2026年に期待される最新テクノロジーを活用したソリューション
2025年は、生成AI関連のソリューションが急速に浸透した年であった。2026年はフィジカルAIの実用化など、AIのさらなる進化と応用が注目されるかもしれない。単に情報を検索したり、画像や動画を作成したりするだけではなく、社会の様々な側面に変革をもたらすテクノロジーを活用したソリューションを提供してくれそうだ。
人の代わりにアンケートに応えるヒューマンデジタルツイン
三菱総合研究所とNECソリューションイノベータは2025年12月15日、人の心をデジタル化してサイバー空間に再現し、シミュレーションやサービス設計に活用する「ヒューマンデジタルツイン(HDT)」の技術実証などを目的とする共同研究を開始すると発表した。研究では、実世界の人に働きかけて行動の変化を促す取り組み(介入)の結果と、日本人の心理・行動特徴を学習したHDT上で同じ介入をした結果を比較することで、HDTが実世界の人の行動の変化をどこまで再現できるのかを検証する。
従来、デジタルツインは工場や都市といった、物理的なモノをサイバー空間で再現する活用が中心だった。一方で、近年のセンサーやAI技術の発展に伴い、人を再現するHDTに注目が集まり始めている。現状では、人の姿勢や動作といった外観的な情報を反映したHDTによる、物理的な身体負荷などのシミュレーションが先行している。最近では、心理状態や価値観、パーソナリティ、感情など、人の内面的な情報も反映したHDTのニーズが高まっているという。
HDTは、どのような分野や用途での活用が考えられているのか。例えば、個人や集団の傾向や意思決定に至る内面的な情報を反映したHDTを活用すれば、アンケートやインタビューの結果をシミュレーションできる。これによって、実際に人を集めて意見を聞く必要がなくなり、サイバー空間上を使って世代や地域ごとの価値観を踏まえた、政策立案やマーケティングなどに役立てることができる。

(図1)ヒューマンデジタルツインの概念(出典:NECソリューションイノベータのプレスリリースより)
中山間地域の米作りに小型・低コストのロボットを活用
テムザックは2025年12月12日、小規模農業を続けられる仕組みの構築に向け、ineRoboと業務提携を行ったと発表。中山間地域の現場要件に最適化した小型農業ロボットの共同開発や試験導入、量産化・サービス化に、両者で連携して取り組んでいく。
農業従事者の高齢化と後継者不足が深刻化している日本の中山間地域では、圃場が小規模かつ分散しているため大型機械の導入や大きな投資が難しい。そうした状況を打開するためには、従来とは異なるチャレンジとして、小型・低コストのロボットの導入が有効と考えられている。両者はそのチャレンジとして、現場実装可能なロボットと運営プラットフォームを組み合わせた、新しいソリューションの開発・提供を目指していく。
具体的な業務提携の内容として、中山間地域の水田・畦管理に最適化した小型農作業ロボットの設計・プロトタイプを共同開発する。また、2026年春より西日本エリアを中心とした複数圃場でのパイロット運用を実施し、フィードバックを製品改良に反映する。さらに、導入支援や保守・教育体制を統合したSaaS型およびハードウェアを組み合わせた提供モデルに向けた量産・流通計画を策定し、ロボットが取得する環境・作物データを収量予測や病害リスクの可視化に活用する。

(写真1)テムザックがこれまでに開発した稲作用ロボット(出典:テムザックのプレスリリースより)
離島における安定的な輸送手段に向けた自動運航船
無人運航船の実現と人や物資の安定的な輸送を実現させるプロジェクト「MEGURI2040」を推進する日本財団は2025年12月10日、離島航路旅客船「おりんぴあどりーむせと」が国内初となる「自動運航船」として国の船舶検査に合格したと発表した。
同財団によると、一般旅客が乗船する定期船としては世界初となる、自動運航機能(自動運転レベル4相当)を活用した商用運航を開始するという。国内には400以上の有人離島があり、船員不足などで生活航路の維持が課題となる中、今回の運航開始を皮切りに船の自動化が加速することで、離島における安定的な人・モノの輸送手段の確保に期待している。
2022年1月~3月に本プロジェクトの第1ステージの一環として実施された実証運航では、船舶交通量の多い「輻輳(ふくそう)海域」として選定された東京湾での運航や、長距離(北海道苫小牧から茨城県大洗までの約750km)、長時間(18時間以上)の無人運航を成功させている。第2ステージでは、より環境負荷が小さい輸送手段「モーダルシフト」へ転換するために、旅客船やコンテナ船、RORO船(貨物を積んだトラックやトレーラーが自走して乗り降りできる船)といった様々な船舶を商用運航させ、社会実装することを目指している。

(写真2)国内初となる「自動運航船」(出典:日本財団のプレスリリースより)
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