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#物流 #ドローン #配送 #スマートシティ

ドローン配達の実用化はいつから?
日本の現状や課題、海外事例を紹介

2023年9月19日

2022年12月にドローン飛行レベル4が解禁され、都市部などの有人地域におけるドローン配達の実用化が期待されている。しかし、安全面や運行管理システムなど、ドローン配達にはさまざまな課題が残る。

この記事では、ドローン配達の概要や日本の現状、メリットと課題、海外におけるドローン配達の事例を解説する。

今後、本格的な社会実装が期待されているドローン配達が、どのように進められているか見てみよう。

ドローン配達とは

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ドローン配達とは、小型無人航空機(ドローン)を使った物流サービスのこと。ドローン配達によって、過疎地や離島への物流支援、医薬品の配達、農作物の物流などの地域課題を解決できる。

さらに今後は、次で解説するドローンの「レベル4飛行」が解禁されたことから、都市部でもドローン配達の活発化が期待されている。

日本政府は、地域と連携しながらドローン物流の社会実装を推進するため、ドローンの実証実験を続けている。2023年3月には「ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.4.0」を発表し、ドローン配達における持続可能な事業形態の整理に努めている。

実用化はいつから?日本におけるドローン配達の現状

日本におけるドローン配達は、実用化に向けて実証実験が繰り返されている段階である。そもそもドローン飛行には4段階の飛行レベルがあり、2022年12月にレベル4飛行が解禁された。

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レベル1・2までは、有人地帯におけるドローンの飛行は目視内に限られていた。レベル3では目視外の飛行が可能だが、無人地帯しか飛行できない。しかし、2022年12月に改正航空法が施行され「レベル4飛行」が解禁されたことで、有人地帯でもドローンの自律飛行ができるようになった。

今後、住宅地などの人がいるエリアでも、ドローンの自律飛行ができるようになる。物流各社は2025年の実用化を目指しているが、ドローンの運行管理システム(UTM)はまだ整備されていないなど、懸念点もある。

参考:ドローンのレベル4とは?解禁後に実現できることや4つの課題・実証実験など
ドローン物流は安心・安全なドローン運用から

ドローン配達のメリット

ドローン配達のメリット イメージ

次に、ドローン配達における4つのメリットを見てみよう。

 ● ドライバー不足の解消
 ● 交通渋滞の緩和
 ● 配達時間の短縮
 ● 災害時の物資運搬

ドライバー不足の解消

ドローン配達によって、ドライバー不足の解消が期待できる。少子高齢化や物流の担い手不足だけでなく、ECの普及で宅配ニーズが増加したことを背景に、ドライバー不足が深刻化している。

さらに、2024年4月以降は自動車運転業務の時間外労働に上限規制が生じ、さらなる人手不足が起こる恐れがある。そこで、ドローン配達で無人配送すれば、ドライバーの人手不足を解消すると期待されている。

交通渋滞の緩和

運ぶ荷物の量や回数が増えるとトラック数も増加し、交通渋滞が起こりやすくなる。とくに都市部においては慢性的な交通渋滞が発生しやすく、配達の遅延につながりやすい。

対してドローン配達は、上空を飛行するため交通渋滞とは無関係である。ドローン配達が物流サービスの一部を担えば、物流トラックの走行台数を減らし交通渋滞の緩和につながる。

配達時間の短縮

上空を飛行して荷物を配達するドローンは最短距離で移動できるので、配達時間を短縮できる。

レベル3までの飛行では補助者による監視が必要で、目視外の自律飛行は無人地帯でしか認められていなかった。さらに第三者がドローンの直下にいる場合は、ドローンを一時停止する必要があった。

レベル4飛行では、人がいる都市部でも目視外の自律飛行を実施できるため、配達効率の向上や時間短縮が期待できる。

災害時の物資運搬

災害時に孤立してしまう地域の物資運搬にドローンを活用すれば、迅速な救援活動を行える。

従来は、孤立地域の物資運搬にはヘリコプターが活用されていたが、ドローンは離着陸に必要なスペースがヘリコプターよりも小さく利便性が高い。レベル4飛行の解禁により、今後は物資運搬にドローンの活用が期待されている。

2023年7月、株式会社ミライト・ワンとグループ会社の西部建設株式会社は、小平警察署と小平消防署と「無人航空機(ドローン)に関する包括連携協定」を締結。ドローンのノウハウを小平市に提供し、災害時の支援などを行うことで住みやすい街づくりを推進している。

参考:【株式会社ミライト・ワン/西武建設株式会社】 東京都小平市と「無人航空機の活用に関する包括連携協定」を締結 ~無人航空機を活用し、安全安心で快適な住みやすいまちづくりを推進~|株式会社ミライト・ワン

ドローン配達の課題

続いて、ドローン配達における3つの課題を解説する。

 ● ドローンの破損や衝突の危険性
 ● GPSの精度やバッテリーの課題
 ● 運行管理システム(UTM)が未整備

ドローンの破損や衝突の危険性

ドローンは雨風の影響を受けやすいので、飛行中に破損や墜落の危険性がある。また、飛行中に操作ミスが起こり、人や物にぶつかる恐れもあるだろう。

ドローンの落下などが原因で第三者に損害を与えるリスクがあるため、賠償責任保険への加入が推奨されている。

GPSの精度やバッテリーの課題

個人宅に荷物を配送する場合、GPS(全地球測位システム)の精度が重要となる。位置情報の誤差が大きい場合は、本来の宛先と違う家に届いてしまう恐れがあるからだ。

また、ドローンが何度も飛行を繰り返すと、バッテリーに負荷がかかってしまう。そこで注目されているのが、水素燃料電池の活用である。

株式会社ミライト・ワンは、近畿電機株式会社と「水素燃料電池ドローン」を共同開発し、実証実験を行った。水素燃料電池なら、従来の製品よりも飛行時間を長く伸ばせる。その特性を生かし、今後は広域施設の警備、被災状況の調査、物資輸送などさまざまなシーンで活用が期待されている。

(出典:株式会社ミライト・ワン|「水素燃料電池ドローン」の開発および試験飛行に成功) イメージ
(出典:株式会社ミライト・ワン|「水素燃料電池ドローン」の開発および試験飛行に成功

参考:「水素燃料電池ドローン」の開発および試験飛行に成功|株式会社ミライト・ワン

運行管理システム(UTM)が未整備

ドローンの飛行計画や飛行状況、気象情報を含めて一元管理する「運行管理システム(UTM)」が未整備である点も懸念される。

ドローンのレベル4飛行では、目視外の自律飛行が可能となるため、安全なドローン飛行を確保するためにUTMの整備が欠かせない。

現在、UTMの社会実装に向けて、各地域で実証実験や法整備が推進されている。

海外におけるドローン配達の事例

海外でドローン配達はどのように行われているのだろうか。ここでは3つの海外事例を紹介する。

 ● 中国の深センでドローン宅配を実施
 ● アルファベット傘下のWing(ウィング)社がドローン配送システムを提供
 ● エアロセンスと神戸大学が「世界ドローンコンペ」で優勝

中国の深センでドローン宅配を実施

アジアのシリコンバレーと称される中国南部の深セン市では、大手宅配サービス「美団(メイト・ワン)」がドローンの無人配達を提供している。

同社は都市部の上空120m以下の空域でドローン配達を実施しており、日本のUber Eatsと比較して2倍の配達効率を実現している。

(出典:美団|公式ホームページ) イメージ
(出典:美団|公式ホームページ

アルファベット傘下のWing(ウィング)社がドローン配送システムを提供

Googleの親会社であるアルファベット傘下のWing(ウィング)は、ドローン配送システム「Wing Delivery Network」を提供。

大都市や人口の少ない地域で大量のドローン配送を実施できる自動システムで、荷物の自動集荷、飛行、充電などを効率的に管理する。2024年半ばまでには、数百万件ものドローン配送が実現すると見込んでいる。

(写真3)ウィング・アビエーションの配送用ドローン(出典:ウィング・アビエーションの発表資料より)  イメージ
(写真3)ウィング・アビエーションの配送用ドローン
(出典:ウィング・アビエーションの発表資料より)

なお、Wing(ウィング)社を始めとする海外の事例は、海外で広がるドローン配送サービスでも詳しく紹介している。

エアロセンスと神戸大学が「世界ドローンコンペ」で優勝

クラウドサービスを組み合わせたドローンソリューションを提供するエアロセンス株式会社は、神戸大学と「世界ドローンコンペ」に出場し、最高得点を獲得して優勝を果たした。

世界ドローンコンペでは、災害を想定してドローンを運用し、治療薬の投下や被災者からの文字を上空から判読するなどのミッションが行われた。

参考:エアロセンスと神戸大学、ドローンの災害対応や緊急物資輸送技術を競う ”World Drone Competition”(世界ドローンコンペ)で優勝!|AeroSense

まとめ

まとめ イメージ

ドローン配達が実現することで、ドライバー不足の解消や交通渋滞の緩和など、地域課題の改善が期待されている。

ドローン配達を本格的に社会実装するにはいくつかの課題が残るが、世界各地でドローン宅配の実証実験や実用化が進められている。国内ではレベル4飛行が解禁されたことから、ドローン宅配が当たり前になる未来はそう遠くないだろう。

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