ウィズコロナ時代の最新リゾートテック情報

2023年2月13日

ResorTech(リゾートテック)とは「Resort(リゾート)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた言葉である。コロナ禍の今、宿泊業界では、生き残りをかけた対策が必要不可欠となっている。そのような状況下で、「リゾートテック」とも言える、デジタルテクノロジーを活用した新たな取り組みをするホテルが増えてきている。

ホテルのフロント業務における非接触・非対面を実現する「ノータッチステイサービス」

尾道国際ホテルは、尾道市内では最大規模となる500人収容の大宴会場を有するコミュニティホテルとして、ビジネスから観光まで幅広く集客している。ホテル業界は深刻な人材不足の問題を抱えており、フロントの接客に携わるスタッフ、特に夜間のスタッフの確保が難しいのが現状だ。新型コロナウィルスの感染拡大により、接触機会の削減にも取り組む必要性もあり、こうした課題を解決する仕組みとして、尾道国際ホテルでは、「ノータッチステイサービス」を導入した。「ノータッチステイサービス」は、富士通Japanが提供するレセプション業務の非接触・非対面を実現するサービスである。宿泊客はLINEを通じてチェックインやチェックアウト、宿泊代金の決済や宿泊施設へのアンケート回答などを行なうことができる。また、ホテルPMS(Property Management System)と連携できるため、宿泊客のチェックイン・アウトの状況を瞬時に把握することも可能だ。結果的にフロントへの立ち寄りが不要になり、宿泊客、フロントスタッフ双方の感染リスクを低減することができる。尾道国際ホテルでは、スマートフォンの操作が不慣れな顧客層には手厚いサポートを提供しつつ、今後も積極的に「ノータッチステイサービス」を推進していく方針だ。

(出典:富士通Japan Webページより) イメージ
(出典:富士通Japan Webページより)

東急ホテルズがDXで新しいホテル像に挑戦

新型コロナウィルスの感染拡大により、多くの産業が影響を受けたが、なかでも大きな影響を受けたのはホテルのような宿泊業をはじめとするサービス業だろう。そのような中で、今、注目されているのは、DXによるホテル運営の改革だ。国内に45店舗展開している東急ホテルズは、顔認証やQRコードで非対面のチェックインを可能にするNECの「スマートホスピタリティサービス」を、全国39店舗に導入した。このサービスはNECが有する顔認証技術やデジタルID技術を使い、宿泊客が事前に宿泊者情報と顔写真の登録さえ行えば宿泊当日、フロントのタブレット端末へ顔をかざすだけでチェックインができるようになっている。ホテル運営の観点では、最少人数でのホテル運営が可能になり、感染症対策の観点からは、ロビーに人が滞留しなくてすむため安全・安心な空間づくりが可能になる。「スマートホスピタリティサービス」は単に顔認証チェックインを実現するだけではなく、空港やレジャー施設、公共交通機関などエリア全体でスムーズなサービスを生み出していくことを目指している。これまでは施設の種類や空間によってサービスも分断されていたが、サービスエリアが拡大することで、人も空間もすべてが繋がっていく。東急ホテルズのDXに対する取り組みは、ホテルという空間をもっと使い尽くしてもらうためのサービスに挑戦していると言える。

(出典:NECスマートホスピタリティWebページより) イメージ
(出典:NECスマートホスピタリティWebページより)

ホテルタングラムがレジレスの完全無人売店を導入

東急リゾーツ&ステイが運営するホテルタングラムに、2022年12月24日より、レジレス完全無人売店「タングラムスマートストア(24Hレジレスコンビニ)」が導入された。レジ精算が不要な完全無人売店を導入するのは、日本のホテル業界で初の試みだ。従来、売店の営業時間中はスタッフを配置しなければならないため、20時以降や早朝は、営業していなかったが、スキー場併設型のリゾートホテルでは、深夜や早朝にも需要があり、タングラムは、こうした宿泊客の声に応えた形となった。「タングラムスマートストア」は、Cloudpick Japan社の無人デジタル店舗の仕組みを利用している。これまでは、利用の際に専用スマホアプリをダウンロードする必要があったが、今回初めて、専用アプリの代わりにLINEを利用して買い物することが可能となった。利用方法は、まずLINEからQRコードを読み込み、友達登録をする。クレジットカード情報を登録すると、入店用QRコードが発行される。ゲートに入店用QRコードをかざして入店し、商品を手に取り(バックに入れてもOK)、そのままゲートを出れば決済が完了する。Cloudpick Japan社によると、店舗の省人化・省力化により、オペレーションコストの削減、売店業務の生産性向上にも期待できるとのことだ。

宿泊業DX~ ホテル客室タブレット「イータブ・プラスR」

ミライト・ワンでは、宿泊業DXとして、ホテル客室タブレット「 イータブ・プラスR 」を提供している。「 イータブ・プラスR 」は、客室に設置したタブレットで、宿泊客に発信する様々な情報を一元管理することができるサービスである。従来、印刷物を使って行ってきたホテルの施設紹介や観光案内などの他、備品やルームサービスのオーダー、レストランの空き状況の確認、アンケートなどにも利用可能だ。また、 イータブ・プラスR は、接触感染予防策として、客室内のテレビや空調のリモコン、照明スイッチ、備え付けの施設紹介などの印刷物まで、すべてタブレットひとつに集約することができる。既に日本のTOP5ホテル*のうち2ホテルに導入されており、サービス開始以来、累積導入数は10,000台以上に達している。 定期的なコンテンツの更新サポートや、24時間365日対応のコールセンター、タブレットを破損した場合の無償端末補償など、宿泊施設向け機器ならではのサポートサービスも充実しており、感染症対策・業務効率化・環境対策など新しい事業様式をいち早く実現するアイテムとして広がってくことになりそうだ。

* 『週刊ホテルレストラン 2019年11月号 』調べ 総売上高からみた日本のベスト300ホテルより
(出典:ミライト・ワンWebページより) イメージ
(出典:ミライト・ワンWebページより)

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