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東急不動産とソフトバンクが竹芝地区で取り組む「Smart City Takeshiba」 イメージ
#スマートシティ #5G #IoT #防災

東急不動産とソフトバンクが竹芝地区で取り組む
「Smart City Takeshiba」

2023年8月7日

東急不動産とソフトバンクは、最先端のテクノロジーを街全体で活用するスマートシティのモデルケース「Smart City Takeshiba」の構築に取り組んでいる。竹芝地区(東京都港区)で収集した人流データや訪問者の属性データ、道路状況、交通状況、水位などのデータを活用することで、回遊性の向上や混雑の緩和、防災の強化などを実現しようとしている。

両社は、2019年7月9日、東急不動産がエリアマネジメント活動を行う竹芝地区において、都市再生への貢献や産業振興の加速などに向けて、共同で街づくりに取り組むことで合意。
これに基づき両社は、最先端のテクノロジーを街全体で活用するスマートシティの共創を目指し、竹芝地区でデータ活用やスマートビルの構築に取り組むほか、ロボティクスやモビリティ、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)、5G(第5世代移動通信システム)、ドローンなどの幅広い領域でテクノロジーの検証を行っている。

カメラやIoTセンサー情報をリアルタイムで解析

2020年には、ソフトバンクが「東京ポートシティ竹芝」に本社を移転。新本社ビルでは、テラスやフリースペース、その他共用部分などの屋内外に設置されたカメラやIoTセンサーから、温度や湿度、CO2(二酸化炭素)濃度などの環境情報のほか、ビル内や周辺の人流データ、混雑情報などが、ソフトバンクの「IoTプラットフォーム」に収集され、リアルタイムで解析される。

「東京ポートシティ竹芝」(出典:東急不動産) イメージ
「東京ポートシティ竹芝」
(出典:東急不動産)

ビルのテナントには、これらの情報を取得できるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)が提供される。これによりこのビルにオフィスを構える企業は、トイレの空き状況を社内のポータルサイトに掲載したり、エントランス付近の混雑予測から社員に最適な通勤時間を提案したりすることができる。飲食店などは、ビル内外の混雑情報を、割引サービスなどの集客施策の検討に活用できる。具体的には、施設利用者の人数・性別・年代などのデータを飲食テナントに提供。各店舗は集客施策、在庫管理、売上予測などに活用することで「データに基づいたマーケティング」を実現できる。

また、館内約30ヵ所に設置されているデジタルサイネージでは店舗ごとの満席・空席情報をリアルタイムに表示。時間帯や空席率に応じてクーポンを自動配信し、アイドルタイムの集客向上を図ることも可能だ。

飲食店などの混雑情報の提供(出典:ソフトバンク) イメージ
飲食店などの混雑情報の提供
(出典:ソフトバンク)

さらに、本ビル内やテラスの映像解析で不審者や異常な行動が検知された場合、屋内位置情報システムを活用して最も近くにいる警備員に状況を自動で通知する。さらに、動画顔認証システムをセキュリティーシステムと連携させ、社員がICカードなどをゲートにかざすことなくスムーズに入館できるようにしている。

映像解析による不審者や異常な行動の検知(出典:ソフトバンク) イメージ
映像解析による不審者や異常な行動の検知
(出典:ソフトバンク)

ロボットフレンドリーな環境の構築に向け共同研究

昨年の9月には、東急不動産、東急コミュニティー、ソフトバンクおよび日建設計がロボットフレンドリーな環境の構築に向けた共同研究を開始することを発表している。

この共同研究では、東急不動産が管理・運営する東京ポートシティ竹芝オフィスタワーを対象に、ロボットフレンドリーのレベル指標を用いた物理環境の評価を行い、その上で商業フロアやオフィス共用部で清掃、警備、配送ロボットを使用した実証を行う。

施設内におけるロボットの運用上の課題を整理して、施設側やロボット側だけではなく人側の対応も含めて提案・分析することで、それぞれの視点から課題解決に向けた選択肢を示し、施設の状況に応じて合理的にロボフレ化を実現する手法の開発を目指すという。

ロボットフレンドリーな環境の構築に向け共同研究 イメージ

ソフトバンクは2021年に、ソフトバンクの本社が入居する「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」において、自律走行型配送ロボット「RICE(ライス)」を使用してセブン‐イレブンの商品を配送する実証実験を行っている。(出典:セブン‐イレブン・ジャパン、アスラテック、ソフトバンク)

防災力や回遊性をさらに向上する取り組み

さらに東急不動産とソフトバンクは今年の6月、防災力の強化や来訪者の回遊性向上など都市課題の解決に向けた取り組みをさらに拡大することを発表した。

ソフトバンクは、サイロ化された街の防災情報を一つに統合し、街の状況をリアルタイムに把握して情報発信できる防災サービスを開発。また、東急不動産とソフトバンクは、この防災サービスを基に自治体が情報収集を効率化する「統合管理UI」を構築して、豪雨発生時の対応の効率化を検証する実証実験を2022年12月に行った。災害時の情報の収集・発信など複数の作業において所要時間を約50%以上削減できることを検証した。

街の情報を含めて災害時の情報を一元管理できるシステムは、自治体の担当者やエリアマネジメント組織の管理者、施設管理者らが、運営の判断や情報収集、施設から来館者への情報発信などに活用できるという。

リアルタイムデータを活用した防災サービスの導入による防災力の強化(出典:ソフトバンク、東急不動産) イメージ
リアルタイムデータを活用した防災サービスの導入による防災力の強化
(出典:ソフトバンク、東急不動産)

この実証実験を通して機能の改善などを行った上で、竹芝地区の情報を統合管理・発信する防災サービスとして、竹芝エリアマネジメント*が導入する。

また両社は、竹芝地区のデジタルツインを構築し、自治体と施設間の情報連携や来訪者の一時滞在施設への避難、一時滞在施設における入館時の受け入れ対応などの効率化を検証。

自治体や施設管理者から、一時滞在施設の開設情報や満空情報を、「LINE」などを通して帰宅困難者に伝えることで、施設へのスムーズな誘導や受け入れが可能になる。検証では正確性や迅速性、省力性などについて高い評価が得られ、受け入れ対応においては約70%以上の効率化につながるという結果になったという。

今後、検証で得られた結果を踏まえて、自治体や施設管理者、帰宅困難者などがリアルタイムに情報を把握して共通認識を持ち、円滑な避難行動を起こせる環境と仕組みを構築していくという。

回遊性の向上では、竹芝エリアマネジメントと連携し、竹芝地区全体の価値向上に寄与する情報の発信を目的として、9施設に合計20台の可動式サイネージを設置。サイネージには、来訪者の人流データや属性データを取得する機能を搭載したカメラを設置し、来訪者の属性や行動パターンを把握することで各施設の販促に活用する。各施設の情報を相互に発信することで相互送客を促し、来訪者の回遊を高める取り組みを進めている。

サイネージによる回遊性の向上(出典:ソフトバンク、東急不動産) イメージ
サイネージによる回遊性の向上
(出典:ソフトバンク、東急不動産)

さらに、回遊性の向上に向けた取り組みとして、移動手段が不足している竹芝地区でシェアサイクル「HELLO CYCLING」を提供するOpenStreetなどのシェアモビリティ事業者のデータと連携。竹芝エリアマネジメントの「竹芝公式LINE」や東京ポートシティ竹芝のデジタルサイネージに満空情報を表示するなどの取り組みを進めている。

シェアサイクルの利用促進(出典:ソフトバンク、東急不動産) イメージ
シェアサイクルの利用促進
(出典:ソフトバンク、東急不動産)

「LINE」やデジタルサイネージなどで交通手段に関する情報を簡単に確認できることで、異なる交通手段の利用を促進するとともに、竹芝地区の回遊性の向上につながることを目指している。

両社は、今後これらの取り組みで得られた成果を、東急不動産が推進する「広域渋谷圏」をはじめとした新たな都市開発案件や、東急不動産の関連施設へ積極的に導入することで、防災の効率化や街の回遊性向上など都市課題解決の取り組みをさらに拡大していくという。

*一般社団法人 竹芝エリアマネジメント(法人名)

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