2026年 建設・測量DXを加速するドローン技術最新ニュース
目次
老朽化が進むインフラ点検の高度化に向け、2026年はドローン技術が大きく前進した年となった。JIWの「工程一体化DXモデル」実証や、DJIの次世代LiDAR「Zenmuse L3」、東急建設・KDDIによる測量自動化、さらに新型通信基地局「DJI O4 Ground Station」など、現場課題を直接解決する技術が相次いで登場し、建設・測量DXの実装が本格化している。
JIW、埼玉県下水道共同研究にて、「工程一体化DXモデル」の実証を本格化
株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク(以下、JIW)は2026年8月、埼玉県や複数事業者と共同で進める下水道管路マネジメントシステム研究において 共同で進める下水道管路マネジメントシステム研究において、ドローンを中心技術とした「工程一体化DXモデル」の本格実証を開始した。老朽化が進む下水道インフラでは、点検・診断・更新計画が分断され、情報の連続性が確保できないことが課題となっている。今回のDXモデルは、まず上空からのドローン計測で広域の状況を迅速に把握し、地上の管路データと統合することで、従来の点検では得られなかった"面的な劣化把握"を可能にする点が特徴だ。
ドローンで取得した高精度画像や3Dデータはクラウドに即時連携され、AI解析による劣化兆候の自動抽出や、更新計画への直結が実現する。これにより、自治体は現場確認・資料作成・計画立案の各工程を一体化し、作業負荷を大幅に削減できる。JIWはこのモデルを全国のインフラ点検へ展開する方針を示しており、ドローンを活用した高度な管路マネジメントの標準化に向けた重要な一歩となる。

下水道管路維持管理の「工程一体化DXモデル」
出典:株式会社ジャパン・インフラ・ウェイマーク 2026年8月7日 プレスリリース
DJIがCSPI-EXPO 2026で次世代LiDAR「Zenmuse L3」を紹介
DJIは2026年6月、建設・測量分野の大型展示会「CSPI-EXPO 2026」において、次世代産業用LiDARセンサー「Zenmuse L3」を国内で初めて本格的に紹介した。「Zenmuse L3」は2025年11月に公式発表された新モデルで、従来機L2から大幅に性能を向上させたことから、2026年の測量DXを象徴する注目製品として会場の中心的存在となった。
展示ブースでは、L3の特徴である最大950mの測距性能、16リターン対応による高い植生透過性、そして100MPの高解像度RGBカメラを組み合わせた高精度3Dデータ取得のデモが行われた。特に、複雑地形や森林域での点群密度向上、細い構造物の検出精度の改善など、実務現場での課題を直接解決する性能が来場者の関心を集めた。
また、DJIはMatrice 400シリーズとの組み合わせによる運用例や、DJI Terra・FlightHub 2を用いた一貫した測量ワークフローも紹介し、L3が単なる新型センサーではなく、建設DXの現場実装を支える総合ソリューションとして位置づけられていることを強調した。2025年の発表から半年を経て、2026年はL3の本格導入フェーズに入り、国内の測量・インフラ点検の高度化を後押しする重要な技術として期待が高まっている。

Zenmuse L3
出典:DJI Webサイト
東急建設・KDDI、ドローンポートを活用した測量業務の「完全自動化」に成功
東急建設、KDDI、KDDIスマートドローンの3社は、2026年8月7日、能登半島の災害復旧現場で、ドローンポート「DJI Dock 3」と自動3D点群生成システムを連携させた測量業務の完全自動化に成功したと発表した。2026年5月18〜19日に実施された実証では、遠隔運航による空撮から、撮影データのクラウド自動転送、3D点群生成までの一連の後処理を人手ゼロで完了できることを確認した。従来必要だった画像のPC取り込みや解析ソフトへの手動アップロードなど、最大2時間の作業が不要となり、データ処理工数は約50%削減された。生成された点群は施工管理に十分な精度を持ち、クラウドで即時共有できるため、本社・支店との連携も迅速化する。災害復旧という高難度現場で自動化が成立したことで、建設DXの実装が大きく前進することになる。3社は今後、機能改善と現場導入の拡大を進める方針だ。

自動3次元化機能の概要
出典:KDDI 2026年8月7日 ニュースリリース
DJI、新型基地局「DJI O4 Ground Station」を発表
DJIは2026年7月、ドローン遠隔運航の通信課題を抜本的に解決する新型地上局 「DJI O4 Ground Station」 を正式発表した。従来のドローン運用では、山間部の谷間や都市部の高干渉環境で通信が途切れ、遠隔運航や自動化の実装が難しいという課題があった。「O4 Ground Station」はこのボトルネックを解消するために設計され、最大30〜40kmの長距離通信、高干渉耐性、全天候型の無人運用を実現する。
本機は12アンテナ構成の高ゲインアレイを搭載し、地形や建物による遮蔽に強い安定したリンクを確保。さらにグローバル仕様ではsub-2GHz〜5.8GHzの複数帯域を自動選択するが、日本国内では電波法に準拠し2.4GHz帯での運用となる複数帯域を自動選択し、都市部でも最適な周波数へ切り替える。RTK補正も強化され、複雑地形でも高精度測位を維持できる。IP67の防水防塵、-40〜55℃対応の堅牢設計により、Dock 3やMatrice 400と組み合わせた24時間無人運航インフラとして機能する。
特に日本では、電波法の規定によりO4を通信中継として使う Gateway Mode が中心となり、Dock 3の運用範囲が大幅に拡大し、送電線・河川点検、災害調査など、従来は通信断で運航できなかった領域でも安定した遠隔運航が可能となる。「O4 Ground Station」は、建設DX・公共安全・インフラ点検の現場において2026年以降の"通信インフラの標準装備"として期待される。
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