物流DX市場について

2024年3月11日
物流DX市場について
物流DX市場について

●物流DXとは
物流業界におけるDXの推進は、2021年6月に物流業界の指針である「総合物流施策大綱」閣議により決定されました。具体的には、物流システムの規格化などを通じ、物流産業のビジネスモデルそのものを革新し、既存のオペレーション改善、物流従事者の働き方改革を実現するとしています。さらに国土交通省は、物流DXを通して、日本の産業全体が国際競争力を強化できるような変革を行うことが重要であると指摘しています。つまり、物流DXとは、労働生産性の向上と労働力の確保を目的に、機械化・デジタル化を通じてサプライチェーン全体の最適化を目指した取り組みであり、これを推進するためには、物流に関わる全ての事業者がサプライチェーン全体を通じて、一致協力する必要があります。

●物流2024年問題とは
日本の産業界を大きく揺るがす危機的状況として、警鐘を鳴らされているのが「物流2024年問題」です。2024年4月以降、働き方改革法案の施行により複数の業界で時間外労働の規制強化が実施されます。物流業界も例外ではなく、トラックドライバーの時間外労働可能時間は年間960時間に制限されます。そのため、一人当たりが担当できる走行距離が従来よりも短くなり、運送効率に大きな影響を与えることが懸念されています。

トラックドライバーの長時間労働の慢性化は課題とされているものの、長時間労働を前提としたビジネスモデルが構築されてきました。働き方改革法案の施行に伴い、時間外労働が発生しない業務フローの構築やビジネスモデルの見直しが必要になっています。2024年問題の懸念事項として具体的には、「物流事業者の収益性低下」、「ドライバーの収入減少」、「物流コストアップ」などが考えられています。

2024年問題は、長時間労働が規制されることでドライバーの収入が減少するリスクを抱えています。これを防ぐためには基本給の引き上げが必要ですが、すべての企業で賃金を上げることは困難です。そして、物流事業者がドライバーの基本給を上げるために、運賃の値上げに踏み切る可能性もあり、その場合、物流コストは上がります。

●2024年問題を解決する物流DXとは
KPMGジャパン社の試算によると、物流DXの国内市場規模は、2022年では約3,900億円ですが、2030年には約1.2兆円に達する見込みです。2024年問題の解決につながるデジタルツールには、勤怠管理システム、在庫管理システム、倉庫業務自動化ロボット、配送マッチングサービスなど様々な製品が存在します。

比較的取り組みやすい物流DXとして、勤怠管理システムの導入が挙げられます。ドライバーの勤怠状況をデジタルで管理し就業時間を正確に把握・管理することで、就業時間の無駄を解消し、多くの負担を軽減し、労働時間を改善することができます。また、荷物の状況をリアルタイムで把握できるトラック予約受付システムを構築し、共有できるようにすれば、ドライバーの待機時間を最低限に抑え、荷物の輸送にその時間を割くことができます。

物流DXは、物流業界だけでなく日本経済に多大な影響を与える可能性を含んでいます。サプライチェーン上の各事業者が課題を認識し、解決のために手を取り合って連携していくことが重要です。

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