カタールワールドカップでも期待されるエンタメ業界でのメタバース活用 イメージ
#メタバース#VR#社員研修#イベント

社員教育や社員研修でも効果を発揮する
メタバース活用

2022年11月21日NEW

メタバースの活用は、さまざまな分野に広がろうとしている。最近になって注目されているのが、企業における社員教育や社内交流会などでのメタバース活用だ。例えば、新入社員ならば入社後2カ月くらいは、業務の進め方や顧客への対応の仕方など、社内におけるさまざまな決まり事を研修で学ぶことが多い。そういった研修にメタバースを活用する、デジタル研修を導入する企業も出てきた。

社員研修などでメタバースを活用するメリットは

社員研修は新入社員にとって重要な業務の1つだが、中小規模の企業では社外の研修施設を借りたり、現役社員が講師として拘束されたりと、コストや業務効率が圧迫されることも多い。そういった研修をメタバースで行えれば、HMD(ヘッドマウントディスプレー)の購入やシステム利用などの投資はかかるものの、継続して社外の施設を借りて行うよりも施設利用費や交通費などが節約できる。

企業が新入社員の研修にメタバースを活用する、もう1つの大きな理由が臨場感だ。HMDを使って3次元の仮想空間に参加すれば、身振り手振りなどでアバターを動かしながら、他者とコミュニケーションをとることになる。それが、画面越しのオンライン会議よりもはるかに臨場感ある環境を作り出し、相互の関係性が深まって社員間やチーム同士の連携が強まることにつながる。

また、社員がメタバースでのコミュニケーションに対して抵抗がなくなれば、別々の拠点で働く者同士の協働作業もやりやすくなるので、新入社員だけでなく現役社員にもメタバースを活用する研修は有効だ。

以下では、実際にメタバースを新入社員研修や社内イベントなどに活用している企業の事例を見てみよう。

新入社員研修をメタバースで実施

凸版印刷は、新型コロナウイルスによる社内外への感染拡大抑止と従業員の安全確保のため、2020年から新入社員研修をすべてオンラインで実施している。これまではWeb会議システムなどを使っていたが、2022年度からメタバースを使った研修を新たに導入し、約450人の新入社員が研修を受けた。

研修では、同社のバーチャルショッピングモールアプリ「メタパ」をカスタマイズして導入し、メタバース上に新入社員同士の交流が促進できる場を用意。そこでは会話する相手を自由に選び、一定の距離まで近寄らないと音声が聞こえないなど、リアルの場での会話のような物理的距離感を体感しながらコミュニケーションがとれる。また、新入社員同士だけではなく、先輩社員(トレーナー)とのコミュニケーションの場としても活用。これによって、コロナ禍の入社における新入社員の不安を払拭する、手厚いサポート体制もメタバース上で整備していく。

さらに、従来から福利厚生などに活用している同社のアプリ「たまると」と組み合わせ、良好なコンディション(心身の健康状態)を維持・管理させる教育も強化。ポイント付与やインセンティブとの交換機能を組込み、社員同士でメッセージを添えてポイントを送り合うことなどを推奨し、コミュニケーションの活性化を図ろうとしている。

(図1)凸版印刷が2022年度の新入社員研修で導入したメタバース上のプラットフォームと(右)コンディションアプリのイメージ(出典:凸版印刷のWebページより) イメージ
(図1)凸版印刷が2022年度の新入社員研修で導入したメタバース上のプラットフォームと(右)コンディションアプリのイメージ
(出典:凸版印刷のWebページより)

メタバースを活用した社員向けイベントでアンケート調査を実施

PwCコンサルティングでは、2022年6月27日から29日の3日間にわたり、「社員を対象としたメタバースの実証実験」と位置づけた、メタバースによる社員向けイベントを開催した。イベントの目的は、「会社の3ヵ年計画およびビジネス戦略を社員に浸透させること」「メタバースが働き方や仕事にどのような影響を与えるのかについてのインサイトを得ること」「メタバースという先進のテクノロジーを先んじて体験することで論点や課題を整理し、コンサルティング活動に生かすこと」の3つ。

イベントでは、パソコンやスマートフォン、タブレット、VRゴーグルなどのマルチデバイスを使い、社内の施策などを伝える「講演」系、およびお笑いや音楽といった「エンターテインメント」系で計23個のプログラムを実施。延べ参加人数は約8,800名(ユニーク参加人数は約1,500名)となった。また、メタバース上でのイベントに対するハードルを下げるため、アバター同士がビールを酌み交わすといった遊びの要素も用意した。

PWCコンサルティングでは、不参加者を含む628人の社員に対してアンケートを行っている。質問項目は4つで、「メタバースイベントの体験価値」に関する質問では、VRを活用したイベントへの再参加意識は高く、体験自体の評価では「リアル>VR>オンライン」の順に高くなっていた。そして、メタバース体験をした参加者の方が、社内戦略の理解度が高いという評価になった。

「社員エンゲージメントへの副次的効果」に関する質問では、VRゴーグル体験者のイベント体験後の「会社・経営陣への好感度」が高くなった。一方で、「メタバース導入に関する課題や障壁」に関する質問では、4人に1人がVR酔いを体験し、VRゴーグルのセットアップに約半数のユーザーが不満を持つという結果になった。また、今回VRゴーグルは希望者へ無償貸与されたが、入手を希望しなかった社員の理由として、「個人情報の共有や連携が不安」という声もあった。

そして、「メタバースの今後の可能性」に関する質問では、VRゴーグルを使用した参加者の方が今後の仕事に好影響を与えると感じており、メタバース体験によって活用イメージが創発するとの結果を確認したという。具体的な影響として、「海外を含めてバーチャルな共同作業・共創が可能になることへの期待」や「VRを用いることでの社会課題解決の可能性」などが挙げられており、多数の事業領域での活用イメージが湧いたという結果を確認している。

(図2)PWCコンサルティングが行ったメタバースの社内イベントの様子(出典:PWCコンサルティングのWebページより) イメージ
(図2)PWCコンサルティングが行ったメタバースの社内イベントの様子
(出典:PWCコンサルティングのWebページより)

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