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環境先進都市の具現化に向け、
まちづくりへのIOWN導入がスタート

2024年1月15日

NTTグループは、2030年の実現をめざし、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network:アイオン)の研究開発を進めている。昨年くらいから、初のIOWNのサービスや先行導入事例も発表されている。ここでは、IOWNの最新の動向を紹介する。

IOWN構想とは、光を中心とした革新的技術を活用した高速大容量通信、低遅延、低消費電力を兼ね備えた、ネットワーク・情報処理基盤の構想のことだ。

I IOWN構想の機能構成イメージ(出典:日本電信電話) イメージ
I IOWN構想の機能構成イメージ
(出典:日本電信電話)

NTT東西がIOWNの実現に向けて初の商用サービスを提供開始

NTT東日本とNTT西日本は、IOWNの実現に向けた初めての商用サービスとして、通信ネットワークの全区間で光波長を専有するオールフォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、以下、APN) 「IOWN1.0」を、2023年3月16日に提供を開始した。また、APN IOWN1.0上での遅延の可視化と遅延調整機能を備えた端末装置「OTN Anywhere」も販売を開始した。

OTN Anywhere(オーティーエヌ?エニウェア)(出典:日本電信電話) イメージ
OTN Anywhere(オーティーエヌ?エニウェア)
(出典:日本電信電話)

オールフォトニクス・ネットワークは、ネットワークから端末まで、すべてにフォトニクス(光)ベースの技術を導入し、「高速・大容量」「低遅延・ゆらぎゼロ」を実現する。また、端末装置であるOTN Anywhereと組み合わせることで、「遅延の可視化・調整」を実現する。

両社はAPN IOWN1.0のネットワークサービスとして、「高速広帯域アクセスサービス powered by IOWN」を新たに提供している。帯域は、100Gbpsで、月額料金は198万円(税込)だ。

APN IOWN1.0のネットワークサービスのイメージ(出典:日本電信電話) イメージ
APN IOWN1.0のネットワークサービスのイメージ
(出典:日本電信電話)

APN IOWN1.0は遠隔合奏や遠隔レッスン、eスポーツ、リモートプロダクションや実験計測機など機器の遠隔操作、データセンター間の緊密な連携などでの活用が期待されている。

NTTコムウェアが「XR卓球」のデモ

2023年6月に千葉県の幕張メッセで開催された「Interop Tokyo 2023」では、IOWNデモンストレーションの1つとして、NTTコムウェアがNTT持株 研究企画部門 IOWN推進室と連携して実装した「XR卓球」を初公開した。

Interop Tokyo 2023での「XR卓球」のデモの様子(出典:NTTコムウェア) イメージ
Interop Tokyo 2023での「XR卓球」のデモの様子
(出典:NTTコムウェア)

NTTコムウェアが技術提供を行ったXR卓球は、APNの特性を活かして高速な卓球の動作情報を相互に遅延なくやり取りする。相手プレイヤーの様子を4K映像で送受信することで、遠隔地間でのプレイを仮想空間上で実現し、第三者にも視聴可能にする試みだ。IOWNのユースケースの1つとして実証を行ってきたもので、高い臨場感とインタラクティブ性を追求した。

「XR卓球」の概要(出典:NTTコムウェア) イメージ
「XR卓球」の概要
(出典:NTTコムウェア)

当日は、幕張メッセ~NEC我孫子ビル間(芯線長約100Km)をAPNで接続しデモを実施した。デモステージ来場者は3日間トータルで約6,000名と、IOWNへの期待の高さを実感したという。

東急不動産が渋谷のまちづくりにIOWNを先行導入

東急不動産とNTT東日本は、日本電信電話やIOWN構想に関連した技術・サービスなどを活用した新たなまちづくりに向けた協業に2023年6月7日に合意した。まちづくり分野へのIOWNサービスの導入・活用は、世界初だという。

この協業において、各社は、環境問題をはじめとする社会課題の解決に向けて、先端的な利便性とサステナブルを両立した、環境にやさしいまちの実現をめざす。

協業の第一ステップとして、渋谷駅から半径2.5kmのエリアでの東急不動産が取り組むまちづくりにおいて、IOWNサービスを先行導入する。これにより、先端的な価値を創出する環境先進都市のさまざまなモデルケースを作り、次世代社会らしい利便性の享受と環境負荷低減の両立をめざしていく。

具体的には、IOWNサービスによって消費電力を削減することで環境負荷の小さいエリアに変えていくだけではなく、次世代的な価値を提供する社会実装フィールドとして捉え、今後、IOWN サービスが進化していくステップに合わせて、新たな価値の提供に取り組む。そして、これらの取り組みを通じて、自分らしく働き、多様なエンターテイメントを楽しみ、刺激と憩いの溢れる便利なまちに住むといった、「職・住・遊」を融合した環境にやさしい渋谷型都市ライフの実現をめざしていく。

利用シーンイメージとしては、「働く場所に縛られない次世代オフィステナント」、「最新技術の粋を凝らした次世代商業フロア」、「次世代サービスが身近になった暮らし」の3つが提示されている。

次世代オフィステナントでは、複数オフィスの拠点間をIOWNサービスでつなぎ、高画質かつ大画面で互いの会議室を投影しながら、まるで対面しているかのようなオンラインミーティングを可能にし、商品の質感を詳細に確認できるようにする。また、AI等の大容量データの活用がしやすくなるため、多言語のミーティングにおいてもお互いの発言がリアルタイムで自動翻訳されることなどが期待されるという。

「働く場所に縛られない次世代オフィステナント」のイメージ(出典:日本電信電話) イメージ
「働く場所に縛られない次世代オフィステナント」のイメージ
(出典:日本電信電話)

次世代商業フロアでは、IOWNサービスをサービスセンター等の拠点と多拠点との大容量リアルタイム通信の手段として活用することで、商業施設内にさまざまなロボット・デバイスを配置。その結果、遠隔地から温かみのある接客を可能にした自動翻訳付きリモートコンシェルジュやリアル着せ替えカメラなど、次世代の商業施設体験が味わえるようになるという。

次世代商業フロアのイメージ(出典:日本電信電話) イメージ
次世代商業フロアのイメージ
(出典:日本電信電話)

「次世代サービスが身近になった暮らし」では、拠点間を大きなスクリーンで繋ぎ、スマートジムなど、渋谷での生活を便利で充実したものにする次世代サービスを、身近な施設で気軽に体験することができるようにする。

スマートジムのイメージ(出典:日本電信電話) イメージ
スマートジムのイメージ
(出典:日本電信電話)

さらに、2023年11月以降には、これらに先駆けて、「Shibuya Sakura Stage」における東急不動産所有区画へのAPN IOWN1.0を導入。オフィスフロア及びイベントスペースに対して、APN IOWN1.0を活用した、高速かつ低遅延な通信環境を提供するとともに、今後、広域渋谷圏に対して、ネットワークに限らず、更なるIOWNサービスについても、先行的に世界初の導入を検討していくという。

「Shibuya Sakura Stage」外観イメージ(出典:東急不動産) イメージ
「Shibuya Sakura Stage」外観イメージ
(出典:東急不動産)

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