AIなどのテクノロジーの活用に向け、UI/UXが進化
AIをはじめ、さまざまなテクノロジーの活用により、UI(ユーザーインターフェース)/UX(ユーザーエクスペリエンス)の進化が顕著となっている。スマホという域を超え、新たなテクノロジーが活用されている。
エンタープライズAIへの統合された会話型UI
米ServiceNowは9月30日(米国時間)、エンタープライズAIへの統合された会話型の入口となるユーザーインターフェース「AI Experience」を発表した。
AI Experienceは、ServiceNowプラットフォーム上で、「プロンプト入力+会話インターフェースで操作できるUI」を中心に据えた、エンタープライズ向けAIの利用体験を再構築する取り組みである。ServiceNowはデジタルワークフローで業務の標準化と自動化を実現するクラウドサービスだ。
AI Experienceは、従来の「UI画面をクリックして操作する」形ではなく、「自然言語で質問したり、会話で指示したり、音声でやりとりしたりする」ことでシステムを動かせるようになる。AIエージェント(AI Agents)が業務を実行したり、自律的に動いたりする機能と統合されている。
また、AI Experienceはマルチモーダル(テキスト、音声、画像など複数の入力手段対応)かつ多言語対応のUIを目指しており、エンタープライズ利用を前提とした統合的なAI 接点(フロントエンド)として設計されている。このUI層を通じて、ServiceNow上のワークフロー・データベース・外部システムと AI モデルがシームレスに連携できるようになっている。
AI Experience が提供する主要なコンポーネントとしては、AI Web Agents、AI Voice Agents、AI Data Explorer、AI Lensなどがある。
AI Web Agentsは、AIエージェントがWebインターフェース(社内ポータル、外部アプリ等)を操作したりタスクを実行したりすることができ、たとえば、申請手続き、情報取得、複数システムに跨る操作などが行えるという。
AI Voice Agentsは、音声で自然な会話により対話、文脈を理解して操作も実行する。ハンズフリー対応、コールセンター支援などの用途が考えられるという。

(図1)AI Web Agents(左)とAI Voice Agents(右)
(出典:ServiceNow)
AI Data Explorerは、自然言語クエリでデータを探索・分析、傾向把握、相関分析などができる。「四半期のSLA(サービス品質保証:Service Level Agreement)の達成率を自然言語で教えて」などの問い合わせに回答可能だ。
AI Lensは、画面や画像からテキスト・構造を抽出し、ワークフローに取り込む、書類スキャニング、スクリーンキャプチャ解析などができるという。

(図2)AI Data Explorer(左)とAI Lens(右)
(出典:ServiceNow)
AI Lensはすでに一般提供を開始しており、他の機能は2025年末までに提供開始される予定だ。
Appleの新しいソフトウェアデザイン 「Liquid Glass」
米Appleは、2025年6月に開催されたWWDC(Worldwide Developers Conference)で新しいソフトウェアデザイン 「Liquid Glass(リキッド グラス)」を発表した。Liquid Glassは、iOS, iPadOS, macOS, tvOS, watchOSなど、Appleの各ソフトウェアで使われる新しいデザイン/インターフェース材料 (material)、あるいはデザイン言語(デザインスタイル)の名称だ。
Liquid Glassは「ガラスのような光学特性(透明性・反射・屈折など)を持ちつつ、動きや内容に応じて流動的に振る舞うUI材料(material)」として設計されている。

(図3)Liquid Glass
(出典:Apple)
Appleはこれを、画面上のボタン、スイッチ、スライダー、サイドバー、タブバー、通知、コントロールセンターなど、システムUIのあらゆる要素に適用していくという。また、ロック画面、ホーム画面、通知、コントロールセンターといったシステムエクスペリエンスにも活用する。
デザインチームとエンジニアリングチームの緊密な連携から生まれたLiquid Glassは、リアルタイムレンダリングを使用し、動きに応じて鏡面反射ハイライトで動的に反応する。これにより、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TVの使用がさらに楽しくなる、生き生きとした体験が生まれるとしている。

(図4)Liquid Glassはゲルのようにやわらかく、操作によって変形する
(出典:Apple)
Liquid Glassは「透明性」「屈折」「流体性」といった視覚的特性を取り入れ、コンテンツ中心かつ操作が直感的になることを目指すものだという。
BMWはフロントガラス全面に情報を投射する技術を搭載
独BMWは、1月に開催されたCES 2025において、次世代の「Panoramic iDrive」を披露した。このシステムは、BMW の新しいオペレーティング基盤「BMW Operating System X」を核とし、複数の表示・操作要素を統合する次世代インターフェースだ。
従来のHUD(ヘッドアップディスプレイ)+センターディスプレイの組み合わせを拡張するかたちで、フロントガラス(ウィンドウ)の幅いっぱいに情報を投射する。BMW はこれを「BMW Panoramic Vision(パノラミック・ビジョン)」と呼んでいる。

(図5)「Panoramic iDrive」
(出典:BMW)
「BMW Panoramic Vision」により、従来のようにメーターやセンター画面を見るために視線を下げる必要がなく、前方を見ながら速度、ナビ、警告などを確認できるメリットがあるという。また、音声、ジェスチャー、ハプティック(触覚)反応を組み合わせた操作が可能で、ドライバーはクルマと会話している感覚で操作できる。
なお、Panoramic iDriveは、2025年末からすべての新型BMWモデルに導入される予定となっている。
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