実)」、「AR(拡張現実)」、「MR(複合現実)」など、現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術の総称です。ヘッドマウントディスプレイを使ったVRのゲームに、ARのコンテンツを組み合わせるような、VRやARなどを複合した技術が登場し、それがVRなのかARなのか切り分けるのが難しくなってきました。そこで、このような技術を総称する、XRという言葉が生まれました。「x」はさまざまな技術を表す変数を意味するものとして「XR」と表記されることもあります。

Z

ZEB

ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、「ゼブ」と呼びます。建築計画の工夫で日射を遮蔽したり、自然エネルギーの利用を促進したり、高断熱化、高効率化によって大幅な省エネルギーを実現した上で、太陽光発電等でエネルギーを創り、年間に消費するエネルギー量が大幅に削減されている最先端の建築物を指しています。

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2024年問題

物流や運送業界に大きな影響を与えると危惧されている2024年問題ですが、2024年4月1日以降、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が年960時間に制限されることにより、様々な問題が発生し、危機的状況に陥るといわれています。この物流現場における「2024年問題」により、ドライバーの収入減に加え、物流業界の売上の減少、そして、これらに伴う人材不足、さらには、物流の遅延・停滞に陥ることが予測されています。
また、IT業界においても、ISDN回線を使用している従来のEDIシステムが使用できなくなるため、多くの企業がシステムの再構築や別のシステムへの移行といった対応が必要となることから、「2024年問題」といわれています。さらに、時間外労働の上限が一般とは異なる建設業や医師なども、2024年4月から上限規制が適用されることから、物流業界同様の問題を抱えています。

3D都市モデル

3D都市モデルとは、国土交通省が整備を進めているもので、都市空間に存在する建物や街路といったオブジェクトに名称や用途、建設年といった都市活動情報を付与し、都市空間そのものを再現する3D都市空間情報プラットフォームです。「Project”PLATEAU”(プラトー)」と呼称されており、様々な都市活動データが3D都市モデルに統合され、フィジカル空間とサイバー空間の高度な融合が実現します。これにより、都市計画立案の高度化や、都市活動のシミュレーション、分析等を行うことが可能となります。

5G(5th Generation)

5Gとは、日本語で第5世代移動通信システムと訳されている次世代の通信規格です。 日本では2020年3月から5Gのサービスが開始されました。従来の4Gと比較すると、5Gには、「高速・大容量」、「高信頼・低遅延」、そして「多数同時接続」の3つの特長があります。通信速度が向上したことで、映画のようなデータ容量の大きなファイルも簡単にダウンロードすることができます。また、通信の遅延が極小になるため、より安定した接続が可能です。そして、5Gではより多くの機器を同時に接続することができます。

5Gコアネットワーク(5GC)

コアネットワークは、端末の認証や位置管理、ポリシー制御、パケット転送制御、通信経路の確立、データネットワークとのデータのやりとりなど、通話や通信に関連するさまざまな役割を担います。5G専用のコアネットワークである「5GC」 (5G Core network)を利用したスタンドアローン方式の5Gを活用することで、5Gの特徴である「高速大容量」、「超低遅延」、「多数同時接続」のメリットをフルに発揮する5Gサービスが実現します。

6G

6Gは、2030年ごろの商用化が見込まれる第6世代の無線通信規格です。国内では、2020年3月に始まった携帯電話の5Gが4Gの100倍の通信速度と言われるのに対し、6Gは使える帯域をさらに拡大し、5Gの10倍以上の毎秒1テラ(テラは1兆)ビット級の通信が想定されています。また、単に速度が速くなるだけではなく、現在の移動通信システムがカバーできていない空・海・宇宙などを含むあらゆる場所での使用を想定した「超カバレッジ拡張」が実現します。これにより、人・物の活動環境がさらに拡大し、それに伴う新規産業の創出が期待されています。

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