2030年の社会を担うテクノロジー3選

2026年1月13日

2030年の社会では、少子高齢化や社会保障費の増大、労働力不足、環境問題など、さまざまな社会的課題が顕在化すると予測されています。日本では、65歳以上の高齢者が人口の約30%を占めるとされており、従来のビジネスモデルや社会システムの見直しが求められます。2030年に向けたテクノロジーの開発や応用では、これらの社会的課題を解決するテクノロジーが大きな期待を集めています。

高齢化社会を支えるロボティクス

日本では2035年に約68万人の介護人材が不足すると予測されており、高齢化社会では深刻な介護人材不足が懸念されています。そのような中で、ロボティクスは介護・医療・生活支援の分野で不可欠な役割を果たすと期待されています。
AIと融合した介護ロボットによる記録、掃除、配膳などの間接業務を支援することで、介護者の負担を軽減し、介護業務の効率化を図るほか、 高齢者の自立支援では、移乗支援、歩行リハビリ、服薬支援、排泄予測など、生活の質を高めるロボットが導入され始めています。
ロボティクスによる効率化は、医療・介護費用を抑制し、社会保障費の増大を緩和することにつながります。また、ペット型ロボットや会話支援ロボットが孤独感を和らげ、精神的健康を支えることで、高齢者が自宅で安心して暮らせる一助となり、QOLの向上にもつながります。
高齢化社会におけるロボティクスは、「介護人材不足の解消」「介護者の負担軽減」「高齢者の自立支援」という課題を同時に解決する可能性を持っています。2030年代には、AIとロボットが高齢者の「生活のパートナー」として社会に深く浸透していくでしょう。

出典:「在宅介護のイメージ像(2030年頃)」 三菱総合研究所Webサイト イメージ出典:「在宅介護のイメージ像(2030年頃)」 三菱総合研究所Webサイト

労働力不足の解消とAIエージェントの活用

2030年には、日本で約644万人の労働力不足が予測されています。高齢化に伴い、65歳以上の人口が増加し、労働人口が減少することが主な原因で、特にサービス業や医療・福祉業界での人手不足が深刻化するとされています。
この問題を解決するために、AIエージェントの導入が重要視されています。AIエージェントは、生成AIの技術を活用してデータ収集・分析・推論・行動・学習を繰り返す仕組みを持ち、自律的にタスクを実行するシステムです。
AIエージェントの導入によって、データ入力、書類チェック、FAQ対応、一次問い合わせなど、定型業務を正確かつ高速に処理することができます。また、顧客対応では、24時間365日稼働させることで、夜間や休日でも対応が可能となり、顧客満足度の維持につながります。バックオフィス業務では、経理・総務・受発注処理などを自動化し、外部委託(BPO)を減らすことでコストを削減できるほか、 営業・製造業支援では、AIエージェントを営業コーチや技術指導員として活用し、若手の人材育成や熟練工の技術継承に役立ちます。
2030年には日本企業で180万~900万体のAIエージェントが稼働する可能性があると試算されており、「デジタル社員」や「もう一人の労働力」として機能することが期待されています。AIエージェントの導入は、労働力不足の解消に向けた重要なステップとなるでしょう。

社会保障費増大を抑える手段として注目されるウェルネステック

高齢化による医療・介護費の膨張、年金支給の増加、少子化による負担の偏りなど、高齢者が増える一方で、支える現役世代が減るという人口構造の変化により、2030年の社会保障費増大は、避けられない事態となっています。
ウェルネステックは、「ウェルネス(心身・社会・環境を含む健康)」×「テクノロジー」を組み合わせた造語で、「心身の健康+社会的・環境的な健康」をテクノロジーで支える新産業です。単なる病気治療ではなく、予防・健康維持・生活の質向上を目的とし、社会保障費の増大を抑える有力な手段として注目されています。
予防医療・介護予防分野においては、ウェアラブル端末やAIによる健康データ解析で生活習慣病を早期発見したり、認知症予防アプリや運動支援サービスで介護需要を減らしたりすることができます。日本の医療費の約3分の1が生活習慣病関連であり、食事・運動・睡眠を改善するウェルネステックサービスは医療費削減につながります。また、高齢者がメタバースやオンラインコミュニティを利用し社会参加することで、孤立を防止し、精神疾患や認知症の進行を抑え、福祉費用の軽減が可能です。
医療・介護の「事後対応」から「予防・健康維持」へシフトすることで、社会保障費の増大を抑制することができ、持続可能な社会保障制度の構築に繋がっていくでしょう。

【参考】
「AIエージェント」が人手不足を解消するための3つの条件 | 203X : AIで拡張する社会 | 野村総合研究所(NRI)

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