NTTグループがGXに取り組む新ブランドを発表

2024年2月26日

日本電信電話(NTT)グループは2023年12月20日、カーボンニュートラルと経済成長の両立を目指すGX(グリーントランスフォーメーション)ソリューションを展開する新たなブランドとして、「NTT G×Inno(エヌティティ ジーノ)」を立ち上げたと発表した。日本の総電力の約1%を消費しているともいわれるNTTグループが積極的に取り組みを進めることで、日本のみならず世界におけるカーボンニュートラルの取り組みに拍車をかけようとしている。

社会全体のカーボンニュートラル達成に向けてNTTグループのノウハウを提供

「NTT G×Inno」というブランドの名称は、社会へのソリューション提供を通じてGX分野でイノベーションを起こすべく、「GX」と「Innovation」を組み合わせたもの。NTTグループは、2023年5月に公開された中期経営戦略「New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN」の中で、循環型社会に向けたグリーンソリューションの実現や循環型ビジネスを創造する取り組みを進めると発表している。一方で、日本に限らず世界全体におけるカーボンニュートラルの達成は、企業単独での取り組みでは難しい。そのためNTTグループでは、地域間連携や企業および業界間などを横断し、地域・産業全体でカーボンニュートラルに取り組み、社会全体で行動変容することが重要と考えている。

そこで、NTTグループはまず最先端の技術や保有するアセットを活用したカーボンニュートラル関連事業を加速し、「カーボンニュートラルと経済成長の同時実現」に貢献するために、自らでバリューチェーンを含めた脱炭素化の行動を起こす。例えば、NTTグループが開発を続ける光通信による低消費電力のネットワークインフラ「IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)」などを、カーボンニュートラルの推進に活用する。

「NTT G×Inno」は、これらの取り組みから得られたノウハウや実績を活かしてGXソリューションを創出し、企業や自治体などに提案する。それによって、社会全体のカーボンニュートラル実現を目指すが、2030年度に向けては1兆円超の事業規模達成にも取り組むとしている。

NTTコムウェアとNTTアノードテクノロジーがグリーン発電事業統合プラットフォームを提供

こうしたNTTグループ全体の取り組みに伴い、NTTアノードエナジーとNTTコムウェアは、太陽光・風力発電のデータを統合的に管理し分析活用する「Smart Data Fusion(グリーン発電事業統合プラットフォーム)」を、国内の再生可能エネルギー発電事業者などに向けて、2023年12月20日より販売・提供を開始した。

「Smart Data Fusion」はNTTコムウェアが開発したもので、日本有数の再生可能エネルギー発電設備を運営するNTTアノードエナジーのデータを元に、「期待発電量推定」や「異常早期検知」などのデータ活用モデルが搭載されている。NTTアノードエナジーはこれら技術を活用し、安定的な再生可能エネルギー発電による事業性確保や設備管理業務の効率化を実現し、NTTグループのGX化やカーボンニュートラル化を推進する。

NTTアノードエナジーは2023年4月から「Smart Data Fusion」を活用しているが、新たに「NTT G×Inno」の取り組みの中で、外部向けに提供を開始することになる。現在、NTTアノードエナジーが「Smart Data Fusion」を導入した発電所においては、運営管理のためのモニタリング業務の時間が70%程度短縮可能と見込んでいる。また、高精度の発電量予測などで推定する設備の異常検知により、設備の不調を未然に発見することができ、発電ロスを防ぐことで収益性を向上できると考えている。

(図1)「Smart Data Fusion」の提供イメージ(出典:NTTコムウェアのニュースリリースより引用) イメージ
(図1)「Smart Data Fusion」の提供イメージ(出典:NTTコムウェアのニュースリリースより引用)

NTTデータがGHG排出量を可視化するプラットフォームを提供

NTTグループは「NTT G×Inno」の取り組みの一環として、「総排出量配分方式(企業別排出原単位方式)」を採用可能なGHG(Green House Gas;CO2をはじめとした温室効果ガス)排出量可視化プラットフォーム「C-Turtle」を2024年2月よりグループ会社に導入し、サプライヤーのGHG排出量および削減努力を反映した算定・削減を実現する。

サプライチェーンが排出するScope3のGHG排出量は、一般的に「活動量(企業の活動規模)」×「排出原単位(市場平均値)」で算定されることが多いため、サプライヤーによるGHG排出量の削減努力を反映することが難しい。「総排出量配分方式」とは、企業全体のGHG排出量からScope1、2、およびScope3の上流側のGHG排出量を抽出し、サプライヤーとの取引額の割合に応じてGHG排出量を配分・連携する。これによって、サプライヤー各社の削減努力をより正確に自社のGHG 排出量に反映でき、サプライチェーンを通じたGHG排出量の算定・削減の推進が可能となる。

NTTデータはNTTグループとともに、2027年度までにGHG排出量の削減に取り組むサプライヤーを1000社程度まで段階的に増やし、それらのサプライヤーと「C-Turtle」を通じて可視化や削減に取り組んでいく。これによって、NTTグループ内に留まることなく、サプライチェーン全体のGHG排出量の可視化と削減を推奨する。

(図2)NTTデータが提供する「C-Turtle」の画面イメージ(出典:NTTデータの資料より抜粋) イメージ
(図2)NTTデータが提供する「C-Turtle」の画面イメージ(出典:NTTデータの資料より抜粋)

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