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#コンパクトシティ#スマートシティ

スマートシティ構想に向けた最新のテクノロジーを検証する
サッカースタジアム

2022年08月19日

オンラインでのフリーマーケットや決済サービス事業などを展開するメルカリが、茨城県の鹿嶋市と連携協定を結びスマートシティの構築を推進するという。メルカリが経営権を持つプロサッカークラブ「鹿島アントラーズ」に関わるさまざまなリソースを、鹿嶋市におけるスマートシティ構築に活用しようというのだが、どのような構想なのか。

メルカリと鹿嶋市がスマートシティ事業推進を目指して提携

茨城県の鹿嶋市といえば、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)に加盟する「鹿島アントラーズ」のホームタウンの1つとして名前が知られている、人口約6万6千人(2022年6月1日現在)の都市だ。そんな鹿嶋市がスマートシティを目指すといわれてもピンとこない。

鹿嶋市と鹿島アントラーズ・エフ・シー、およびメルカリは2020年2月18日、「鹿嶋市における地方創生事業に関する包括連携協定」を締結したと発表。調印式の席上、鹿嶋市長の錦織孝一氏は「地域には少子高齢化を始めとしたさまざまな課題があり、行政単独の力では解決が難しい状況にある。今回の協定をきっかけに、情報通信技術などの活用、鹿島アントラーズの資源などを活用した新しい角度からのまちづくりを、三者で連携して推進したい」と述べ、具体的な取り組みの1つとして「鹿嶋市、メルカリ、鹿島アントラーズの三者連携によるスマートシティ事業の推進」を上げた。

一方、メルカリの取締役会長と鹿島アントラーズ・エフ・シーの代表取締役社長を兼務する小泉文明氏は、「新しいテクノロジーが社会の中に入り、人々の生活を便利にしていく時代において、プロフットボールクラブが持つ強みをホームタウンである鹿嶋市のまちづくりにどう生かすかが重要になっている。これまで鹿島アントラーズが地域とともに歩んできた歴史を大切にし、鹿嶋市、メルカリ、鹿島アントラーズが三位一体となって地域の発展に取り組んでいきたい」と述べている。

調印式での鹿嶋市長の錦織孝一氏(左)とメルカリ 取締役会長 兼 鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締
役社長の小泉文明氏(右)(出典:鹿島アントラーズのホームページより) イメージ
調印式での鹿嶋市長の錦織孝一氏(左)とメルカリ 取締役会長 兼 鹿島アントラーズ・エフ・シー 代表取締役社長の小泉文明氏(右)
(出典:鹿島アントラーズのホームページより)

サッカースタジアムを活用してスマートシティ繋がる実証実験を実施

そもそも、2019年8月にメルカリが鹿島アントラーズを買収した目的は、サッカーのコンテンツを活用して、メルカリの顧客層を男性や40代以上の層にも広げていくことであったが、その一方でメルカリは、2019年からメルペイなどのキャッシュレスサービスの導入も推進している。最終的にはさまざまな最新技術を活用して、サッカーの試合日に多発する周辺道路での交通渋滞解消に向けた予測システムやライドシェアの実現をはじめ、コンビニの無人化の実現なども視野に入れているという。

また、鹿島アントラーズのホームスタジアムであるカシマサッカースタジアムでは、さまざまな企業が社会課題の解決に繋がるシステム構築を実現させるための実証実験を行っている。例えば、2021年11月には、観光庁の「これまでにない観光コンテンツやエリアマネジメントを創出・実現するデジタル技術の開発事業」の公募で採択された、「鹿島アントラーズを基軸としたエリアマネジメントの変革」に関する実証実験が行われた。

そこでは、NECが混雑度検知のシステムを活用し、スタジアム内の物販の価格最適化の実現を目指した「ダイナミックプライシング」の実証実験を実施。スタジアム内にある地元で人気のスイーツ店のお菓子の価格を、混雑度に応じて柔軟に設定変更する試みで、場内に設置したカメラで混雑状況をリアルタイムに検知してWebブラウザにて来場者に公開。混雑度に応じて価格を変動させ、観客の行動変化の推移を観測した。

NECソリューションイノベータが提供する混雑度計測のイメージ(出典:NECソリューションイノベータの発表資料より) イメージ
NECソリューションイノベータが提供する混雑度計測のイメージ
(出典:NECソリューションイノベータの発表資料より)

その他にも、2020年9月にはNTTドコモが、カシマサッカースタジアムにおいて5G技術を活用したマルチアングル観戦サービスを試験的に提供。鹿島アントラーズとして新たなサッカーの楽しみ方を提案しているが、そこにメルカリのスマートフォン決済サービス「メルペイ」を連携させることで、スタジアムでのグッズや飲食販売のキャッシュレス化やチケットのペーパーレス化、さらにVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を使った観戦体験などへの展開も考えているようだ。

地域と最新テクノロジーの組み合わせから生まれるイノベーションに期待

メルカリとしては、このようなカシマサッカースタジアムでの実証実験を通して「スマートスタジアム構想」を実現することも目指しているが、そこでの成果を鹿嶋市に還元すればスマートシティの推進に繋がっていく。
鹿嶋市としても、65歳以上の老年人口が約3割となり、医療面や交通面などで、行政だけではカバーしきれないさまざまな課題を抱えており、メルカリの最新テクノロジーを活用して地域課題を解決したいと考えている。

現時点では、メルカリのスマートスタジアム構想から派生した最新テクノロジーを、鹿嶋市としてスマートシ ティ構築に活用する事例は発表されていないが、混雑度検知やダイナミックプライシング、キャッシュレス決済、チケットのペーパーレス化などが、どのように地域課題の解決に役立つのか。そして、地域と最新テクノロジーの組み合わせによって生み出される、新たなイノベーションにも期待されている。

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