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ロボットを活用したDXが期待される
日本の建築・建設現場

2023年3月27日

少子高齢化に伴う労働力人口の減少により、日本の産業界は慢性的な人材不足に悩まされている。そうした課題を解決すべく、さまざまな産業分野でロボットの活用が進んでいるが、建築・建設業界でも現場における過酷な作業を支援するロボットの導入が進み始めた。実際に日本の建築・建設現場では、どのようにロボットを活用してDXを進めようとしているのだろうか。

現場監督の業務をリモートで行えるソリューション

建築の現場では、作業員だけでなく現場で職人に指示を出したり、工事の進捗管理を担う現場監督の人手も足りていない。現場監督を抱える施工会社にとっては、現場を任せる人材によって品質や工事完成後の粗利に差が出たり、本人だけが知っている現場の情報や知識、ノウハウが社内に蓄積されないなどの課題がある。現場監督にとっても、現場では落ち着いてメールや図面などがチェックできず、顧客や職人からのクレーム対応に追われたり、顧客との打ち合わせができなかったりといった悩みがある。

ログビルドは、現場に行かずに、オフィスや自宅、カフェなどからパソコンやスマホなどを使ってテレワークで現場管理業務が行えるサービスを開発した。そこでは、遠隔操作によってリモート施工管理を実現する、アバターロボット「Log Kun」が活用されている。

Log Kunは場所や有人無人問わず、リアルタイムに現場状況を可視化し、パソコンやスマホ、タブレットから操作して移動でき、写真撮影や現場の職人との音声通話も可能にする。ロボットに装着したタブレットの画面に情報を表示させて施工指示を行うことで、進捗確認や安全管理、品質チェックを遠隔から実施できる。

これらの情報は、監督や設計士、コーディネーターなどもリアルタイムに共有できるので、スタッフ全員で確認しながら工程管理や品質管理を行うことが可能だ。ログビルドはアバターロボット以外にも、VR空間上で遠隔から建設現場の情報を可視化するサービスや、テレカンファレンスで遠隔打ち合わせや遠隔立ち会いを行うサービスも提供している。

(写真1)現場監督の仕事をテレワーク化するアバターロボット(出典:ログビルドのプレスリリース画像) イメージ
(写真1)現場監督の仕事をテレワーク化するアバターロボット
(出典:ログビルドのプレスリリース画像)

建設現場の検査業務をアバターロボットでテレワーク化

建築業界と同様、人材不足に悩む建設業界では、若手を獲得してベテランの経験技能を継承する従来の手法のみでは、現場作業員のスキル不足を補うことは困難だ。例えば、橋梁の建設現場では施工管理の一環として多岐にわたる品質管理業務が行われているが、そこには現場主義が重んじられ、人手による実測が主体となっている。

実際には、現場担当作業員が直接現場に行って実測業務を行っているが、作業員は工事の進捗管理などに加え、測定データの収集、分析、整理、帳票作成などさまざまな業務をこなす必要がある。こうしたことから、建設現場では品質を維持しつつも、生産性を向上させるために時間短縮や工数削減などを可能にする技術開発が求められている。

そこで、川田工業、川田テクノロジーズ、芝浦工業大学は共同で、アバターロボットを活用して建設現場の品質や出来形管理(施工された目的物が、契約条件や発注者の意図を十分満足しているかどうかを確認する管理)業務をテレワーク化するシステムを開発している。

アバターロボットが取得した橋梁の品質・出来形測定データは、クラウドに転送され自動的に帳票化される。その帳票を発注者と共有することで、測定業務のデジタル化やリモート化を図る。これによって、在宅勤務者であっても複数の現場の品質・出来形管理を行うことが可能になる。また発注者の遠隔立ち会いが可能になれば、工事の生産性と品質保証能力をともに高めることができるという。川田工業では、今後建設業界にテレワークを主体とした働き方を定着させ、「デジタル世界の働き手=アバター・パイロット」という職域の確立を目指している。

(写真2)建設現場で多岐に渡る測定業務をテレワーク化するアバターロボット(出典:川田工業、芝浦工業大学、川田テクノロジーズのプレスリリース画像) イメージ
(写真2)建設現場で多岐に渡る測定業務をテレワーク化するアバターロボット
(出典:川田工業、芝浦工業大学、川田テクノロジーズのプレスリリース画像)

人型ロボットを活用して重機の操作取得を短縮

立命館大学発のベンチャーである人機一体が開発を進めているのが、人間の何千倍ものパワーを発揮するロボットを操作し、建設機械などの重機として活用することだ。

現在建設現場で活躍している重機は、左右のレバーを使ってものを運んだり穴を掘ったりするが、操作方法の習得が必要なためマスターするにはそれなりの訓練が必要になる。そこで、人機一体では人型ロボットを重機として活用し、普段人間が行っている動作とほぼ同様の動きで操作することで、操作方法の習得に必要な期間を大幅に短縮させようとしている。

現時点でのロボット技術をもってすれば、人間の何千倍ものパワーを発揮するロボットを作ることはそれほど難しくない。ただ、そうやって作られたロボットを人間と同じ動作で操作するには、ロボットを操作する人間の安全をいかに担保するかが重要だという。巨大なパワーを持つロボットは、誤動作や想定外の操作によって、それを操作する人、あるいは周囲の人に大きな危害を与えるものになりかねないからだ。

この課題を克服するために人機一体では、人間が操作するユニットを「マスター」、ロボットとして実際の作業を行うユニットを「スレーブ」と呼び、それぞれを機械的に分離して操作する技術を開発している。


(動画)2022国際ロボット展で公開された人機一体のロボット
(出典:人機一体のYoutube動画)

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