導入前の課題 | びわ湖大花火大会の会場があまりにも広域ですので、担当者が一人で会場全体を把握するのは難しく、開催ごとに会場設営の担当者への業務の引継ぎに苦労していました。例えば、昨年に実際に設営された什器の設置位置や角度など、細かい情報までは伝えることができませんでした。 |
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導入後の効果 | 3Dモデルによって、複数の図面を開く必要がなく、広大な会場の様子を一元的に見える化ができるようになりました。会場内に設営する什器なども初めて担当するスタッフもイメージしやすいことから、分かり易く設営ノウハウの引継ぎをすることができています。 |
当社を選定して頂いた理由 | ミライト・ワンの「イベントDX:設営計画サービス」は、イベントに特化したシミュレーションサービスであり、他の花火大会での導入実績もあることから選定しました。 |
びわ湖大花火大会とは
びわ湖大花火大会は1984年から開催され、例年約30万人前後の人出で賑わう全国有数の大花火大会です。琵琶湖の夏の風物詩として、周囲を山々に囲まれた自然豊かな琵琶湖から打ち出される1万発もの花火は、夜空と湖面を彩るとても美しい花火大会です。びわ湖花火大会の代名詞ともいえる湖面上に半円を描くようにあげられる花火や、湖面近くに斜めに打ち上げられる花火は、他の大会で見ることはできない花火です。

びわ湖大花火大会2024
広大な会場だからこそ、図面だけで伝えるのは難しい
びわ湖大花火大会の会場は、琵琶湖畔の直線距離で約3㎞に及ぶ広大な会場で開催されます。
会場となる敷地内には、なぎさ公園や、びわ湖ホール、観光客で賑わう大津港の琵琶湖汽船などの平常時に市民の方が利用されている多数の施設が含まれているため、花火大会開催の数日前からという非常に短期間で会場設営を行う必要があります。
花火大会実行委員会で事前に入念な設営計画を立てていますが、例年30万人が訪れるあまりにも膨大な会場ですので、当然設置する什器の数が多く、本当に計画通りに配置されているか現場での確認が困難でした。
新しく担当される職員の方へ、蓄積したノウハウを継承したい
実行委員会を構成するメンバーは、毎年の異動等で変更となります。
これまで、新しく担当するスタッフには、図面や設営計画書などで会場設営のノウハウを引継ぎしていましたが、図面はエリア毎に分かれているため、複数枚に渡る図面をつなげて見ることができず、会場全体の設営イメージを伝えるのが難しいという課題がありました。
3D空間上に、花火会場だけでなく什器や安全対策の設営を忠実に再現
まるで、何度も訪れたことがあるような不思議な体験
今回は今年の大会を記録すべく、会場全体の3Dモデル化を担当させていただきました。当社のスタッフが撮影したイベント開催当日の現地の写真も活用し、実際に設営された会場を隅々まで3Dモデルで再現しました。
さらに、今大会の設営計画書をもとに3Dモデルの会場内に什器の配置の再現を行っています。 会場周辺についても、交通規制や歩行者誘導に設置された什器、最寄り駅から会場まで安全に通行して頂くために設置された誘導用の柵、通行を指示する警備用の櫓も再現しました。また、会場の内外を区切る網状のフェンス越しに、花火がどのように見えるのか、花火の見え具合も忠実に再現しました。
会場と会場周辺を再現した3Dモデルをお客様にご覧いただいたところ「図面より正確」「会場の状況が把握しやすい」という嬉しいコメントをいただきました。
パイプ椅子席、桟敷席
本部テント、警備用の櫓
網状の区分フェンスから見える花火も再現
最寄り駅から会場への観客誘導用の柵も再現
広大な花火会場をクラウドで一元管理、簡単操作で閲覧や計測が可能
びわ湖花火大会の会場を再現した3Dモデルはクラウド上に保存し、お客様の保有するパソコンからwebブラウザを利用して閲覧いただける環境をご提供しました。
ブラウザ上で会場の見たいところアップにして簡単に確認でき、前任者も各エリアの配置がどうなっているのかを分かり易く説明できます。このクラウド上の3Dモデルでは、ブラウザ画面内で面積や距離計測などが簡単に行えます。これらの機能が、会場借用時の費用算出にも役立つとのお言葉を頂きました。
百聞は一見にしかずで、新しく担当される方にとっても、ひと目で会場全体の設営イメージが理解しやすくなります。
有料観客指定席ターミナルエリア
有料観客席なぎさ公園エリア
有料観客自由エリア
Source: PIX4Dcloud
対象範囲を囲うだけで面積を計測できる
各地点の「花火の見え方シミュレーション」で満足度向上へ
今回は、「イベントDX:設営計画サービス」の導入から花火大会の開催まで日数が短かったこともあり、まずは「会場を正確に3Dモデルで再現する」ということを重点に取り組みました。
びわ湖大花火大会の打ち上げポイントは、琵琶湖の湖面に2個所あり、様々な角度から観覧できるのが特徴のひとつで、各地点からの角度によって花火の見え方が変わってきます。会場内の各地点から実際に打ち上げる花火がどのように見えるのかを、今回再現した「会場の3Dモデル」上でシミュレーションができるようになりました。
これらの「会場の3Dモデル」と「花火の見え方シミュレーション」を活用し、今後も安全に配慮した設計と来場されたお客様の満足度が高いイベントとなるよう設営計画をサポートしていきたいと考えています。
打上げ場所と尺玉のサイズから3Dで花火を再現
視点変更で各座席からの花火の見え方シミュレーションが可能
地域の活性化への貢献を目指して
近年、人手不足や資金不足、物価高騰による花火原料の高騰で、多くの花火大会が中止に追い込まれています。
当社グループのパーパスは「技術と挑戦でワクワクするみらいを共創する」であり、今後も、北区花火会でご採用いただいた「イベントDX:設営計画サービス」を通じて、地域のみなさまと共に、全国の花火大会やその他の地域イベントの成功に寄与してまいります。
- 団体名
びわ湖大花火大会実行委員会
- 所在地
滋賀県大津市打出浜2番1号「コラボしが21」6階 公益社団法人びわこビジターズビューロー内
- URL
https://www.biwako-visitors.jp/bureau/
(2025/3/13)