防犯カメラの運用課題を解決する「VMS」とは?メリットや活用方法を解説
目次
- ▼1. 複数の防犯カメラ運用、こんな課題を抱えていませんか?
- ・拠点ごとに操作も画面もバラバラで状況把握に時間がかかる
- ・用途が増えるたびにメーカーが増え、管理画面が乱立している
- ・膨大な録画データが「撮って終わり」になっている
- ▼2. 防犯カメラ運用の課題解決につながる「VMS」とは
- ・VMSの基本的な機能
- ・海外ではフィジカルセキュリティの統合管理が進んでいる
- ▼3. VMSとNVRの違い
- ▼4. 企業がVMSを導入するメリット
- ・バラバラの監視カメラシステムが1つにまとまる
- ・今あるカメラを捨てずに統合できる
- ・モニターに張り付かなくても異常を見逃しにくい
- ・AI解析との連携によりデータ分析に活用しやすい
- ▼5. 【業界別】VMSの活用方法
- ・物流業|車両・作業員・倉庫内の状況をまとめて把握
- ・製造業|工場内の安全・作業状況を映像から把握
- ・小売業|データ活用と店舗の安全管理を両立
- ▼6. 企業がVMSを導入する際の課題・注意点
- ▼7. 既存インフラを活かしながら統合管理を実現する「Genetec Security Center」
- ・「Genetec Security Center」の3つの特長
- ・株式会社ミライト・ワンのフルバリュー型伴走支援
- ▼8. まとめ
複数の拠点や施設で防犯カメラを運用している企業では、カメラの増設やシステムの多様化に伴い、管理業務が複雑になりやすい。
こうした防犯カメラの運用課題を解決する方法の一つが、映像管理システム「VMS」である。VMSを導入すれば、複数のカメラやセキュリティシステムを一元的に管理し、映像データを安全管理や業務改善などに活用できる。
本記事では、複数の防犯カメラを運用する企業が抱えやすい課題やVMSの基本的な機能、NVRとの違い、導入メリット、物流・製造・小売業での活用方法、注意点を解説する。
複数の防犯カメラ運用、こんな課題を抱えていませんか?

拠点や用途ごとに個別最適で防犯カメラシステムを導入してきた結果、かえって運用効率や対応力が損なわれているケースが見られる。
ここでは、企業が直面しやすい主な課題を紹介する。
●拠点ごとに操作も画面もバラバラで状況把握に時間がかかる
●用途が増えるたびにメーカーが増え、管理画面が乱立している
●膨大な録画データが「撮って終わり」になっている
拠点ごとに操作も画面もバラバラで状況把握に時間がかかる
事業拡大や店舗・工場の新設のたびに、各拠点が別々のベンダーからシステムを導入してきた企業は少なくない。その結果、操作方法や保存期間、アラート対応のフローが拠点ごとに異なる状態が生まれる。
本社側が異常を調査しようとしても、拠点ごとに確認手順や画面が異なるため、状況把握に時間がかかる。初動の遅れは、被害の拡大や意思決定の停滞を招きかねない。
用途が増えるたびにメーカーが増え、管理画面が乱立している
防犯目的で導入したカメラは、多店舗展開やリモートワークによるオフィスの無人化・省人化を背景に、役割を広げてきた。新しい用途が加わるたびに別メーカーの製品を追加すると、互換性のないまま管理画面だけが増えていく。
防犯以外の用途で導入される主なシステムは、以下のとおりである。
●オフィス:監視カメラ+入退室管理システム
●倉庫:車番認証カメラ+バース管理システム
●店舗:顧客の動線分析用のAI搭載カメラ
画面が分かれていると、同じ事象を複数の環境で追う必要があり、確認工数が積み上がっていく。
膨大な録画データが「撮って終わり」になっている
常時録画を続ければデータは蓄積されるが、その大半は見返されないまま保存期間を迎える。広大な敷地を持つ施設ほど、すべての映像を目視で確認することは現実的ではない。
結果として、活用の場面はトラブル発生後の事後確認に限られてしまう。リアルタイムのリスク回避や生産性向上には結びつきにくい状態である。
防犯カメラ運用の課題解決につながる「VMS」とは
前章で解説したような、システムの分断と録画データの活用不足を解消する手段として注目されているのが、VMS(Video Management System)である。
VMSとは、メーカーや設置目的の異なる複数のカメラ映像を、1つのプラットフォーム上で統合的に管理できるソフトウェアを指す。日本語では、「映像管理システム」や「録画映像統合管理システム」などと呼ばれている。

複数拠点で撮影された映像をサーバーに集約し、顔認証や入退室管理、車番認証といった他システムとも連携できる点が特徴である。
VMSの基本的な機能
VMSの主な機能は、以下のとおりである。
| 機能 | 概要 |
| 録画機能 | 常時録画と動体検知録画 |
| 検索機能 | 日時・条件による該当映像の抽出 |
| アラート通知 | 設定イベント発生時のリアルタイム通知 |
| 管理機能 | 保存期間・閲覧権限などの設定 |
| 外部システム連携機能 | アラーム・センサーなど他システムとの接続 |
単に映像をためるだけでなく、必要な場面を即座に呼び出し、設定したイベントの発生をリアルタイムで知らせられる点が、従来の録画機器との大きな違いである。
海外ではフィジカルセキュリティの統合管理が進んでいる
監視カメラや入退室管理など、物理的な脅威から企業を守る取り組みは「フィジカルセキュリティ」と呼ばれる。
欧米では、サイバーセキュリティと同列のリスクマネジメント領域と位置づけられ、拠点やシステムを横断して統合管理するアプローチが主流になりつつある。
一方、日本では用途や設備単位での個別導入がこれまで中心であり、拠点をまたいだ横断的な管理が難しいのが実情である。人手不足も重なり、災害や事故が発生した際に状況把握と初動が遅れるケースも少なくない。
統合管理という考え方を実務に落とし込む手段として、VMSへの関心が高まっている。
VMSとNVRの違い
VMSと混同されやすい用語に「NVR(Network Video Recorder)」がある。どちらを選ぶべきか判断するには、対応できる規模と拡張性の違いを押さえておきたい。
NVRはネットワークカメラ専用の録画機器であり、単一拠点・小規模な監視に適している。対してVMSはソフトウェアであり、拠点や用途をまたいだ大規模な統合を前提としている。それぞれの特徴は以下のとおりだ。
【NVR】
| 形態 | ネットワークカメラ対応の録画専用機器 |
| 接続台数の目安 | 約8台〜30台 |
| 向く規模・用途 | 単一拠点・小規模な監視 |
| メーカー互換性 | 特定メーカーのみ対応の場合あり |
【VMS】
| 形態 | 複数システムを統合管理するソフトウェア |
| 接続台数の目安 | 数百台〜数千台 |
| 向く規模・用途 | 複数拠点・用途横断の統合管理 |
| メーカー互換性 | 異なるメーカーにも対応する仕様が多い |
センサーや他のフィジカルセキュリティ機器とも連携できるため、複数拠点の一元管理をめざす企業にとっては有力な選択肢となるだろう。
企業がVMSを導入するメリット

企業がVMSを導入するメリットは、主に以下の4つ。それぞれ詳しく見ていこう。
●バラバラの監視カメラシステムが1つにまとまる
●今あるカメラを捨てずに統合できる
●モニターに張り付かなくても異常を見逃しにくい
●AI解析との連携によりデータ分析に活用しやすい
バラバラの監視カメラシステムが1つにまとまる
拠点ごとに分散していた監視カメラシステムを、単一のプラットフォームで運用できる点が最大の利点である。本社など離れた場所からでも、各拠点の映像をリアルタイムでまとめて確認できる。
運用ルールを全社で統一しやすくなるため、「その拠点の担当者しか操作できない」という属人化も避けられるだろう。
今あるカメラを捨てずに統合できる
異なるメーカーの機器を組み合わせられるオープンアーキテクチャ型であれば、既存のカメラ設備を活かしたまま統合できる。全面更改を避け、予算に合わせて段階的に移行する進め方も可能だ。
クラウド型を選べば、物理サーバーの自社保有も不要となる。インフラ費用と管理の手間を抑えつつ、拠点追加などの拡張にも対応しやすい。
モニターに張り付かなくても異常を見逃しにくい
AIによる映像分析と組み合わせれば、工場や倉庫の立入禁止エリアへの侵入といった異常を自動で検知できる。検知結果は担当者のスマートフォンにも通知されるため、モニターの前を離れていても気づける体制が整う。
監視員の集中力に依存しない仕組みへ移行することで、見逃しによる被害の拡大も抑えられるだろう。
AI解析との連携によりデータ分析に活用しやすい
蓄積した映像は、AI解析と組み合わせることで分析用のデータに変わる。
工場や倉庫では不審人物・車両の検出や異常行動の把握に、店頭では顧客の行動パターンの把握に活用できる。
売り場改善やディスプレイ設計といったマーケティング領域まで用途を広げられる点も、見逃せない価値である。
【業界別】VMSの活用方法

続いて、VMSの具体的な活用方法を業界別に紹介する。
●物流業|車両・作業員・倉庫内の状況をまとめて把握
●製造業|工場内の安全・作業状況を映像から把握
●小売業|データ活用と店舗の安全管理を両立
物流業|車両・作業員・倉庫内の状況をまとめて把握
物流業では、労働力不足への対応と構内の安全確保の両立が課題となっている。なかでも荷待ち時間やトラックの構内滞在時間の削減は急務である。
VMSの活用で車番認証カメラとバース管理システムを連携させれば、ナンバーの自動読み取りによって滞在時間を計測・可視化できる。AIを組み合わせれば、フォークリフトの危険挙動(通行経路からの逸脱など)の検知も可能だ。作業員の入退室データと映像を紐付ければ、製品の紛失リスク低減にもつながる。
広大な倉庫であっても、安全確保と業務効率化を同時に進められる。

製造業|工場内の安全・作業状況を映像から把握
工場やプラントでは、「スマートファクトリー化」が加速する一方、作業現場の安全確保や品質管理、コンプライアンス管理の高度化も求められている。
行動認識や骨格検知AIを使えば、生産ラインの無駄な動きやヒヤリハットを映像から検知し、VMS上で可視化できる。クリーンルームでの作業服・マスクの着用状況や持ち込み禁止物のチェックも、自動化が可能だ。
目視だけでは追いきれない現場の状況をデータとして残せるため、作業改善とコンプライアンス強化の両面に効く。

小売業|データ活用と店舗の安全管理を両立
小売業の実店舗では、映像データをVMSで統合管理し、マーケティングに活用する動きが広がっている。
来店者数のカウントや性別・年齢層の属性解析、店内動線を示すヒートマップの生成を自動化すれば、勘と経験に頼らない店舗運営に近づく。同じ映像から、転倒や車椅子利用者への対応、万引きなどの不審行動の把握も行える。
一つの仕組みで売上改善と安全管理の両方をカバーできる点が、小売業における導入価値である。

企業がVMSを導入する際の課題・注意点
VMSの導入にあたって、あらかじめ押さえておきたい点が2つある。
一つはコストである。高度な機能を備える分、NVRと比較して導入費用は高くなりやすい。ソフトウェアライセンス料や保守契約料、サーバーの購入・維持管理費用まで含めて見積もる必要がある。
もう一つは構築の難易度だ。カメラや外部システムとの連携には専門的な設定作業が伴い、自社だけで完結させることは難しい。設計から動作確認、運用後のメンテナンスまで任せられるパートナーを選びたい。
既存インフラを活かしながら統合管理を実現する「Genetec Security Center」
複数拠点・用途ごとにカメラを運用することで発生する課題に対し、ミライト・ワンが提案するのが「Genetec Security Center」である。
「Genetec Security Center」は、カナダのフィジカルセキュリティソフトウェア企業のGenetec Inc.(以下、Genetec)が提供する、VMSの枠を超えた統合フィジカルセキュリティプラットフォームだ。入退室管理、ビデオ監視、自動ナンバープレート識別のデータを一つの基盤で扱える。
独立系調査会社Novaira Insightsの調査では、ビデオ監視ソフトウェア・サービス契約の分野で世界No.1にランクされたことがある。また、世界のVMS市場で17.4%のシェアを持つグローバルリーダーと評価されており、世界130か国以上の企業や重要インフラに及ぶ。
「Genetec Security Center」の3つの特長
世界中の企業から選ばれる理由は、主に以下の3点に集約される。
| 特長 | 内容 |
| 1.マルチベンダー対応 | メーカーを問わない機器の組み合わせ |
| 2.アドオン導入 | 既存設備を残したままの機能追加 |
| 3.確認工数の削減 | 映像・入退室データの1画面集約 |
設計図や仕様を公開する「オープンアーキテクチャ」を採用しているため、現在の設備を活かしながら段階的にセキュリティ環境を整備できる。
複数の画面を切り替えて情報を探す手間もなくなり、現場担当者の負担軽減が期待できるだろう。
株式会社ミライト・ワンのフルバリュー型伴走支援
「深夜や休日、会議中もアラートメールが気になって仕方がない」
「個人の注意力に頼る監視体制では、いつか重大な異常を見逃すのではないか」
「現場の安全」と「働きやすさ」を両立したい施設管理者からは、こうした声が聞かれる。個人の注意力だけに依存した体制は、見逃しのリスクに加え、現場の疲弊も招きかねない。重要なのは、トラブルの要因を個人の責任にするのではなく、見逃しが起きにくい「仕組み」を構築することである。
通信・エネルギー・交通など、日本の重要インフラを支えてきた総合ICTカンパニーであるミライト・ワンが展開しているのが、フルバリュー型の伴走支援である。
パッケージソフトを販売して終わりではなく、顧客ごとに異なる既存設備を調査し、システムの企画・設計から施工、運用・保守まで一気通貫で支援する。
その知見をまとめたガイドブックでは、統合管理システムを活用して「見逃しゼロ体制」を構築するための具体策を解説している。現場の確認工数を月約12時間削減した考え方も紹介しているため、監視体制の見直しを検討している方はぜひ活用してほしい。
まとめ
防犯カメラの役割は入退室管理や動線分析へと広がり、拠点や用途ごとに異なるシステムが乱立しやすくなっている。
VMSは、こうしたカメラ映像を一つのプラットフォームで統合管理し、既存設備を活かした段階的な移行や、AI解析によるリアルタイムの異常検知を可能にする仕組みである。
なかでも「Genetec Security Center」はメーカーを問わない組み合わせとアドオン導入に対応し、ミライト・ワンが企画・設計から運用・保守まで一気通貫で支援する。
「個人の注意力に頼らない、見逃しにくい監視体制」を構築したいと考えている施設管理者は、ぜひ以下のガイドブックを参考にしてほしい。
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