【図解あり】AIエージェントとは?仕組みや種類、生成AIとの違いを解説

2026年9月28日

AIエージェントとは、情報収集や分析、タスクの実行までを自律的に行うソフトウェアである。2025年は「AIエージェント元年」とも呼ばれ、AIエージェントの関連サービスや機能が次々と発表された。AIエージェントは、業務効率化や人手不足の解消、意思決定の迅速化など、企業活動に大きな変革をもたらす技術として注目されている。一方で、「生成AIとの違いがわからない」「どのような種類があり、何ができるのかを知りたい」という方もいるだろう。

本記事では、AIエージェントの仕組み、生成AIとの違いをはじめ、種類ごとの特徴や活用事例、導入メリット・課題、今後の展望まで、図解付きでわかりやすく解説する。

※本記事の内容は2026年8月時点のものです。

AIエージェントとは

AIエージェントとは イメージ

AIエージェントとは、あらかじめ設定された目標や課題に対し、自律的にタスクを実行するソフトウェアである。人間が細かく指示を出さなくても、目標の達成に向けて必要な情報を自ら収集し、最適な手順を判断して実行できる点が特徴である。

ただし、AIエージェントの定義は開発ベンダーによって異なり、統一されたものが確立されているわけではない。ここでは、代表的な例としてOpenAIとGoogleによる定義を以下に紹介する。

<OpenAIによる定義>

"私たちはエージェントを、ユーザーの代わりに独立してタスクを遂行するシステムとして捉えています。"

引用:エージェント構築のための新しいツール | OpenAI

<Googleによる定義>

"AI エージェントは、AI を使用してユーザーの代わりに目標を追求し、タスクを完了させるソフトウェア システムです。"

引用:AI エージェントとは | Google Cloud

企業がAIエージェントを活用すれば、会議の内容を要約して議事録作成の時間を短縮化したり、カスタマーサポートの一次受付を自動で行えたりするなど、さまざまな場面で生産性の向上が期待できる。

ここでは、AIエージェントについて理解を深めるために、以下の2つを解説する。

 ●AIエージェントの仕組み
 ●生成AIとの違い

AIエージェントの仕組み

AIエージェントは、「知覚」「推論」「行動」「学習」という4つのステップを繰り返しながら、目標達成に向けて処理を進める仕組みである。

例えば、AIエージェントに対して「新規サービスの市場投入戦略をまとめる」という目標(指示)を設定したケースを想定してみよう。その場合、以下の4つのステップで処理が進むと考えられる。

ユーザーが設定した目標:新規サービスの市場投入戦略をまとめる イメージ

1つ目の「知覚」では、与えられた指示から目標を認識する。2つ目の「推論」では、目標達成に向けたタスクを洗い出し、情報収集や分析を行う。具体的には、過去の市場動向を調べたり、競合サービスの情報を集めたりする。

3つ目の「行動」では、戦略をレポートやプランとしてまとめ上げ、4つ目の「学習」では反応が良かった施策などのフィードバックを蓄積し、次回に活かす流れである。

こうした仕組みを支える技術の一つに、大量のデータを学習したLLM(大規模言語モデル)がある。近年話題になっている「AIエージェント」は、このLLMの推論によって処理を実行するタイプを指すことが多い。

生成AIとの違い

ChatGPTやGeminiなどの生成AIとAIエージェントは、どちらもAI(人工知能)に分類されるが、役割や仕組みに以下のような違いがある。

種類 AIエージェント 生成AI
主な役割 特定の目標達成・課題対応 コンテンツの生成
仕組み 複雑な目標・課題に対し、タスクを分解して自律的に行動の意思決定をし、実行する ユーザーが入力するプロンプト(指示)に応答し、文章や画像などのコンテンツを作成する

生成AIは、ユーザーのプロンプトに対してアウトプットを出力する「受動的」な反応であるのに対し、AIエージェントは、与えられた目標・課題に対してタスクを「自律的」に分解し、実行する点が大きな違いである。

下図のように、AIエージェントはユーザーとのやり取りだけで完結しない。インターネット検索やデータ分析、社内データベースへのアクセスといった複数の手段を自ら考え、使い分けながら目標達成に向けて行動する。

従来の生成AI AIエージェント イメージ

生成AIについて詳しくは、以下の記事を参考にされたい。

関連リンク:生成AIの種類一覧|文章や画像生成などビジネスでの活用例を紹介

AIエージェントの種類とできることの例

AIエージェントは、仕組みによっていくつかのタイプに分類される。ここでは4つの種類と、それぞれができることの例を紹介する。

 ●反射エージェント
 ●学習エージェント
 ●目標ベースエージェント
 ●効用ベースエージェント

反射エージェント

反射エージェントは、あらかじめ定められたルールや条件、過去のデータに従い、目の前の状況に対し反応するタイプのAIエージェントである。

具体的には、「こういう状態ならこう動く」というシンプルな考えで動作する仕組みを持つ。他のタイプと比べて想定外の状況への対応力は低いものの、ルーティン業務の効率化に向いている。

<反射エージェントでできることの例>

 ●工場で機器の温度が設定値を超えたタイミングで、自動的にシャットダウンさせる
 ●工場の生産ラインで重量不足など欠陥品を検知し、コンベアから取り出す
 ●差出人や件名などの条件に沿ってメールを自動で仕分け、優先度を振り分ける

学習エージェント

学習エージェントは、蓄積されたデータや過去の経験をもとに、自らの判断基準を継続的に更新していくタイプのAIエージェントである。

利用を重ねるほど精度が向上していく点が特徴で、複雑なタスクが多く、不確実な状況での使用が向いている。

<学習エージェントでできることの例>

 ●精度の高い判断が必要な自動運転で、走行経路の最適化・障害物の回避を行う
 ●過去の購買履歴から、顧客ごとに刺さりやすい商品をレコメンドする
 ●医療機関で受診データを学習し、次回の予約スケジュールのタイミングを自動で設定する

学習エージェントでは、機械学習の一つである強化学習が利用される場合がある。詳しくは、以下の記事を参考にされたい。

関連リンク:強化学習とは?仕組みや教師あり・なし学習との違い、具体例まで

目標ベースエージェント

目標ベースエージェントは、あらかじめ設定された目標の達成に向けて、複数の選択肢を検討しながら計画を立て、自律的に行動するAIエージェントである。

「目標達成にどの行動が近づくか」を評価したうえで動く点が特徴とされている。

<目標ベースエージェントでできることの例>

 ●商談が停滞している顧客をCRM(顧客管理システム)から洗い出し、フォローのための施策を組み立てる
 ●複雑なプロジェクトマネジメントにおいて、タスクの優先度を判断しながら、進捗状況も考慮して計画を再編成する
 ●センサーが搭載された自律走行する倉庫ロボットが、周囲をリアルタイムに把握しながら移動し、「ものをつかむ」などのタスクが失敗した場合に代替アプローチを検討する

効用ベースエージェント

効用ベースエージェントは、目標を達成できるかどうかだけでなく、複数の選択肢それぞれの効用(望ましさ)を数値化して比較し、最も効用の高い行動を選ぶAIエージェントである。

満足度やリスク指標など、複数の評価軸のバランスを取る必要がある場面で力を発揮する。

<効用ベースエージェントでできることの例>

 ●コストやリスク、品質など複数の要素のバランスを取りながら、複雑なサプライチェーン管理を効率化する
 ●コールセンターで、顧客満足度や対応時間など複数のスコアを考慮し、最適なオペレーションをリアルタイムで実現する
 ●収益最大化とリスクのバランスを図り、トレーディングボットが金融市場での自動売買を行う

なお、自治体の業務効率化やマーケティング領域におけるAIエージェントの活用事例については、以下の記事を参考にされたい。

関連リンク:
AIエージェントから共同利用まで広がるAIによる行政業務改革
CDPの先に見据えるのは「マーケティングの全自動化」。 AIエージェントが変えるビジネスの根幹

企業がAIエージェントを導入するメリット

企業がAIエージェントを導入するメリット イメージ

企業がAIエージェントを導入する4つのメリットを解説する。

 ●業務の自動化・効率化
 ●人手不足の解消
 ●意思決定の迅速化
 ●パーソナライズされた顧客対応

それぞれ、詳しく解説する。

業務の自動化・効率化

AIエージェントは、単に反復作業を代行するだけでなく、複数のタスクの優先順位を自ら判断し、継続的に処理を進めながら業務を完了させるため、業務の自動化・効率化に役立つ。

これまで、データ入力やファイル管理といった定型業務では、RPA※が活用されてきた。RPAが決められた手順に沿って業務を実行するのに対し、AIエージェントは状況に応じて複雑な業務の進め方を調整しながら動作する点が異なる。

AIエージェントの活用によって、従業員はより重要な業務に集中できるようになるだろう。

※ RPA(Robotic Process Automation):データ入力やファイル管理など、パソコンを使った定型業務を自動化するシステム。

人手不足の解消

限られた人員でも業務を回せる手段として、AIエージェントは人手不足に悩む企業から注目されている。24時間365日稼働できるため、時間帯や担当者の有無に左右されずに業務を継続できる点が特徴である。

また、対応品質が個人の経験や体調によってばらつきにくく、一定の品質を維持しやすい点もメリットの一つである。属人化を解消し、限られた人員体制の中で安定した業務品質の維持が期待できる。

意思決定の迅速化

AIエージェントは、社内データや外部の情報を横断的に収集・分析し、実行可能な選択肢を提示する仕組みである。人が一つひとつの情報源にあたって整理する時間を省けるため、複雑な課題に対して判断スピードが上がると考えられる。

例えば、需要予測や市場分析のように大量のデータを踏まえた判断が必要な場面では、AIエージェントがリアルタイムの情報をもとに選択肢を整理する。AIエージェントにリサーチ業務を任せることで、企業担当者はより早い段階で戦略の検討に入ることができるだろう。

パーソナライズされた顧客対応

AIエージェントは、顧客の購買履歴や過去のやり取りを踏まえたうえで、パーソナライズされた提案やサービス提供を行う。

例えば、コールセンターでの問い合わせに対し迅速に回答したり、おすすめの商品をレコメンドしたりできる。オペレーターのスキルに左右されず、均一で質の高い対応を提供できるようになり、顧客満足度の向上にもつながるだろう。

AIエージェントの導入・活用時の課題

AIエージェントは業務の自動化や効率化に役立つ一方で、いくつかの課題もある。ここでは、導入・活用時に注意したい3つの課題を紹介する。

 ●ハルシネーションの発生
 ●セキュリティ上のリスク
 ●想定を超える計算負荷

ハルシネーションの発生

ハルシネーションとは、事実ではない誤った情報をもっともらしく出力する現象を指す。AIエージェントの活用によって、誤情報であることに気づかないまま業務に利用してしまうリスクがあるだろう。

すべての工程を任せきりにすると、アウトプットの品質が下がる可能性がある。そのため、AIエージェントに情報収集や一次処理は任せつつ、重要な判断や最終確認は人が行うなど、役割分担の体制を構築することが欠かせない。

セキュリティ上のリスク

AIエージェントを社内のデータベースに接続している場合、業務遂行のために機密情報へアクセスすることが多く、セキュリティ対策が不十分だと情報漏えいや不正アクセスにつながりかねない。

個人情報が外部流出してしまった場合、金銭的な損害や社会的信頼の低下などが起こるリスクがある。そこで、適切な権限設計や操作の監視、ログの記録など、セキュリティ対策を講じることが重要である。

想定を超える計算負荷

AIエージェントで扱うタスクが複雑化・大規模になるほど、想定以上の計算負荷が発生し、リアルタイムな応答が難しくなる場合がある。

生成AIとは異なり、AIエージェントはタスクを自律的に計画し、インターネットやデータベースへアクセスするなど、さまざまな処理を並行して実行する。そのため、負荷が積み重なりやすい。

AIエージェントの今後

AIエージェントは今後、単独で動くものから、複数のエージェントが連携しながら動くマルチエージェント化へ進んでいくと見られている。推論能力も向上し、より複雑な課題に対して高い精度で対応できるようになるだろう。

実際、すでにマルチエージェント技術の開発・活用は進められている。例えばトヨタ自動車では、振動や燃費、規制対応など複数の専門分野を担うAIエージェントが連携する社内向けシステムを導入した。これにより、ベテラン技術者の知見に24時間アクセスできる体制を実現している。

一方で、こうした進化は扱うタスクの規模拡大にもつながる。エージェント同士が連携し、より高度な推論を重ねるほど、それに伴う計算負荷も比例して増えていく。

今後、AIエージェントの活用を広げるほど、それを支える計算基盤のあり方が、企業にとって無視できないテーマになっていくだろう。

関連リンク:AIのビジネス活用はエージェントで次のステージへ

AIエージェントの大規模データに対応した「コンテナ型データセンター」

ここまで見てきたように、AIエージェントの活用が進むほど、扱うデータ量や処理の複雑さは増していく。マルチエージェント化や高度な推論が当たり前になれば、その分の計算負荷は一段と大きくなり、通信の遅延などが頻発してしまうだろう。

こうした課題に対し、株式会社ミライト・ワンは、コンテナ型AIデータセンターの設計から施工、運用・保守までを一気通貫で支援する「ミライト・ワン コンテナDCワンストップソリューション」を提供している。

これは、AIエージェントが扱う大規模データにも対応したコンテナ型データセンターである。建築物の扱いとならず、またワンストップで対応するため最短6ヶ月で建設が完了する点が強みとなる。

また、株式会社ミライト・ワンには再生可能エネルギーの施工実績も豊富にあることから、再エネ電力と組み合わせた構築にも対応している。

詳しくは、以下のページも参考にされたい。

コンテナ型データセンター

関連リンク:
コンテナ型データセンターとは?メリット・デメリット・3つの事例をご紹介
データセンターの課題とは?再エネや冷却システムなどによる解決策も紹介

まとめ

AIエージェントは、目標達成に向けてタスクを自律的に実行できる点が特徴であり、業務の自動化や人手不足の解消、意思決定の迅速化など、企業活動にさまざまなメリットをもたらす技術である。

一方で、活用が進むほど扱うデータ量や処理の複雑さは増し、これを支える計算基盤のあり方も重要なテーマとなっていく。

株式会社ミライト・ワンでは、AIエージェントの大規模データにも対応したコンテナ型データセンターの設計から施工、運用・保守までをサポートする「ミライト・ワン コンテナDCワンストップソリューション」を提供している。AIエージェントの活用を検討する際は、あわせて検討してはいかがだろうか。

コンテナ型データセンター

また、株式会社ミライト・ワンは、新木場ビルにデルタ電子のLTA CDUを搭載した水冷コンテナ型データセンターを国内で初めて設置した。以下のニュースもあわせて参考にしてほしい。

関連リンク:ミライト・ワン新木場ビルにデルタ電子LTA CDU搭載の 水冷コンテナ型データセンターを国内初設置

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