通信・AI業界の動向と今後について

2025年5月12日

AI(人工知能)業界の動向

総務省の「令和6年度版情報通信白書」によると、日本のAI市場規模は、2023年に6,858億7,300万円(前年比34.5%増)となっており、今後も成長を続け、2028年には約2兆5,433億円まで拡大すると予測されています。

国内AIシステムの市場規模(支出額)及び予測 (出典:総務省「令和6年度版情報通信白書」) イメージ
国内AIシステムの市場規模(支出額)及び予測 (出典:総務省「令和6年度版情報通信白書」)

2024年はGoogle、Appleといった大手テック企業のプラットフォーム統合から、個人向けのAIツール、自動車や宇宙関連に至るまで、AIがあらゆる領域へ浸透し、社会やビジネスの常識を根底から揺るがす変革が次々と起きました。
2023年は、画像やテキストを自動生成する「生成AI」が大きく注目されました。2024年にはその性能が一段と向上し、画像生成を行うモデルだけではなく、会話型AIやストーリー生成、ゲームのシナリオ制作など、クリエイティブな領域への適用が進んでいます。従来人間が担っていた部分にAIが導入されるケースが増え、制作の効率や斬新さが格段に高まっており、エンターテイメント産業や、映像制作会社、クリエイターにも大きな可能性をもたらしています。
また、Google、Amazon、Meta、Microsoftといった大手テック企業が、自社のクラウドサービスや検索エンジン、SNSなどへAIを導入する動きが顕著で、検索結果の最適化やレコメンド精度の向上が進みました。さらに、ビジネスアプリ全般にAIアシスタントが組み込まれることで、コラボレーションや情報共有も飛躍的に効率化しました。
日常生活では、スマートグラスやAIアシスタントを内蔵したイヤホンなど、ウェアラブルデバイスが急速に進化し、スケジュール管理や音声通訳、健康モニタリングなどに活用されるようになりました。

AI業界の今後

近年、AIの技術が急速に発展し、今では個人でもChatGPTといった生成AIを活用するようになっています。中でも今までの生成AIと異なり、より業務効率化やその活用方法について注目されているのが「AIエージェント」です。
「AIエージェント」とは、特定の目的を達成するために、環境を認識し、自律的に意思決定をするソフトウェアプログラムのことを指します。AIエージェントは、単なるチャットボットを超えた次世代のAIシステムとして注目を集めており、環境から取得したデータに基づいてリアルタイムに意思決定を行い、必要なアクションを選択して実行します。

AIエージェントと生成AIは似ていますが、AIの目的や作業内容に違いがあります。AIエージェントは具体的な指示が不要で、与えられた環境のもと、タスクを自己判断で行います。複数の機能を搭載していて作業内容も幅広く、複雑なタスクでも実行可能であり、業務内容を常に学習して効率良く達成する方法を分析するため、業務時間の短縮を図ることができます。
一方、生成AIは明確な指示が必要で、作業できる内容が決まっている場合が大半です。テキスト生成や画像生成に優位性を持つAIが多く、タスクの実行よりもコンテンツの生成に特化しています。
AIエージェントは自律的にタスクを進めることを得意とし、生成AIはあらゆる形態のデータを生み出すことを得意とします。仕事の一連の流れを任せて自動化したい場合はAIエージェントの活用、生成したい内容を適宜指示し、コンテンツを作りたい場合は生成AIの活用が適しています。応用範囲を考える際は、どの部分により大きな付加価値があるのかを見極め、それぞれを効果的に組み合わせて活用することで、業務効率化や新たなビジネスチャンスの創出が実現できるようになるでしょう。

このようなAIの進展を背景に、世界中でスマートデバイスの使用が増加し、IoTデバイスが普及する中、データ通信量は爆発的に増加しています。これらのデバイスが生成する膨大なデータを効率的に処理し、高速で安定した通信を提供するため「6G」の研究開発が進められています。
6Gとは、現在の5G技術をさらに進化させ、高速で大容量のデータ転送能力を持つ次世代の通信技術です。6Gは、2030年頃の実用化を目指して開発が進められており、自動運転車、スマートシティ、遠隔医療といった未来のテクノロジーを支える基盤となることが期待されています。

まとめ

AIは、今や単なるテクノロジーの進化を超えて、あらゆる業界でビジネスの在り方そのものを変え、企業戦略の中心として重要な役割を果たし、成長を支えるための不可欠な技術でもあります。業務効率の最適化やコスト削減だけではなく、新たな市場の創出、顧客体験の向上、さらには全く新しいビジネスモデルの構築に寄与する重要な要素となっているからです。企業は今後、AIの可能性を最大限に活用し、進化するテクノロジーに対応することが求められるでしょう。

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