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#スマートシティ#5G#センサー#人流

竹芝から始まる
スマート東京の未来

2022年07月08日

東京都では、デジタルの力で東京のポテンシャルを引き出す「スマート東京」の実現に向け、5GやAI、地域に密着したリアルタイムデータの活用などを推進している。2020年7月には、その先行実施エリアとして、「竹芝エリア」、「大丸有エリア」、「豊洲エリア」の3ヵ所が採択され、自動運転や人流の分析など先端テクノロジーの実装や実証実験が進んでいる。先行実施エリアの一つ「竹芝」には、2020年にソフトバンクが本社を移転し、テクノロジーを街全体で活用するスマートシティのモデルケースの構築に取組んでいる。同社を中心にした、竹芝エリアにおけるスマートシティの状況を追った。

ソフトバンク本社を中核としたスマートシティプロジェクト

竹芝エリアは、リニア中央新幹線の始発駅となる品川からも近く、羽田空港からのモノレールの終点である浜松町駅から徒歩圏内にある。このような地の利を活かし、竹芝エリアを国際ビジネス拠点にすることを目指したスマートシティ構想が、東急不動産とソフトバンクが中心となって取り組む「Smart City Takeshiba(スマートシティ竹芝)」だ。このような構想に先立つ2015年には、竹芝エリアは国家戦略特別区域計画の特定事業として内閣総理大臣からの認定を受けており、デジタルやコンテンツ産業の集積を目指した取組みが始まっていた。「スマートシティ竹芝」構想は、このような取組みをさらに加速させるものだ。

竹芝スマートシティ構想(出典:ソフトバンクプレスリリース) イメージ
竹芝スマートシティ構想
(出典:ソフトバンクプレスリリース)

このスマートシティ構想の中核にあるのが、ソフトバンクが本社を構える東京ポートシティ竹芝だ。2020年9月に開業した同ビルには、全館に5Gネットワークが完備され、1300以上のセンサーやカメラ、Wi-Fi接続機器、ビーコンなどで建物を丸ごとセンシングし、様々なデータをリアルタイムで収集、解析している。東急不動産のオフィス開発・運営のノウハウと、ソフトバンクが有するテクノロジーが組み合わさることで、来館者、テナント、管理運営全員にメリットのある情報の提供が実現した。

収集されたデータが、ビルの快適な利用をサポート

例えば、店舗やトイレ、テラス、エレベーターなどの混雑状況を利用者に提供するサービスだ。なかでも、トイレには大量のセンサーが設置されており、扉の開閉センサーで館内全てのトイレの空き状況をリアルタイムに把握することができる。また、30分以上個室に入ったままの利用者が居た場合、防災センターにアラートが送られる仕組みになっているという。

また、AIカメラに映った人数から飲食店の混雑率を計算し、飲食店の空席情報をビル内のデジタルサイネージ上に配信する。さらに、ソフトバンクが出資している米VANTIQの開発プラットフォームを使えば、アプリ、センサー、APIなどからデータを取り込み、それらをもとにノーコード(ソースコードの記述をせずにアプリケーションやWebサービスを開発する手法)でアプリを開発できるという。例えば、「雨の日に空席率が80%を超えていたら、クーポンを配信する」というような仕組みを、飲食店側で開発できるのだ。

屋外のテラス席には、混雑状況を確認するためのカメラに加えて、温度や湿度センサーも設置されている。そのため、外のスペースで仕事や休憩をしようとするときに、上着を持っていくか、傘が必要か、など迷う心配がない。館内のごみ箱には、超音波センサーが設置されている。蓋の裏側のセンサーが容量を検知し、施設管理システムに状況を送信する仕組みで、清掃業務を効率化する。

配信画面のイメージ(出展:東急不動産プレスリリース) イメージ
配信画面のイメージ
(出展:東急不動産プレスリリース)

利便性を高めるシステムのみならず、防犯カメラが不審者と検知し、その写真を近くにいる警備員に通知するような、安心・安全を実現するためのシステムも導入されている。要注意者検知・侵入検知システムは、管理スタッフのチャットツールと連携しているため、リアルタイムで情報の連携と異常事態への対応が可能だ。

スマートシティ実装に向けたポイント

このようなサービスは、利用者に使ってもらわなければ意味がない。スマートシティの実現に取り組む企業や自治体は、アプリやSNS、ウェブサイト、広報誌などを活用して情報発信に取り組むが、様々な情報があちこちに分散していると使いにくい。より多くの人に使ってもらうためには、多くの人が日常的に使用するアプリを介して情報やサービスを提供することが有効だ。

ソフトバンクは、「LINE」や「Yahoo!」、「PayPay」など、生活者に浸透したサービスをグループ内に所有している。エンドユーザーへの接点を数多く有することが、ソフトバンクが実現しようとするスマートシティ構想の強みといえるだろう。

本社ビルのスマート化から地区のスマート化、そして他都市との連携も視野に

東京ポートシティ竹芝では、コンビニの商品を自動走行ロボットで配送する仕組みなど、 新たな取組みが次々に実装されている。このように、様々なソリューションがすでに実装されている竹芝エリアだが、これは、スマートシティ構想の第一歩目、「スマートシティ竹芝1.0」に過ぎない。ソフトバンクでは、今後、「スマートシティ竹芝2.0」として、竹芝エリア全域にモビリティや防災など、生活に便利なソリューションを展開し、さらに「スマートシティ竹芝 3.0」として、他都市との連携を目指すという。スマート東京の先行実施エリアとして、5Gやデータの活用などのモデルケースの構築が進む竹芝エリアの動きには、今後も注目だ。

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