ロボティクスの最新動向

2025年4月7日

ロボティクスとは

ロボティクスとは、ロボットの制御や設計、製作に関する研究を行う「ロボット工学」のことで、センサー技術、電気工学、構造力学、情報工学など、ロボットの運用に必要とされるさまざまな技術や知見について、総合的に研究を行います。
日本では少子高齢化による人手不足や、労働力確保のための人件費高騰が問題視されており、このような課題に対する具体的な対応策として、近年ロボティクスの注目度は非常に高まっています。ロボットの導入によって人々が直面している課題を解決しようとする取り組みは「ロボティクス化」と呼ばれ、現在は幅広い業界でロボティクス化が進んでいます。これまでロボットの活用は主に生産性向上が目的でしたが、昨今はロボットを介した社会とのネットワーク創出や、遠隔コミュニケーションが可能となりました。このようなロボティクスの活躍範囲拡大や各国の政策的バックアップなどを受け、ロボットの汎用化や量産化は加速傾向にあります。
ロボティクスの導入は、労働力不足の解消、生産性向上、作業品質の安定化、トレーサビリティの向上、危険を伴う業務に対してロボットを有効活用することで従業員の身体的な安全を確保できるなどのメリットがあります。一方で、導入コストがかかる、技術者の確保、トラブルや不具合のリスク、オペレーションの見直しなどのデメリットもあります。

ロボティクスの最新動向

ロボティクスは、現代社会において急速に進化している分野の一つで、産業界、医療分野、家庭用サービスまで、ロボット技術の応用範囲は広がり続けています。
よく知られている例として、ソフトバンクロボティクス社が事業展開を手掛けている「Pepper(ペッパー)」があります。Pepperは感情認識ヒューマノイドロボットで、店舗などで活用されています。
ヒューマノイドロボットとは、2本の腕と2本の脚を持ち、頭部にカメラやセンサーを備え、人間の形状や動作を模倣した人型ロボットのことを指します。人間と同じように動き、表情をつくり、音声でコミュニケーションをとることができるため、教育、物流、医療、製造、サービスなど幅広い分野での活用が期待されています。
教育分野では、子どもたちにプログラミングや科学技術などを教えるための教材として利用され、言語学習やコミュニケーションスキルの向上を目的としたプログラムにも活用されています。
物流分野では、倉庫でのピッキングや荷物の持ち運びだけではなく、配送し、エレベーターに乗って玄関のベルを鳴らし、サインをもらうことまで可能になります。
医療分野では、介護ロボットとして、高齢者や障がい者の介護を支援するために利用されます。また、ヒトの生体構造や臓器や組織の物理特性を再現し、センサーを搭載した人体モデル「バイオニックヒューマノイド」を利用することより、手術シミュレーションやロボットアームの開発が進み、より正確な手術を行うことができるようになります。

出典:科学技術振興機構HPより イメージ
出典:科学技術振興機構HPより

製造業分野では、より柔軟で正確な作業を行うため、自動車や電子機器などの製造ラインで利用されています。
サービス業分野では、ホテルや銀行などの接客業で利用され、荷物の持ち運びから客室の案内、簡単な手続きなど、顧客とのコミュニケーションを人に代わって行うことが期待されています。高齢化社会においては、家庭内でのパーソナルアシスタントとしての需要も高まるでしょう。

ロボティクスの未来

ロボティクス市場は今後ますます拡大すると予測されています。AI技術の進化に伴い、ロボットの性能や機能が飛躍的に向上し、5G技術の進化により、スマートシティでのロボットの活用が一層進むと考えられます。高速通信により、リアルタイムでのロボットの操作やデータ収集が可能となり、新たな市場機会が創出され、新しいサービスが提供されるでしょう。
ヒューマノイドの開発が進むことで、様々な分野で人間に代わりヒューマノイドが活躍し、人間を単純作業や危険作業から解放してくれる可能性がある一方で、ヒューマノイドは人間の仕事を奪うのではないか、という声もあります。
今後ロボティクスが進化するにつれて、本当に人間がすべき事とは何かを考え、人間とロボットが共存する新たな社会システムの構築が求められるでしょう。

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