四国から広がる地域GXの取り組み イメージ
#GX#産業界#太陽光パネル#気候変動

海外の産業界で進むGXへの取り組み

2023年1月30日

地球温暖化の原因とされる、温室効果ガスの排出源である化石燃料から再生可能エネルギーへの転換に向け、社会経済を変革させるGX(グリーン・トランスフォーメーション)。日本では、製造業を中心とした取り組みが目立っているが、海外ではファッション業界や飲食業界、レジャー産業など、さまざまな産業界でGXへの取り組みが進んでいる。

欧米のファッション業界がGXに取り組む協定に署名

シャネルやナイキなど欧米を中心とするファッション・テキスタイルに関わる企業32社(150ブランド)は、2019年8月にフランスのビアリッツで開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)において、マクロン大統領から託されたケリング・グループの主導により、環境問題に関わるファッション協定(THE FASHION PACT)に署名した。その後、続々と協定に賛同する企業が増え、2022年12月20日現在で76社が参加企業に名前を連ねており、日本からもアシックスとバリュエンスの2社が参加している。

ファッション協定では、「気候変動(Climate)」「生物多様性(Biodiversity)」「海洋保護(Oceans)」という3分野を柱に、共通の実践目標が掲げられた。「気候変動」の分野では、2050年までのカーボンニュートラルを達成するために、Science Based Targets for Climate(気候変動に関する、科学的根拠に基づく実行・測定可能な期限付き目標)を実装するとしている。具体的な目標としては、2025年までに原材料の25%を持続可能な素材にする。また、2030年までに自社の操業に関し、再生可能エネルギーへの転換を100%にする。

「生物多様性」の分野では、Science Based Targets for Nature(自然に関する、科学的根拠に基づく実行・測定可能な期限付き目標)を策定・実装するとしている。具体的な目標としては、2025年までに森林破壊をなくし、持続可能な森林管理を支える。

「海洋保護」の分野では、海洋の環境に与えるファッション産業の負の影響を減らすことを目標としている。具体的には、有害なプラスチック包装材に関して、2025年までにB2C分野で、2030年までにB2B分野で廃止。さらに、プラスチック包装材の半分以上をリサイクル可能なものに変更するが、その目標をB2C分野で2025年までに、B2B分野で2030年までにとしている。

(図1)欧米を中心としたファッション・テキスタイル企業で結ばれた協定「THE FASHION PACT」(出典:THE FASHION PACTのホームページ) イメージ
(図1)欧米を中心としたファッション・テキスタイル企業で結ばれた協定「THE FASHION PACT」
(出典:THE FASHION PACTのホームページ)

再生可能エネルギーで営業するマクドナルドのレストラン

アメリカではマクドナルドが、2030年までに世界全体で店舗およびオフィスからの二酸化炭素排出量を2015年比で36%削減すると発表している。その目標の達成に向け、フロリダ州のウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート(WDW)で新たな取り組みとして始めたのが、再生可能エネルギーから店舗の運営に必要なすべての電力を生成できるレストランの開業だ。

2020年に、WDW内で改装されたマクドナルドのレストランは約745平方メートルの広さがあるが、店舗でのエネルギー使用量を大幅に削減することによって、屋根を覆っているソーラーパネルとソーラー技術を取り入れた窓ガラスだけで、建物全体に電力を供給できる。

(写真1)太陽光発電だけで全ての電力を賄うアメリカのマクドナルドレストラン(出典:マクドナルドのYoutubeチャンネルおよび広報資料より) イメージ
(写真1)太陽光発電だけで全ての電力を賄うアメリカのマクドナルドレストラン
(出典:マクドナルドのYoutubeチャンネルおよび広報資料より)

また、イギリスに作られたマクドナルドのレストランでは、敷地内のソーラーパネルと年間推定6万kWhの電力を生成する風力タービンによって、部分的に電力を供給している。壁はイギリス産の羊毛で断熱され、建物の外装材はリサイクルされたIT機器と家庭用電化製品で作られている。

(写真2)ソーラーパネルと風力タービンを活用するイギリスのマクドナルドレストラン(出典:米マクドナルドの広報資料より) イメージ
(写真2)ソーラーパネルと風力タービンを活用するイギリスのマクドナルドレストラン
(出典:米マクドナルドの広報資料より)

さらにマクドナルドは2022年9月13日、アメリカの再生可能エネルギー開発大手のEDFリニューアブルズ・ノース・アメリカと、テキサス州のアポロ太陽光発電プロジェクト契約に調印したと発表。アポロプロジェクトは、2023年から2024年にかけてテキサス州に建設する太陽光発電所から15年間にわたって電力を供給する構想で、プロジェクトが完成すると、米マクドナルドの1,200店舗以上の消費量に相当する年間61万9,000MWhの低炭素エネルギーが生産されると見込まれている。

100年前から環境管理に取り組んできたウォルト・ディズニー

100年近く前の創業から環境管理に取り組んできたウォルト・ディズニーだが、近年は最新のテクノロジーを活用しながらGXに取り組んでいるようだ。ウォルト・ディズニー・リゾートは、地元の公益事業パートナーと協力して、2つの新しい75MW太陽光発電施設の開発を開始した。これらは2023年度に稼働する予定で、既存の2つの施設と合わせ、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの再生可能エネルギー消費量を、総電力使用量の40%にまで引き上げる計画だ。

また、事業所における節水への取り組みとして、清掃用など使われる水に関しては手や食器などを洗った後の飲用水を再利用する再生水を活用し、飲用水の消費量を削減するという。最近では、上海ディズニー・リゾートがトイレの水を100%非飲用水に切り替え、2021年には約950万リットルの飲用水を節約している。

さらに、世界中のすべての所有地および運営拠点で使い捨てのプラスチック製ストローとマドラーを廃止し、年間1億7,500万本以上のストローと1,300万本以上のマドラーを削減。一方、ウォルト・ディズニー・ワールドからの有機廃棄物は敷地外の堆肥化施設に送られ、そこで栄養豊富な土壌製品に変わり、敷地内の植物の肥料として使用している。

「未来図メディア」メールマガジン登録

5G×IoTの最新情報やイベント・セミナー情報を
いち早くお届けします。

ミライト・ワンのソリューションに関するご質問、ご相談など
ございましたらお気軽にお問い合わせください。

最新の特集

新エネルギー

ページトップへ