観光DXについて

2024年7月8日

●観光DXとは
観光DXとは、既存の観光サービスの質を向上したり、課題を解決したりするためにデジタル技術を活用した観光への取り組みのことです。観光庁は、2030年の訪日外国人旅行者を6000万人、旅行消費額15兆円という目標を掲げ、「世界が訪れたくなる日本」の実現に向けて、さまざまな取り組みを行っており、観光DXはその一環と言えます。世界中でオンライン観光が普及している現在、デジタル技術を観光資源と掛け合わせて相乗効果を生み出し、新たな観光コンテンツや観光需要の創出が必要となってきています。近年では、新しい観光体験としてバーチャルツアーを行うなど、様々な方法でデジタル技術を活用した観光が注目を浴びています。

●観光DXの課題
独立行政法人情報処理推進機構が公表している「DX白書2023」によると、DXに一部でも取り組んでいる日本企業は69.3%です。「宿泊業、飲食サービス業」において、DXに取り組んでいる企業の割合は16.4%と他業界に比べても低い水準にとどまっています。観光DXを推進するためには、宿泊や飲食業におけるDXへの取り組み促進が必要といえるでしょう。
DXにはデジタルスキルが不可欠ですが、現在の日本では、スキルを持つ人材の育成・確保を十分にできていないのが現状です。観光DXを推進するためには、人材育成への投資や新たなスキルを習得できる環境の整備、優秀な人材の確保が重要になります。
DXには高度な技術やシステムの導入が必要となり、その費用は高額になることも少なくありません。また、必要に応じて社内研修のような勉強会を実施するには大きな労力がかかります。このように、導入コストや手間がかかることが、多くの企業がDXの実施を見送る原因となっています。

●観光DXで実現できること
観光DXは、観光客の利便性を向上させます。観光DXの推進によって、 観光客は自宅からオンラインで宿泊先を予約することができます。オンラインツアーを利用すれば、実際に現地に行ったかのような旅行体験を味わうことができ、現地スタッフと自宅などにいる観光客をデジタル技術で繋ぐことで、コミュニケーションを取りながらスムーズな観光体験ができます。オンライン決済機能が充実していれば、キャッシュレスで決済できるため、旅行先で余分な現金を持つ必要がなく、観光客は気軽に旅行を楽しむことができます。
観光DXでは、データ分析やAIを活用して観光客の嗜好や行動パターンを把握し、より正確なターゲットマーケティングを行うことができます。特に、マーケティングに必要なのは、位置情報や人流データです。人流データは、観光客のスマートフォンやタブレットなどのデバイスの位置情報、道路の渋滞状況、交通機関の混雑状況、イベント・店舗などの集客などから取得できます。また、SNSの口コミやレビューを元に観光客の声をダイレクトにすくい上げ、改善点を洗い出してマーケティング施策に活用することも可能です。

●まとめ
観光DXは、今後の地域の活性化や経済の活性化に必要不可欠です。しかし、DX推進には、上記のように導入コストやDX人材の育成などの多くの負担や手間がかかります。まずは抱えている課題を明確にし、観光DX推進の具体的な目標や課題を把握することが成功への第一歩です。2024年現在、コロナ禍の影響の落ち着きや円安もあり、外国人観光客も増加傾向にあります。この機会を観光DX施策実施の好機と捉え、新たな体験を観光客に付与し、顧客満足度を向上させることで、新規顧客・リピーター創出に繋げていくことができるでしょう。

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