データセンター建設ラッシュで注目されるソリューション
目次
AI、クラウド、5G、そして社会全体のデジタル化が一気に進み、データセンターは社会・産業の基盤そのものを支える存在に変わり"現代のインフラの心臓部"になっています。データセンター需要拡大で注目されているソリューションを紹介します。
ASUSがAIデータセンター向け液冷ソリューションでPUE 1.18を実証
台湾のコンピュータメーカーASUS(ASUSTeK Computer Inc.)は、2026年3月10日、AIデータセンターおよびHPC向けに最適化した液冷ソリューション「ASUS Optimized Liquid-Cooling Solutions」を発表し、実運用環境でPUE 1.18を達成した事例を公開しました。
ASUS Optimized Liquid-Cooling Solutionsは、AIやHPCワークロードの急激な高密度化に対応するため、高度な熱効率・柔軟な構成・グローバルなパートナーエコシステムを統合した液冷ソリューションです。冷却方式は、ダイレクト・ツー・チップ(D2C)、インロウCDU、そして空冷と液冷を組み合わせたハイブリッド設計を用意し、データセンターの既存環境にも容易に統合することができます。これにより、高性能CPU・GPU・アクセラレータが密集するAIラックから効率的に熱を排出し、エネルギー消費の大幅削減とPUEの低減を実現します。また、ASUSはSchneider ElectricやVertivなどのインフラ企業、Auras TechnologyやCooler Masterといったコンポーネントメーカーと連携し、信頼性の高い冷却エコシステムを構築しています。これらの技術は、SPEC CPU®やMLPerf™での高い実績によって性能が裏付けられており、次世代AIデータセンターの高密度化とTCO最適化を強力に支援します。
本ソリューションは、台湾のNCHC(国家高速網路與計算中心)に導入されたAIスーパーコンピューターでPUE(Power Usage Effectiveness/電力使用効率) 1.18を実証し、従来の空冷方式を大きく上回る省エネ性能を示しました。PUEはデータセンターの電力効率を示す指標で、1.18という数値は世界的にも非常に高く、今後の液冷普及を大きく後押しする成果と言えます。

出典:ASUSTeK Computer Inc. WEBサイトより
ソフトバンクが「Telco AI Cloud」構想を発表
ソフトバンク株式会社は2026年3月2日、全国規模の通信基盤を活かした分散型AIインフラ構想として「Telco AI Cloud」を公表しました。Telco AI Cloudは、通信ネットワークとAI処理基盤を一体化した全国分散型のAIクラウドです。構成要素は大きく3つあり、①大規模AI学習を担うGPUクラウド、②低遅延推論を実現するAI-RAN(無線アクセスネットワークとAI処理の統合)によるMEC基盤、③これらを統合管理するInfrinia AI Cloud OSで構成されています。
この仕組みにより、地方データセンターでの大規模学習、主要データセンターでの高性能推論、基地局近傍での超低遅延処理を役割分担し、従来の集中型クラウドでは難しかった低遅延・高信頼・データ主権性を実現します。また、AI-RANでは通信制御とAI処理のリソースを動的に最適化する独自オーケストレーション技術が導入され、ネットワークとAI処理を横断した効率的な運用が可能になります。
さらに、分散型インフラ特有の運用の複雑さを解消するため、Infrinia AI Cloud OSがGPU・ネットワーク・AIワークロードを一元管理し、安全なマルチテナント環境を提供します。Telco AI Cloudは、通信事業者からAIインフラプロバイダーへの進化を目指すソフトバンクの中核戦略であり、全国規模でのAI活用を支える基盤として期待されています。

Telco AI Cloudの概要
出典:ソフトバンクWEBサイトより
日鉄ソリューションズとオラクル、ソブリンクラウド・AIで協業
日鉄ソリューションズ株式会社(以下「NSSOL」)とオラクル・コーポレーションは、2026年1月30日、国内データセンターにおけるソブリンクラウドとAI基盤の提供で協業を開始すると発表しました。
今回の協業では、Oracleのクラウド基盤「Oracle Alloy」をNSSOLのデータセンター(東京・九州)に導入し、同社のマネージドクラウドサービス「absonne(アブソンヌ)」を刷新します。国内でデータを完結させたい企業や公共機関に向けて、データ主権に配慮したクラウド環境を提供でき、東京に加えて九州においても、ハイパースケールに近い機能のクラウドサービスを提供できるようになる点が大きな特徴です。
Oracle Alloyは、200以上のOCI(Oracle Cloud Infrastructure)サービスをパートナーが自社ブランドで提供できるクラウド基盤で、AI Databaseや高度なセキュリティ機能も利用可能になっています。NSSOLはこれを活用し、レガシーシステムのモダナイズ、AI活用、セキュリティ強化など、企業のDXを包括的に支援する方針を示しています。また、運用・保守まで含めたフルマネージドサービスを提供することで、クラウド移行の負荷軽減や運用効率化を実現したいとしています。
国内データセンターでの提供により、金融・公共・医療など高い信頼性が求められる領域での利用拡大が期待されます。

出典:日鉄ソリューションズWEBサイトより
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