ハイパースケールVSコロケーション!? データセンターの今後

2026年4月6日

近年、データセンター需要が世界的に急拡大しています。その背景として、AI(特に生成AI)の爆発的普及、クラウドサービスの継続的な拡大、DXの加速、企業の柔軟性・拡張性ニーズの高まりなどがあります。なかでも、「ハイパースケールデータセンター」と呼ばれる巨大データセンターの建設が相次いでいます。

出典:令和7年度版「情報通信白書 第Ⅱ部」 イメージ出典:令和7年度版「情報通信白書 第Ⅱ部」

ハイパースケールデータセンターの現状と課題

ハイパースケールデータセンターとは、大規模なデータ処理能力と大容量のストレージを持つデータセンターのことです。用途は、AI、オートメーション、データ分析、データ・ストレージ、データ処理、ビッグデータを扱うその他のコンピューティング処理など、多岐にわたります。ハイパースケールデータセンターを採用している企業は、AWS、Azure、Google、Metaなどがあります。
ハイパースケールデータセンターは、生成AIやクラウドサービスの急速な普及を背景に、世界的に最も成長が著しい領域です。特に生成AIの学習や推論に必要なGPUクラスターは、従来のサーバーよりもはるかに高い電力密度と冷却能力を必要とし、クラウド事業者はこれに対応するため、専用性の高い大規模施設を積極的に建設しています。AIワークロードは今後も増加が見込まれ、2030年までにデータセンターの電力需要が大幅に拡大すると予測されています。このような背景から、ハイパースケールデータセンターは「計算能力を確保するための戦略インフラ」として各国で重要性が高まり、土地・電力・送電網の確保が競争力の源泉となっています。特に電力制約は世界的な課題であり、主要都市では新規データセンターの建設が電力供給の限界によって制約されるケースも増えています。そのため、電力が確保しやすい新興地域への立地シフトや、再生可能エネルギー・小型モジュール炉(SMR)などの新電源の活用が注目されています。

コロケーションデータセンターの現状と課題

一方で、コロケーションデータセンターは企業のハイブリッドクラウド化の進展により、安定した需要を維持しています。コロケーション(co-location)とは、複数のユーザーがデータセンター内のスペースを共有し、サーバーやネットワーク機器などを設置することです。
コロケーションデータセンターを採用している企業は、Equinix、Digital Realty、NTT、 KDDI Telehouseなどがあります。
企業はオンプレミスを完全に廃止するのではなく、クラウドと組み合わせて最適なIT環境を構築する傾向が強まっており、その中で柔軟性・拡張性・セキュリティを兼ね備えたコロケーションの価値が高まっています。また、インターネットエクスチェンジ(IX)やクラウド接続ポイントとしての役割は、ハイパースケールでは代替できない強みであり、都市部におけるネットワークハブとしての地位は揺るぎません。さらに、液体冷却や高密度ラックへの対応が進むことで、AI推論やエッジコンピューティングなど新たなワークロードを取り込む余地も広がっています。企業のデジタル化が進む中で、データの近接性や低遅延性が求められるケースが増えており、地域分散型のコロケーション施設の重要性はむしろ高まっていると言えます。

ハイパースケールVSコロケーション!?データセンターの今後

ハイパースケールとコロケーションは競合関係ではなく、デジタルインフラを支える「補完的な二本柱」として発展している状況です。ハイパースケールはAIとクラウドの巨大需要を吸収し、国家規模の電力・土地戦略と結びつきながら急拡大を続けています。一方でコロケーションは、企業ITや相互接続、地域分散といった役割を担い、ハイブリッドクラウド時代の基盤として安定的に成長しています。電力制約が世界的に深刻化する中、両者はそれぞれ異なる強みを活かしながら、AI時代のデジタル経済を支える不可欠なインフラとして共存し、相互に補完し合う構造になっていきつつあります。今後は、AIワークロードの増加に伴う電力・冷却技術の高度化、ネットワーク相互接続の重要性の高まり、そして地域ごとの電力事情を踏まえた立地戦略の最適化が、両者の発展を左右する重要なテーマとなっていくでしょう。

【参考】
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/pdf/

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