なぜ通信建設のプロが「わさび」に挑むのか?
自分たちの持つ技術で、地域を元気にしたい。
「東北農業の壁である『冬の栽培困難』や『過酷な労働環境』をテクノロジーで打破したい。その想いから2023年に農場を設立しました」と担当者は説明します。栽培品目に選んだのは、山形の食文化と相性が良い「わさび」。耕作放棄地を活用してICTによる次世代農業を形にすることで、単なる生産に留まらない、地域の課題解決と新たな価値創造を目指しています。「自分たちの持つ技術を農業に転用し、地域を元気にすることが真の狙いです」とチームの想いを語ってくれました。
最先端のスマートハウスが実現する環境制御とは?
約800㎡の専用スマートハウスが、わさびが最も好む環境を再現。
わさび栽培の舞台となるのは、山辺町根際の耕作放棄地に建てられた約800㎡の専用スマートハウスです。ここでは24時間、ICTを活用した環境制御が行われています。「センサーが環境を感知し、遮光・保温カーテン、天窓、換気扇などを自動で制御。さらに灌水や施肥も、わさびが最も好む状態を常に高い精度で再現しています」と、システム管理を担当する株式会社TTKエンジ山形の中村は語ります。
ハウス外観
ハウス内観
環境制御システム画面
ネットワークカメラにより、遠隔地からハウス内の状態把握
ネットワークカメラにより、遠隔地からでもハウス内の様子をリアルタイムで把握できるため、管理の効率化も実現。植物の3大栄養素「N(窒素)・P(リン酸)・K(カリウム)」のバランスをデジタルとアナログの両面から厳密にチェックする日々が続いています。
猛暑と豪雪に阻まれた「山辺わさび」誕生までの道のり
「自動なら楽勝だと思っていた時期もありましたが、現実は甘くなかった」と、同社の鈴木は格闘の日々を振り返ります。定植直後の肥料過多による変色、さらにはハウス内が35℃を超える夏場の猛暑。強烈な日差しによる葉焼けが発生し、自然の猛威を前に立ち尽くすこともありました。
最後の砦は人間。それは"通信建設"と同じ
根わさび
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「自動制御と言いつつ、病害虫を見つけるのは『人間の目』が必要です。冬場の除雪作業は『人間の腰』が頼りでした。スマート農業も、最後は人間の役割が大切だと実感させられました。それは、通信建設と同じだなと気づきました。」と同社の福島は語ります。
そんな数々のトラブルを乗り越え、土の中でじっくり育った『根(根茎)』を確認できた瞬間は、言葉にできない達成感があったそうです。
地元に愛され、ふるさと納税返礼品へ
「山辺わさび」を全国へ。地域と歩む特産品への成長
2024年春から「山辺わさび」として出荷を開始。地元の「食の駅」や「道の駅」だけでなく、旅館の『べに花温泉 ひなの湯』で本わさび御膳として提供されるなど、活用の幅が広がっています。「地道な活動が実を結び、2025年10月からは山辺町のふるさと納税返礼品にも選定されました」とメンバーは笑顔を見せます。出張販売を通じて直接お客様へ魅力を伝える活動も、ファンの拡大につながっています。
現在は加工品開発という「6次産業化」という新たな壁に挑んでいるそう。「加工しても風味や辛みを損なわない、納得のいく商品を必ず届けたい。私たちの『ツーン』と刺激的な挑戦を、ぜひ応援してください」。プロジェクトの挑戦はこれからも継続していきます。
花わさび
「山辺わさび」ロゴ
地域に根ざした新しい農業の形が、ここ山辺町から始まっています。
ミライト・ワン グループは、「技術と挑戦で『ワクワクするみらい』を共創する」というパーパスの実現に向けて、今後も取り組んでまいります。
- 実施会社
株式会社TTKエンジ山形
- 本店所在地
山形県山形市南栄町2丁目8番2号
- URL
https://www.ttk-g.co.jp/group/yamagata/
(2026/4/2)