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#健康経営 #ICT #医療

健康経営優良法人に3年連続で認定された
内田洋行の健康経営とは?

2023年5月29日

内田洋行は、経済産業省と日本健康会議が進める健康経営優良法人認定制度において、「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」に認定された。「健康経営優良法人2021」から3年連続の認定だ。もともとの発端は国よりも早く進めてきた2013年からのデータヘルス計画だという。そこで、同社の健康保険組合に、これまでの健康経営の取り組みを聞いた。

左から内田洋行健康保険組合 保健事業担当 清水昌子氏、楢崎智子氏、事務長 山本小百合氏、常務理事 津田秀明氏、保健師 眞野満知子氏、保健事業担当 大沢枝里子氏 イメージ
左から内田洋行健康保険組合 保健事業担当 清水昌子氏、楢崎智子氏、事務長 山本小百合氏、常務理事 津田秀明氏、保健師 眞野満知子氏、保健事業担当 大沢枝里子氏

国に先駆けてデータヘルスを実施

内田洋行健康保険組合(以下、内田健保組合)には、子会社を含め19の事業所が加入しており、被扶養者を含め約7,000名の加入者がいる。同社の健康経営の取り組みは、10年ほど前に発生した内田健保組合の財政不足が発端だという。

会社がリーマンショック後、新卒者の採用をしばらくの間大きく減らした一方で、被保険者である社員の平均年齢は上がっていくため、年齢構成のバランスが崩れていったという。保険料収入の減少と加齢と共に医療費などの支出の増加という悪循環となり、財政の改革をしようと保険料をアップした。しかし、積立金が底をついたこともあり、厳しい財政状況を乗り切るためには、生活習慣病のリスク者を減らして健保財政の健全化に繋げる必要があると考え、保健事業の見直しにも着手した。

2013年3月からは、国に先駆けて健康診断と医療機関の診療明細であるレセプトを突合分析するデータヘルス事業に取り組み、重症化予防を行った。

「数字で“見える化”し、原因を特定することが重要だと感じました。ここからデータヘルスの取り組みをスタートさせました。国が始める前からデータヘルスの概念を重要視して、取り組んだことが良かったと思います」と常務理事 津田秀明氏は語る。

「株式会社ミナケア(以下、ミナケア)さんというヘルスケア事業者と協力し、健康診断の結果と医療機関の診療明細であるレセプトの結果を突合してデータ分析を行い、内田健保組合加入者の実態を見える化しました。これにより、生活習慣病のリスクのある人を抽出し、保健師が介入することでリスク者が減少しました。しかし、翌年には、別のリスク者が発生し、同じ人数でもメンバーが変わるだけで、結局リスク者数は変わらないという『いたちごっこ』が判明しました。そこで、新規リスク者を出さないように、その手前でリスク者を減らしていこうという考えにシフトしました」と事務長 山本小百合氏は説明する。

令和5年度の「データヘルス計画に基づく健康推進の10 Plus 1のプログラム」(「運動」「食事」「女性の健康支援」「メンタルヘルス」「体の痛み改善」「からだチェンジ!プログラム」「健康相談」「若年層健康促進」「予防歯科」「禁煙支援」+「加入者向け情報発信」)(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
令和5年度の「データヘルス計画に基づく健康推進の10 Plus 1のプログラム」(「運動」「食事」「女性の健康支援」「メンタルヘルス」「体の痛み改善」「からだチェンジ!プログラム」「健康相談」「若年層健康促進」「予防歯科」「禁煙支援」+「加入者向け情報発信」)(出典:内田洋行健康保険組合)
健保組合が積極的な攻めの推進へシフト(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
健保組合が積極的な攻めの推進へシフト(出典:内田洋行健康保険組合)

「健保の役割も適用・給付業務だけではなく、積極的に保健事業等を進めてきました。データヘルスやコラボヘルスの推進といった『攻め』の役割に転じてきています」と山本氏。

ICTを活用したポピュレーションアプローチ

ポピュレーションアプローチを進めるにあたっては、加入事業所の経営者にプレゼンテーションを実施し、イベントへの参加を呼び掛けた。その結果、ボールエクササイズでは、全体で4,000名ほどいた社員のうち、約1/4が参加するという好結果が得られた。経営者に医療費の実情や健康課題を数字で“見える化”することは重要だという。経営者がやる気を出せば、担当者も動きやすくなり、経営者の参加で、社員を大事にしている雰囲気が伝わるという。

「健康経営の進捗や健康診断受診率などを各会社に併せて説明する機会を設けています。コロナ前は、専門の有識者による健康施策の情報提供や各種保健事業の情報共有の場として、グループ゚会社の経営層や保健事業担当者、社員の方等を招き、オンライン参加も含めた集合イベント『UCHIDA健康会議』として開催していました」と津田氏。

ウチダテクノ社エクササイズの様子(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
ウチダテクノ社エクササイズの様子
(出典:内田洋行健康保険組合)
ナック社 ラジオ体操(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
ナック社 ラジオ体操
(出典:内田洋行健康保険組合)
内田洋行グローバル社の健康に向けての講義(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
内田洋行グローバル社の健康に向けての講義
(出典:内田洋行健康保険組合)
2019年に開催された「第5回 UCHIDA健康会議」の様子(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
2019年に開催された「第5回 UCHIDA健康会議」の様子
(出典:内田洋行健康保険組合)
ポピュレーションアプローチの12施策(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
ポピュレーションアプローチの12施策
(出典:内田洋行健康保険組合)
コロナ禍前は、集合型セミナーとして「お弁当セミナー」を開催。5色の食材が含まれているセブンイレブンのセブンミール弁当を食べながら、「5色バランス健康法」の講義を聞き、その場で体験するセミナー(左)。右は食生活改善動画の配信回数(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
コロナ禍前は、集合型セミナーとして「お弁当セミナー」を開催。5色の食材が含まれているセブンイレブンのセブンミール弁当を食べながら、「5色バランス健康法」の講義を聞き、その場で体験するセミナー(左)。右は食生活改善動画の配信回数(出典:内田洋行健康保険組合)
アプリを使って、「女性の健康」をテーマに6回コンテンツを学習(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
アプリを使って、「女性の健康」をテーマに6回コンテンツを学習
(出典:内田洋行健康保険組合)

WEB型健康マイページでは、5年間の健診結果の閲覧や医療費通知、ジェネリック医薬品の確認ができるほか、ストレッチの動画などもいつでもどこでも見ることが可能な健康に関する情報を提供している。ホームページと機関誌「けんぽだより(5月・11月の年2回)」、「UCHIDA元気情報(月1~2回配信メルマガ)」により情報発信を行っている。

「多様な情報発信により、様々な世代の方達へリーチを高めていきたいと思っています。メール配信についても工夫をこらして、その時の季節にあったもの、ふと見た時にためになる情報を月1~2回送付しています」と保健師の眞野満知子氏と保健事業担当 大沢枝里子氏。

WEB型健康マイページ(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
WEB型健康マイページ
(出典:内田洋行健康保険組合)

新型コロナの感染拡大により在宅勤務が増えた結果、「体重増加が気になる」、「間食が増えた」という声や、「睡眠不足」「運動不足」「座りっぱなしからくる腰痛」などの現状から、食生活・運動・睡眠などの生活習慣の見直しを目的として、2021年から健康アプリ「カロママプラス」を無料提供。「長期間継続活用するには、きめ細やかなフォローが大切だと思います」と保健事業担当の楢崎智子氏はいう。着任したばかりの保健事業担当 清水昌子氏も「利用者にどんな傾向があるのか、様々な実績をもとに新しい提案をしていきたい」と語る。

「カロママプラス」などアプリを活用しての生活習慣改善(出典:内田洋行健康保険組合) イメージ
「カロママプラス」などアプリを活用しての生活習慣改善
(出典:内田洋行健康保険組合)

これらの取り組みにより、厚生労働省による健康保険組合の健康成績表である健康スコアリングレポートでは、2022年度、特定健診・特定保健指導で最高ランクを獲得。経済産業省の健康経営優良法人にはグループ会社19社のうち10社が、厚労省、健保連「健康企業宣言」「銀の認定証」には、12社が選ばれている。また、健保組合へのインセンティブの仕組みである加算減算制度において、後期高齢者支援金の減算対象健保として、全1400組合中2019年度に上位9位、2020年度には上位30位、2021年度には上位39位に、3年連続で選出された。

「健康保険組合の役割を、今迄の適用・給付を中心とした業務の遂行に加え、今では積極的にデータヘルスを進めて、事業主のみなさんとのコラボヘルス推進という形に変わってきました」(山本氏)

内田健保組合には保健師が在籍していることも非常に効果的だという。

「データヘルスや見える化だけでも進まない、実際に保健師から声がけすることで、医療の面から適切なアドバイスができます。データと、保健師からの実際のアプローチの両輪が必要です。保健師の存在は本当に重要です」(山本氏)

現在では、19のグループ会社のうち、16社が健康経営に携わっているという。

津田氏も、「健康経営が順調に進んでいる理由として、事業所担当者との連携が大きい」と話す。また、保健指導と絡めながらICTの利用などを推奨すると利用促進につながるという。津田氏も、「健康経営が順調に進んでいる理由として、事業所担当者との連携が大きい」と話す。また、保健指導と絡めながらICTの利用などを推奨すると利用促進につながるという。

今後の展開としては、健保組合として被保険者やそのご家族の健康も共に増進。8割という被扶養者の健康診断受診率をさらに伸ばすため(被保険者の受診率は99.5%)、残り2割の方の未受診理由、受診勧奨施策を探りながら、さらに高める取り組みを行うほか、これまで試行錯誤で行ってきたさまざまな施策の効果測定を進めていくという。

被保険者とそのご家族の健康増進のため、重症化予防(ハイリスクアプローチ)とポピュレーションアプローチの観点で、事業所の皆さまと連携して更に進化していくという。

健康経営にICTや様々なデータを分析しながら先進的に取り組む健康保険組合の姿は、各企業の社員にとっては嬉しい存在だ。働き続けることは健康でいられることである。もっとも重視されるべき経営戦略だ。それを支援する内田洋行健保の取り組みは今後も目が離せない。

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