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#AI #DX #働き方改革 #コスト削減

生成AI日向市モデルとは

2023年11月6日

宮崎県日向市とソフトバンクは、2023年の2月、「日向市DX推進計画」の推進に向けた包括連携協定を締結した。両者はこの協定締結を機に、双方の資源を最大限に活用することによって、デジタル技術を活用した市民サービスの向上をはじめ、庁内業務DX化による業務改善や地域デジタル化による社会課題の解決を図る事業を展開する。

この協定に基づきソフトバンクは、今年の4月から、日向市に常駐の最高情報統括責任者補佐官(CIO補佐官)を配置し、DXを支援している。

さらに両者は2023年7月28日、生成AIの業務活用の実用化について、共同研究を目的とする覚書も締結した。共同研究は「Microsoft Azure OpenAI」を活用することで、市民サービスの向上と庁舎内の業務改善を進めていく事を目的としている。

生成AIの業務活用の実用化についての共同研究概要 イメージ
生成AIの業務活用の実用化についての共同研究概要

ソフトバンクが「Microsoft Azure OpenAI」の活用に向けた共同研究を行う自治体として、日向市が国内初の事例で、ソフトバンクは、このモデルをベースに全国の他の自治体に向けてサービス展開を推進していく予定だ。

2022年2月~2026年3月までの期間を対象にした「日向市DX推進計画」では、住民サービスの向上や職員の働き方改革を目標にしている。

住民サービスの向上では、各種申請や施設予約などの行政手続について、スマートフォンなどを利用していつでもインターネット上で実施できるようにし、税や手数料、使用料などの公共料金も、QRコードや電子マネーなどにより、キャッシュレスで支払うことを可能にする。

また、市民と行政間の通知や相談などはSNS等を利用して、簡単にコミュニケーションがとれるようにしていくことを目指す。

一方、職員の働き方改革では、税や福祉、住民情報などの基幹システムを国のクラウド環境を利用した標準化仕様に対応することで、法改正などによるシステムのメンテナンス作業の軽減や費用抑止を実現する。また、入力などの単純作業等のRPA化や高度な判断業務のAI活用により、職員の作業時間を削減する。さらに、ペーパーレスを推進し、電子決裁やテレワーク、WEB会議などを活用した時間や場所を限定しない効率的で働きやすい環境を目指している。

日向市のDX推進計画の取り組み イメージ
日向市のDX推進計画の取り組み

10月5日には、Softbank World 2023の中で、日向市市長 十屋幸平氏は、「日向市DX推進計画」では、年間1.8億円のコスト削減を目指していると語った。このコスト削減は、600人いる職員が一人1日20分の残業時間を短縮することによって達成できるという。

日向市はDXにより年間1.8億円のコスト削減を目指す イメージ
日向市はDXにより年間1.8億円のコスト削減を目指す

「市役所に来るといろいろな書類を書き、たらい回しにされる。そういうことがないように、オンライン申請ができる状況を作っていきたいと思っています。また、市役所は忙しく、時間外や休日出勤がかなりあります。これを業務の効率化によって、ワークライフバランスを図れるようにしたいと思っています」(日向市市長 十屋幸平氏、10月5日、Softbank World 2023にて)

日向市市長 十屋幸平氏 イメージ
日向市市長 十屋幸平氏

同市では、STEP1として、議会答弁、議事録、あいさつ文、広報紙などにおいて「Microsoft Azure OpenAI」を活用。今年の12月から2ヵ月のPoC(Proof of Concept:概念実証)をスタートさせる。

「生成AIを活用して、議会での答弁書を作ったり、業務の中でのいろいろな文章を作成する際に、生成AIを活用しながらやっていきたいと思っています」(日向市市長 十屋幸平氏、10月5日、Softbank World 2023にて)

議会対応における生成AIの活用について、10月5日、Softbank World 2023の講演でソフトバンク 公共事業推進本部 本部長 柏木 陸照氏は「議会対応は、ただのQ&Aだと思うかもしれませんが、民間企業というと経営会議、いわゆる意思決定機関です。議会対応に年の半分ぐらい管理職が忙殺されており、この部分の生産性向上は、圧倒的に市役所業務のレベルアップにつながっていきます」と語った。

ソフトバンク 公共事業推進本部 本部長 柏木 陸照氏 イメージ
ソフトバンク 公共事業推進本部 本部長 柏木 陸照氏

そして、日向市は来季以降、STEP2としてLINEを活用した市民との双方向での情報交換ができるように取り組んでいく。

「災害があったときに、双方向でLINEを使って情報共有していくことや、市民のみなさんとわれわれが同じ情報を共有しながら、市を発展させていくということも非常に大事だと思っています。それには、セキュアな環境の構築、個人情報などの厳格に守らなければいけない情報はAIには入れない、生成AIでできた文章は、すべてが正しいという認識を持たないようにやらなければいけない。そういうところにしっかりと取り組みながら、市民の皆さんのための市民サービスの向上に向けて取り組んでいきたいと思っています」(日向市市長 十屋幸平氏、10月5日、Softbank World 2023にて)

10月5日、Softbank World 2023の講演には、共同研究に「Microsoft Azure OpenAI」を提供する日本マイクロソフトから、自治体営業本部 本部長 桐戸優作氏が参加。

同氏は、生成AIの行政における活用領域として、各種相談や苦情対応、政策文書やレポートのドキュメント要約、政策提言、報告書、答弁書などのドキュメント生成、各種問い合わせの自然言語検索などがあるとした。

公共領域における生成AIの活用用途 イメージ
公共領域における生成AIの活用用途

神戸市は、今年の6月、ChatGPTをはじめとする生成AIに関する条例を全国に先駆けて制定。この条例に基づき、安全性の確認を経て、「Azure OpenAI Service」を活用した神戸市独自の利用環境を構築し、試行利用を行う。

東京都も今年の6月、東京都職員向けに、効果的な活用事例を掲載し、職員が新しい技術を正しく使いこなすことで、行政サービスの質を高め、都政のQOS(Quality of service)向上へとつなげていくための、生成AIの利活用に関するガイドラインを策定した。

東京都の生成AIの利活用に関するガイドライン イメージ
東京都の生成AIの利活用に関するガイドライン

大阪市も今年の9月、大阪市生成AIの利用ガイドライン(共同検証用)を定めている、

「加速度的なスピードで政府、自治体のみなさんが適応を議論されているというのが、今の状況だと思っています」(桐戸優作氏、10月5日、Softbank World 2023にて)

日本マイクロソフト 自治体営業本部 本部長 桐戸優作氏 イメージ
日本マイクロソフト 自治体営業本部 本部長 桐戸優作氏

OpenAIからは、無料版のChatGPTも提供されているが、こちらと「Azure OpenAI Service」との違いについて桐戸氏は「責任あるAIとして、倫理などは外さないAI、そして法人や自治体が使っても大丈夫なセキュリティレベル、SLAサービス品質を一定保証し、エンタープライズクラスが使える生成AIとしてAzure OpenAIを提案しています」と説明した。

無料のCharGPTと「Azure OpenAI Service」との違い イメージ
無料のCharGPTと「Azure OpenAI Service」との違い

マイクロソフトでは、Word、PowerPoint、Excel等々でも生成AIの機能を使える「Microsoft 365 Copilot」を11月から一般公開する予定で、日向市も、今後、活用していくという。

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