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安全なクルマ社会をサポートする5G

2022年02月18日

スポーツ観戦からスマートシティの実現、ロボットの遠隔操作など、5Gネットワークの活用が期待されている分野はさまざまだが、5Gは交通事故から人間を守るためにも活用されようとしている。ソフトバンクは、5Gネットワークが持つ超低遅延、多数同時接続の特徴を交通分野に活用することで、道路を横断しようとする歩行者の存在をドライバーに知らせたり、夜間でも自動運転車を安全に走行させる実証実験を行っている。

見えない歩行者の存在を教えてくれる

警視庁が発表する統計資料などを見ても、自動車による死亡事故件数でもっとも多いのは「横断中」となっている。原因は、横断歩道以外の場所を横切ろうとしている歩行者の行動にドライバーが気づかなかったり、路上にある障害物によってドライバーから歩行者が見えなかったりなど、いろいろなケースが考えられる。そうした原因による事故を防ぐためにも、5Gネットワークを活用しようとしている。

ソフトバンクは本田技術研究所と共同で、5Gネットワークを用いて歩行者と自動車が安全、安心して移動できる社会の実現を目指した実証実験を開始した。実験では、本田技術研究所の鷹栖プルービンググラウンド(北海道上川郡鷹栖町)に、ソフトバンクの5G実験用基地局を設置。本田技術研究所が持つ、車両同士や交通インフラと車両間、ネットワークと車両間、歩行者と車両間などでの通信技術を歩行者の認識に活用した。

車両と歩行者によって起きる事故の原因を、「車両から歩行者が目視できるケース」と「車両から歩行者が目視できないケース」に分け、前者の場合は、車載カメラが歩行者を認識した際に、車両から直接もしくは基地局の近くに置かれたサーバを介して、歩行者が持つ携帯端末に注意喚起を促す警報通知を行う。

(図1)「車両から歩行者が目視できるケース」の検証イメージ(ソフトバンクのホームページより引用) イメージ
(図1)「車両から歩行者が目視できるケース」の検証イメージ
(ソフトバンクのホームページより引用)

後者では、見通しが悪いエリア内での歩行者の有無を、周辺の携帯端末および他の車両に問い合わせる。その際、歩行者がいる場合は車両の接近を通知し、車両にも歩行者がいることを通知する。

(図2)「車両から歩行者が目視できないケース」の検証イメージ(ソフトバンクのホームページより引用) イメージ
(図2)「車両から歩行者が目視できないケース」の検証イメージ
(ソフトバンクのホームページより引用)

さらに、「車両から目視できないエリア内の情報共有」についても検証。走行する車両が、見通しが悪いエリア内の情報をサーバに送信すると、その情報が周辺を走行する車両に通知される。通知を受けた車両が見通しが悪いエリアに近づいた際に、歩行者がいる場合は車両や歩行者に警報を通知する。

(図3)「車両から目視できないエリア内の情報共有」の検証イメージ(ソフトバンクのホームページより引用) イメージ
(図3)「車両から目視できないエリア内の情報共有」の検証イメージ
(ソフトバンクのホームページより引用)

夜間でも安全に利用できる自動運転バス

自動運転バスが、公共交通としての実用化を目指す上で解決すべき課題の1つが、夜間での運行だ。現在自動運転バスは、公共交通の運転手不足といった課題の解決に向け、全国各地で実用化を想定した実証実験が行われている。とはいえ、既存の公共交通との置き換えを目指すならば、朝の出勤時から夜の帰宅時まで利用できるようにしなければ、利便性が損なわれてしまう。

ソフトバンクが静岡県や掛川市、東急電鉄などと協力して行った、県内の複数都市(掛川市、沼津市)を走行する自動運転車両の実証実験(2021年12月16~22日)では、静岡県伊東市(伊豆高原駅)のコントロールセンターから複数のバスの運行状況をリアルタイムで遠隔監視し、必要に応じて車両を遠隔操縦した。

実証実験が行われた運行ルートには、ソフトバンクが開発した画像解析エンジンを搭載するAIカメラが複数設置された。それらのカメラが検出した対向車や人などの映像を、5G技術によってコントロールセンターに伝送し、遠隔監視や操縦に利用することで、自動運転車両の安全な運行に5Gが貢献できるのか検証した。そして、今回の実証実験では夜間にも公道での遠隔型自動運転を実施するなど、より利用者のニーズを考慮したサービスが想定された。

(図4)静岡県掛川市での実証実験の運行ルート(ソフトバンクのホームページより引用) イメージ
(図4)静岡県掛川市での実証実験の運行ルート
(ソフトバンクのホームページより引用)
(写真)夜間での遠隔型自動運転のイメージ(ソフトバンクのホームページより引用) イメージ
(写真)夜間での遠隔型自動運転のイメージ
(ソフトバンクのホームページより引用)

交通分野での5G活用に求められるスタンドアローン方式

こうした交通分野での5G活用に求められるのが、超高速・大容量に加えて超低遅延、多数同時接続という5Gのスタンドアローン方式によって実現される機能だ。交通分野では、一瞬の判断の遅れが大きな事故に繋がってしまうため、特に情報送信の遅延は許されない。

2020年の春から提供されている5Gの通信サービスは、ほとんどが4G用のコアネットワーク設備と5Gの基地局を組み合わせたノンスタンドアローン方式で構築されてきた。そのため、5Gネットワークとはいっても、超低遅延や多数同時接続といった機能までは提供されていなかった。

ソフトバンクは、2021年10月から先行して5G のスタンドアローン方式でのサービス提供を開始しているため、今回のような実証実験が可能になっている。他の通信キャリアも、2022年からに順次スタンドアローン方式での5Gサービスを本格展開させるので、交通分野に限らず、さらに新しい分野での5G活用にも期待できそうだ。

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